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靴を履き続けろ!

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靴にまつわるエッセイです。
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2021年2月の記事一覧

フランス

フランス

 フランスはイタリアと並んで、世界最高の革産地だ。中でもカーフと呼ばれる仔牛の革に関しては最高の素材がつくられる。この背景には質の良い原皮が大量に取れるという事情がある。つまり、なめされた革以前に、仔牛の皮がたくさん取れるのだ。イタリア原皮に関しては、イタリア国内に世界一大きな革製造(なめし)産業を擁するので、多くは国内で消費されてしまい、日本まではなかなか届かないが、フランスのタンナー(革なめし

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オーストラリア

オーストラリア

 二〇一〇年、シーシェパードというアメリカの動物愛護団体が日本の調査捕鯨船を妨害していたことがニュースになった。実際には監視船への攻撃という犯罪行為によって大きなニュースになった。この団体に港を提供し、このテロを行った小型高速艇を発進させたのがオーストラリアである。それまでも、オーストラリアは日本の調査捕鯨に対しては一貫的に攻撃的な態度をとってきたが、この事件でさすがにその機運もひと段落したようだ

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ジャマイカ

ジャマイカ

 ジャマイカの生んだ偉大なるポピュラーミュージックは、何といってもレゲエとスカだ。イギリス支配によって英語が公用語であったことがこの二つの音楽ジャンルを世界的メジャーにした要因であったことは確かではあるが、もちろんそれだけではない。国民の九割以上がアフリカ系人種という南米では珍しい民族性と、アメリカのジャズやリズム&ブルースが出会うことによってそれらは生まれた。最初にスカが生まれた。単調なバックビ

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ポルトガル

ポルトガル

 ポルトガル第二の都市ポルトの郊外には、一大革靴生産地がある。サン・ジョアン・ダ・マデイラという名の小さな街だ。ポルトから車で三十分ほど南へ下ったところにある。この街とその周辺にポルトガル靴産業を支えるほとんどが集中して集まる。数多くのメーカーが存在するが、残念ながら聞き知ったものはほとんどないのが事実だ。何故なら、ほとんどのメーカーは自社ブランドではなく、他社のブランドの靴をつくっているからだ。

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スペイン

スペイン

 ヨーロッパではイタリアに次ぐ第二の靴輸出国と知られる。革靴の生産地は、アリカンテ、アルバセーテ、サラゴサ、そしてマヨルカ島とスペイン東部に集中しているが、エスパドリーユと呼ばれる麻製ロープを底材に使ったカジュアルなものは中央北部でつくられる。このエスパドリーユはもともとスペインとフランスにまたがるバスク地方で履かれていた民族的な靴だからだ。水辺で履けば濡れてもすぐに乾き、夏の暑い日には足がべたつ

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メキシコ

メキシコ

 メキシコはコカコーラの消費量が世界一の国だそうだ。年間で国民一人当たり五〇〇本近くの消費量を誇る。赤ん坊や老人の分を減じて計算すると、一日に一人二本は飲む計算になる。それを聞いたときは、乾燥した国で昼間の強い日差しの下に飲むコカコーラは格別においしいのだろうと思っていたのだが、最近、本国アメリカに逆輸入されたメキシコ産コカコーラが売れているというニュースを知った。何でも、アメリカ産に比べて炭酸が

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インド

インド

 世界の大部分の国、場所では靴というよりは、サンダルや素足で一生を過ごすところが少なくない。我々人類は寒い不毛な土地に住むよりも、温暖で肥沃な土地に住むことを好み、そしてそこで圧倒的に繁栄しているのだ。たとえばインドでは、多くの人々が革靴などは履かずに一生を終える。ダージリンやカシミールなど北東部の山岳部を除けば国土の大部分が熱帯気候のインドでは、足が凍傷に罹る心配はなく、したがって皆が革靴の必要

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中国

中国

 中国に「纏足」という風習があったことはよく知られている。人為的に少女の足を奇形化して成長を阻害し、小さな足にするものだ。ポイントは小さな足、そして尖ったつま先である。尖ったつま先により、小さな、そして先の尖った靴にぴったり収まる足になる。成長を阻害したため甲は盛り上がるが、甲は婦人靴の外に出る部分だ。そういう足にするために足の指を折って骨折させたり、ガラスの破片を踏ませて壊死させた部分を削ぎ落と

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キューバ

キューバ

 スペインとアメリカによる長い植民地時代を経て、キューバが革命により独立を果たしたのは一九五九年のことである。有名なチェ・ゲバラとフィデロ・カストロらの指導による革命であった。この革命は、現在のキューバで布かれている社会主義国家体制を目指したものではなかった。単に親米派のバティスタ政権を打倒して、その政権、アメリカ企業、そしてアメリカンマフィアが独占していたキューバの富をキューバ国民に取り戻そうと

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ルワンダ

ルワンダ

 アフリカの小国ルワンダ。アフリカの中では、石油などの天然資源やダイヤモンドなどの鉱物資源の乏しい地味な国のひとつだ。近年、海外からの多額の援助もあり、高層ビルが次から次へと建設され急速に都市化が進んでいる。脚光を浴びたのは、残念ながらその悲惨な内戦によってだった。一九九四年に起きたフツ族とツチ族の民族抗争は、百万人もの残虐死者を生んだ。国連をはじめ世界各国は何の介入もせずにただ静観する態度を決め

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韓国

韓国

 大韓航空機に乗ってソウル・インチョン空港に降り立つとなんだか懐かしいような、まるで夏休みの夕方に暮れ行く夕空を見上げたような気持ちに襲われる。何故だろう? きっと韓国の人々が我々日本人に近く、それでいて小さい頃の近所のお兄さんや遠縁のおじさんを思い出させるからだろうと思う。海外にいると何故だかそんな風に周りを見てしまうものだ。韓国ソウルのビジネスマンは皆おしゃれだ。一度スーツ姿で飛行機に乗り込む

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ロシア

ロシア

 国が巨大すぎて一言では言い表せないし、私が生まれてからは日本とアメリカの反対側にあったので、その情報も限られたものだった。石油、天然ガス、石炭の埋蔵量世界一、砂糖(甜菜)の生産量世界一、小麦の生産量世界一、(もちろん)ライ麦の生産量世界一。中学校の地理の教科書で学んだことだが、とにかく資源の豊富な国である。そして社会主義という理想郷を本気で実現しようとした国で、東ヨーロッパや東南アジア、南米にま

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ドイツ

 一九八八年に私が大学に入学するとすぐに、習得する第二外国語の選択に迫られた。確かフランス語、ドイツ語、そして中国語の三ヶ国語の中から選択しなくてはならなかったと記憶している。日本でしか生活したことのなかった私にとっては、その三ヶ国はどれも未知の国であった。フランスにはフランス料理とシャンソン、ドイツにはヒトラーとクラシック音楽くらいのイメージしかなく、そして中国にはほとんど何のイメージも持たなか

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イスラエル

イスラエル

 イスラエルという国には何か他の国にはない通念があるように感じられる。もちろん、通念というのはその国々によって様々なのだろうが、この国には、何というか、人間の根本に関わる部分での通念に異質な何かを感じる。新しい国であることも影響しているかも知れないし、この地を巡る民族と宗教の歴史がそうさせるのかもしれない。この何十年か戦争の絶えない国として世界中の関心を集め、莫大な軍事費が費やされるとともに、たく

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