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【行動経済学】人はどのように決断をするのか

決断力を高めるために、人がする決断とは、どのように思考しているのかと言う事を知っているととても役に立ちます。

またこれを知っていると、客の意思決定を理解することもできるので、ビジネスにもとても役に立ちます。


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という事で本日も他愛もないお話をしていこうと思うのですが、本日は人が物事を決断する時の、思考の仕組みについてお話していこうかと思います。


今回まひろ(筆者)が参考文献につかている著書は、ファストアンドスローです。有名な著書なのでご存知の方も多いと思うのですが、この本はノーベル経済学賞を受賞者であり、プロスペクト理論の提唱者である、超すごいダニエル・カーネマンさんが書いた本です。

それでこの本には何が描かれているのか大きくまとめて言うと、人の意思決定の仕組みについて詳しく綴られています。


本日はそれを参考にしながら、心理学と脳科学の知識を入れつつ、より効果があって有益な話をしていこうかなと思います。


と言う事で、早速本題に入っていくと、まず「決断」とは主に脳の「思考」という働きとも言えるのですが、人には大きく分けて思考モード2パターンあります。



人の思考モードは2パターンある


まずは皆さんこの画像をご覧ください。

画像1


とても綺麗な女性だと言う印象を受け取りますよね。顔が隠れていても美人だと言う事がわかるぐらいに。今の時代多くの人がマスクをかけているので、マスクを外した時に

「あれっ…」

なんて事が良くありますよね。(やめとけや)

しかし、この人は絶対に美人です。

おまけに綺麗な青色の瞳でこちらを見ていて、何かを伝えようとしているのかな、あれ、ひょっとして俺に好意があるんじゃ。あ、そういやこの前夢で会いましたよね。


と言う印象を一瞬で読み取る事ができますよね。


では次に、これをご覧ください。


24×27=?


まずこれを見た瞬間にパッと答えが出せる人は少ないでしょう。

パッと見た感じでは、答えは2桁ではなく5桁でもないと言う事がわかりますよね。


ただ、正確な答えを出そうとすると、暗算でとくと割と時間がかかるし、中には解けない方もいらっしゃるかもしれません。

頭の中で筆算を作って、計算をして、じっくり時間をかけて思考を巡らせて考えますよね。


ちなみにまひろは計算が特技でして、これぐらいなら2秒もかからずに暗算で答えを出せます。(答えは648です)



この2つの体験から何が言えるのかと言うと、先ほどの美女の画像から、その美女の感情や印象はパッと思いついたのに対し、24×27の答えはパッとは思いつけなかったと言う事です。


人の思考モードはこのように、早い思考遅い思考の2つのパターンがあるんですよね。



早い思考


早い思考とは何なのかと言うと、さほど努力を必要としないパッと見の認知のことを言います。

それは例えば先ほどの美女の写真を見て、あなたが美女に対する印象を抱いたかのように、人の印象を決める時であったり、信号が今何色かを判断する時であったり、1+1のような簡単な計算を解く事であったりします。


これは脳科学的な見解で解説すると、意味記憶・プライミング記憶の再起とも言えるでしょう。

どちらかと言うと、思考を巡らせて答えを論理的に導くと言うよりかは、自分の中にある既存の記憶に出来事を当てはめるという感覚に近いと言う事です。

例えば、大人が9 ×9=?という問題を解く時に、9を9回足したり、電卓を使ったりせずとも、いきなり答えは「81」であると言う事がわかりますよね。

それはなぜかと言うと、多くの人が「九九八十一」という式を、まとまった1つの記憶として頭の中に保存しているからなんですよね。

これを脳科学では意味記憶と言うのですが、早い思考もこれと同じでどちらかと言うと、思考を巡らせて論理的に答えを導くのではなく、自分の記憶を出来事に当てはめると言う感覚です。



遅い思考


遅い思考とは複雑な計算や思考、選択などしっかりと頭脳を働かせないといけない知的活動に使う認知のことを言います。


これは例えば先ほどしていただいた「24×27=?」という複雑な計算をはじめとして、意見を考えたり批判をする時、合理的・論理的な思考をする時などなど、多くの方が想像する、頭を使ってじっくり考える思考の事です。



思考モードは決断に大きな影響を与える


ではこの2つの思考モード「早い思考」と「遅い思考」があったら何になるの?ってことをお話していくと、このどちらのモードで思考をするかで決断に大きな影響を与えるんですよね。

ではどう影響を与えるのかと言うと、この「遅い思考」が駆使されている時は「早い思考」行動に大きな影響を与えます


この「早い思考」が行動に影響を与えるとどうなるのかと言うと、この「早い思考」短期的・利己的で、自分に甘い選択をする傾向「遅い思考」計画性、長期的な利点を選択する傾向にあります。


多くの人が思い浮かべる直感が「早い思考」に当たります。



直感は頼りになるの?


心理学者のハーバート・サイモンによれば、直感は認識に過ぎないといいます。今自分が置かれている状況の手がかりを見つけ、その手がかりがその人の記憶に埋もれた知識や情報を掘り起こします。

ただ、人の直感は果たして正しいのか、と言うことをまひろが心理学的に解説していくと、直感は正しい可能性が非常に高いですし、実際に直感の正しさを支持する実験もあったりします。ただ、正しい直感をするためには、ある条件下である必要があります。

どう言うことかと言うと、先ほどもお話したように直感とは、自分の今まで得た過去の経験や知識などの記憶を、脳が潜在的(無意識)に掘り起こしてくれる事を言います。


だから、今まで沢山の知識と経験を積んできたプロ将棋選手の将棋に対する直感は非常に正しい可能性があります。

今まで、沢山人と触れ合ってきたから、僕達は相手の表情パターンを見て、なんとなく相手の感情がどうであるかを直感で当てる事ができます。



ただ、全く将棋のルールを知らない人が、将棋をした時に直感を使ったらその直感は全くの見当違いである可能性が極めて高いです。それはなぜかと言うと、直感を働かせられるだけの将棋の知識や経験がその人にないからです。

十分な経験や知識がない分野での直感はあてにならないのです。


例えば、ペンと消しゴムのセットで2千5百円です。ペンは消しゴムより2千円高いです。直感でお答えください、消しゴムの値段はいくらでしょう?



〜?〜



この答えは多くの人が直感で答えると、消しゴムよりペンの方が2000円高くて合計は2500円だから消しゴムは500円だ、と答えるのですが、よくよく考えてみるとその直感は間違えていることに気がつくと思います。この問題の答えは250円です。



必ずしも直感は正しい訳ではない


こうして、自分が熟練されていない分野で直感を使うとどうなるのかと言うと、バイアスの影響を受けるんですよね。そのバイアスについては、明日の記事で詳しく語っていこうと思います。


だから要するに、正しい直感をするためには、規則性と熟練されたフィードバックが必要になります

そして、直感を正しく働かせるには、明確な規則性が高い分野で(例えばギャンブルでの直感は意味がない)自身がその分野に対しての知識や経験が豊富でなければいけません。


結局のところ、自分が熟知している分野においての直感は大いに決断力を高める可能性があるのですが、これから参入したり新しく作った、自分が知らない分野に関しては「遅い思考」を使う必要があるわけです。


ではどうすれば遅い思考をコントロールできるようになるのか、と言う事を明日の記事ではお話していこうと思うので、決断力を高めたい人は必見となっています。



それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました。

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