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2022年10月の記事一覧
青天の霹靂16(男同士の勝負)
「はい、終わり」
そう言って廉は、廉夏と、冬眞の間にパンフレットが差し込んだ。そして、冬眞に何かを投げる。
冬眞は、それを、左手でうまくキャッチをすると、それを確認することなく、冬眞は、廉に自分が抱えていた廉夏を廉に渡しキスをする。それに、廉は驚いた。
「ンゥ」
廉夏も驚いたように、目を見開く。
「早く行って来いよ」
廉は呆れたように言う。
「痛くなくなるおまじないです」
冬眞は、ウィンクする。そ
青天の霹靂15(とうとう動き出す)
「つまり、廉さんもそこに違和感を感じたことに、否定はなさらないんですね」
「さあ、それは、どうかな? 自分で答えを見付けろ。ただ、俺から言えることは、経営者の近くには、反対のことを言う立場の者も必要だと言うことだ。必ずしも、意見を認めてくれる者だけが大切だとは、限らない。特に俺みたいな人間にはな。反対してくれる者が重要だ。いつもハイハイ言われてると、自分のしていることが正しいことなのか分からなくな
青天の霹靂12(ホテルのオープン記念パーティー)
ホテルのオープン記念パーティに意気揚々とやって来た廉夏は、ホテルを前にして、すごく不満そうに言う。
「やっぱり、こんなの全然違う」
「ホテルのオープン記念パーティなら、こんなものだろう」
廉は冷めた眼差しで言う。
でも、廉夏は、すごく不満そうだ。
「そうかもだけど、もっと、陰惨な雰囲気じゃなきゃ。雰囲気味わえないわ。楽しみにしていたのに」
「それは、一体どんな雰囲気のホテルなのかね? 一体、廉夏さ
青天の霹靂10(脅迫状)
夕方、終わった。
「ふ~、これで廉兄も納得してくれるでしょう?」
「そうですね」
二人の後ろには、15袋にも、及ぶごみ袋が、積み上がっていた。これを明日出すのは、家政婦さんだ。たぶん、手伝って貰ってやることになるんだろう。
二人は、なぜか、湯飲みを持ってクツロいでいた。
冬眞はフッと疑問に思う。
「あれ?」
冬眞は不思議そうに首を傾げる。
「どうしたの?」
廉花は、冬眞の疑問が分かっているように、
青天の霹靂9(掃除)
「廉夏嬢、どこから、やりますか?」
廉を送り出し、リビングに戻ってきて冬眞が聞くと、廉夏は何やら真剣な顔で、何かを捜している様子だった。
「あった」
それは、何の変哲もない、箱だった。廉夏はそれを開けると中の手紙だけだし、贈り物の部分はポイ捨てする。
そして、冬眞が戻っていることに気づくと、少しウナダレる。
「あっ、冬眞兄。仕事行けなくさせてごめんね」
廉夏は、冬眞に頭を下げるが、冬眞は笑って言う