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2023年12月の記事一覧

【随想】映画『アウトレイジ』『アウトレイジビヨンド』『その男凶暴につき』北野武

【随想】映画『アウトレイジ』『アウトレイジビヨンド』『その男凶暴につき』北野武

やってやられての繰り返し
復讐の連鎖
暴力の連鎖
名ばかりの手打ちと落とし前
約束は破られるもの
裏切りはつきもの
人を見たら泥棒と思え
アウトレイジを初めて観た時
北野武は、TAKESHIS’、監督・ばんざい!を経て
自己言及、映画作りに迷走した後
振り出しに戻ってきたと感じた
たけしの処女作
その男、凶暴につきは、
深作欣二のピンチヒッターとしての起用だった
なのに、この時点ですでに
たけしイ

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【随想】ドラマ『真犯人フラグ』高野水登

【随想】ドラマ『真犯人フラグ』高野水登

『真犯人フラグ』は、2021年に放送されたテレビドラマ。
考察系ドラマのはしり『あなたの番です』の制作チームが再集結したドラマということもあって、当時もそれなりに話題になっていたと思うが、自分は第一話だけを見て見るのを止めてしまっていた。
なぜ見るのを止めたのか、あまり記憶は定かでないが、でも一話の最後にショッキングなクリフハンガーが用意されていて、その過剰な演出にちょっと引いてしまったというのが

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【随想】小説『1984年』ジョージ・オーウェル

【随想】小説『1984年』ジョージ・オーウェル

「1984年」を読んでいる。
ジョージ・オーウェルだ。
図書館で借りて読まずに返してから
10年以上の月日が過ぎた。
なぜ今になってまた読もうと思ったのか。
それはAppleのCMを見たからだ。
「1984」というAppleの伝説的なCMがある(これもまた古い)。
きっと何度も見ているのだろうが、あまり記憶にない。
それもそのはず。
「1984」の元ネタを知らないからだ(つまり記憶に残りにくい)。

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【随想】ドラマ『ブラッシュアップライフ』バカリズム

【随想】ドラマ『ブラッシュアップライフ』バカリズム

ブラッシュアップライフを見ている。
リアタイはできなかったが、再放送されるというので。
バカリズムの才能が爆発している。
お笑いよりドラマの方が向いてるんじゃないか。
俳優たちの演技力もさることながら
ガールズトークのシーンの台詞回しがえげつない。
本当にバカリズムが台詞を一言一句書いてるのだろうか。
作り物感、言わされてる感、嘘くささがない。
日常をそのまま切り取ってきたような。
つまり、とても

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【随想】映画『ガメラ 大怪獣空中決戦』金子修介

【随想】映画『ガメラ 大怪獣空中決戦』金子修介

ガメラはずっと見なきゃなーと思っていた。
ずっとゴジラしか見てこなかったから。
ウルトラマンよりウルトラセブンの方が玄人受けがいいように
ゴジラよりガメラ派という人は周りに多かった。
そう言われると天邪鬼なものでウルトラマンの方がいいだろう、
ゴジラの方がいいだろうと、
見てもいないのに意固地になってしまうのが悪い癖である。
12月22日まで、角川のYouTubeチャンネルで期間限定で公開されてい

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【随想】TVアニメ『逆境無頼カイジ』福本伸行

【随想】TVアニメ『逆境無頼カイジ』福本伸行

「限定ジャンケン」がやたら面白かった
「鉄骨渡り」は特にひねりがないのと、利根川との『Eカード』や兵藤との「ティッシュ箱くじ引き」はイカサマありきのバトルなので
やはり「限定ジャンケン」が圧倒的に素晴らしい
こんなシンプルなゲームで
ここまでの展開を考えられるなんて
まさに天才の所業
グーチョキパーそれぞれ4枚のカードを使って
相手の星バッジ(持ち点のようなもの)を奪い合うだけの単純なゲーム
その

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【随想】TVアニメ『オッドタクシー』木下麦/映画『ズートピア』リッチ・ムーア、バイロン・ハワード、ジャレド・ブッシュ

【随想】TVアニメ『オッドタクシー』木下麦/映画『ズートピア』リッチ・ムーア、バイロン・ハワード、ジャレド・ブッシュ

『オッドタクシー』は脚本が秀逸。
伏線やギミックがいやらしくない。
見事、鮮やかに回収していくので、美しさすらある。
伏線が無理矢理用意されたものではなく、エピソードとして無理がないのだ。
カタルシスはじゃっかん少なかったが、
エピソードの積み重ねの上にきちんとラストがある。
主人公の家の押し入れには何があるのか。
なぜ主人公は一度見た相手を忘れないのか。
あと、TVアニメ作品としてクリフハンガー

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【随想】映画『リング』中田秀夫

【随想】映画『リング』中田秀夫

リング
これも角川のYouTubeチャンネルで
期間限定配信
面白かった
冒頭の演出はうまいなぁ
怖がらせ方が上手
すぐに怖がらせない
くるぞと思わせて
何度か空かす感じ
じわじわと怖さが積み上がっていく
真田さんは
いったいどんな役どころなのかと思ったら
まさか視える人であった
そういうのありなんだ
『来る』の岡田准一と重なる
オマージュかな
過去の映像がフラッシュバックするシーンは
今見ると

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【随想】映画『犬神家の一族』市川 崑

犬神家の一族を見た
角川のYouTubeチャンネルで期間限定で配信されていたからだ
監督は市川崑
『ビルマの竪琴』と『どら平太』くらいしか知らない
オリンピックと
庵野秀明への影響のイメージ
横溝正史はまるで読んだことがないのに
金田一耕助も
スケキヨも
湖の逆さ死体も知っていると言うのは
ものすごいビジュアルイメージの力である
ミステリー作品でここまで人の記憶に長く留まっているものも
そう多くは

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【随想】小説『銀河鉄道の夜』宮沢賢治

【随想】小説『銀河鉄道の夜』宮沢賢治

昔に買って途中まで読んで挫折した
銀河鉄道の夜に再チャレンジ

最後まで読み終えることができた

あれ宮沢賢治ってこんな人だっけ

宮沢賢治といえば
人畜無害なファンタジーのイメージが
いつのまにか
自分の中で出来上がってしまっていた

子供向け、童話であることは間違い無いのだけど
大人になって読むと
結構嫌らしさや毒があるんだなと感じた

あったとしても
もっと勧善懲悪チックな
説教くさい
倫理

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