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青天の霹靂20(冬眞と廉の話し合い1)

冬眞が隣の部屋に行くと、廉のスマホが鳴った。直ぐに出ると、何故か廉は二言三言交わしたのち、そのスマホの音声拡張ボタンを押し、冬眞にも聞こえるようにしてくれた。
「先程の社長の質問ですが、社長の考えているのは、正しいです。確かに、間宮グループは間宮だけで、作ったわけではありませんでした。間宮と友人夫婦で作ったものでした。でも、その人達は亡くなっています」
その電話は、廉のプライベートアイだ。
まだ、会ったことはない。
プライベートアイってことは、私立探偵ってことだ。
つまりは、秘密の職業ってこと。
この先も、紹介事態ないのかもしれない。
「なぜ?」
廉が聞く。
「自殺となっておりますが、本当のところは分かりません。で、その夫婦の間には、息子が1人いるのですが、何故かその子が」
電話の男を遮り、廉が言う。
「間宮グループで働いているか?」
「ええ。なぜ、それを?」
「会ったからな」
廉は辛そうに顔をしかめる。
「悪かったな。業務外のことを頼んで」
「いえ、全然。ただ社長大丈夫ですか?」
「何がだ?」
「いえ、余計なことを失礼いたしました。ただ、覚えていて下さい。あなたは、我々の上に立つ人間だと言うことを」
そう言われ、廉笑う。
「ああ、それは、忘れないよ」
「あっ、その亡くなり方が子どもには、ちょっと酷なものがありまして」
「酷とは?」
「修学旅行から、帰って来たら、出迎えたのがご両親の首を吊っている姿何て最悪でしょう?」
「確かにな。ありがとう」
そう言い、廉はスマホをとると、拡声ボタンを切る。
その後、二言三言言葉を交わした後、電話を切る。
分かったことを廉は話す。
「何でも、親戚が誰も引き取らず彼は施設に行ったらしい。その後、自分でお金をため実力で最高峰の大学に行き、間宮グループの内定をもぎ取り、社長づきにまでなった実力者らしい」
冬眞は口笛を吹く。
「動機は十分って、やつですね」
「そう言うわけだ」
廉はあっさり言う。
冬眞はそれに、怒ったように言う。
「動機は分かりましたが、彼を犯行に今になって、なぜ走らせたのか理由が僕に分かりません」
「逆に言えば、犯行を思い止まらせた理由も俺には分からない」
「そうですね」
2人の言うことには、どちらも証拠が、確かにない。
「でも、その証拠を僕が見付けて見せます」
「やってみろ。ただし、どんな結果が出たとしてもそれが、答えだ。それを、忘れるな」
廉がピシッと言った。
冬眞も頷く。
「はい。でも、僕は必ず見付けて見せます」
「ああ、楽しみにしているよ。ところで、何があった?」
「それが、先程も言ったように、僕も良く分からないんです。教会に付いたら、僕達を、銃声が出迎えました。なんだと思い行ったら、初めは教会の内部を壊していて、『あいつに渡すぐらいなら、壊してやる』って言ってたんです。だから、狙いは間宮の党首にあったと言えます。その時の目が尋常ではなかった。まるで、何かに憑かれているようにも見えました」
それを聞き、廉は一言返す。
「あっ、1つだけ言っておくぞ。何か、お前勘違いしてるよううだが、廉夏には、不思議な力はない。あるのは、人より強い感受性だけだ」
「えっ、だって何か見えているように話してましたよ」
「まぁ、そう見えるわな。知らない人間には。でも、あいつにはそんな力はない。今回はただ、教会に込められた思いを感じているだけだ。あいつに霊魂を見る力なんてないよ。廉夏には、不思議な力はない。廉夏にあるのは、人より強い感受性だけだ」
「えっ、だって何か見えているように話してましたよ」
「まぁ、そう見えるわな。知らない人間は。でも、あいつにはそんな力はない。今回はただ、教会に込められた思いを感じているだけだ。あいつに霊魂を見る力なんてないよ』

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