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できる限りその空洞をしっかり保って
「いやだ。
メロンソーダが飲みたかったのに。
それが無いから、代わりにアイスココアにしましょっていうのが好きじゃない、
私って小さい子供のくせに生意気かな」
沙羅(さら)はメニュー表を一通り眺めたあとにそう言った。僕と行動を共にして、ようやく発した言葉がそれだった。
沙羅の背景には深い褐色のレンガが敷き詰められていた。等間隔の繋ぎ目を沿うように視線を泳がせる。薄いレンガの壁紙を貼り付け
「いやだ。
メロンソーダが飲みたかったのに。
それが無いから、代わりにアイスココアにしましょっていうのが好きじゃない、
私って小さい子供のくせに生意気かな」
沙羅(さら)はメニュー表を一通り眺めたあとにそう言った。僕と行動を共にして、ようやく発した言葉がそれだった。
沙羅の背景には深い褐色のレンガが敷き詰められていた。等間隔の繋ぎ目を沿うように視線を泳がせる。薄いレンガの壁紙を貼り付け