マガジンのカバー画像

真宗寺 お寺の掲示板

40
運営しているクリエイター

#書道

お寺の掲示板 【No.39/柊原のお寺・真宗寺/2024.5月】

お寺の掲示板 【No.39/柊原のお寺・真宗寺/2024.5月】

このいのちわたしの番 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「このいのちわたしの番」。

自分で書いておきながら様々な受け取りや解釈があることと思う。

「先祖から繋がれてきた私の代のこの命だ!」という力強い言葉であり、亡き方を偲び「どうぞ安心してください。私は大丈夫です。あなたがそうであったように、私もしっかりと生きていきます…」といった爽やかな宣言みたいな言

もっとみる
お寺の掲示板 【No.35/柊原のお寺・真宗寺/2024.1月】

お寺の掲示板 【No.35/柊原のお寺・真宗寺/2024.1月】

真宗に学ぶ以前勤めていたお寺で開催されていた「真宗入門講座」。そのキャッチコピーが「真宗に学ぶ」だった。そしてご講師が「《真宗を学ぶ》ではなくて、《真宗に学ぶ》ということが極めて大事なことなんです」とおっしゃった。

ある言葉と出会ったとして、その言葉からどのような心境が開かれてくるのか。その言葉が自己においてどのように実現されているのか。ここにあらゆる学問の力点がある。

仏教の学習とは、対象を

もっとみる
お寺の掲示板 【No.25/柊原のお寺・真宗寺/2023.2月】

お寺の掲示板 【No.25/柊原のお寺・真宗寺/2023.2月】

【掲示板の言葉】

「おかしい」って言ってんじゃない。「かなしい」って言ってんだ
仏様にもいろいろおられます。
厳しい仏。優しい仏。
励ます仏。慰める仏。
動き回る仏。ただいる仏。
秘密の仏。あきらかな仏。

阿弥陀仏にだって色々な顔があります。

けど私の帰命(きみょう/信じて敬い順ずること)する阿弥陀仏は、我々のことをみそなわし、おさとしを示す時、「それはおかしい」と言われているのではなく、「

もっとみる
お寺の掲示板 【No.24/柊原のお寺・真宗寺/2023.1月】

お寺の掲示板 【No.24/柊原のお寺・真宗寺/2023.1月】

【掲示板の言葉】

身体は芭蕉葉に同じ
仏教語に、この世のあらゆる事象は実体を持つものではないことを表わす 10 種のものごとを列挙した、「十喩」という言葉がある。

「十喩」は 2 バージョンあり、その1つ「維摩経十喩」は「聚沫(水しぶき)・泡・炎・芭蕉・幻・夢・影・響・浮雲・雷」。

これらは総じて「身体の仮合」を所説とする。

分かりやすく言うと、例えば「芭蕉(バショウ)」はショウガ科の植物

もっとみる
お寺の掲示板 【No.9/柊原のお寺・真宗寺/2021.10月】

お寺の掲示板 【No.9/柊原のお寺・真宗寺/2021.10月】



【掲示板の言葉】

見えないところでつながりあって生きているのは竹だけではない

 この言葉は、本願寺派僧侶で教育者の東井義雄(とういよしお)という先生の言葉です。

 仏法とはどんな教説か、一言で申せば、「縁(えん)の教え」であります。縁とは物事に「自性」や「本質」というものはなく、他のものごととの関係性の中で、相依り合って存在しているという考えのことです。

 お釈迦様は修行者であった頃、

もっとみる
お寺の掲示板 【No.8/柊原のお寺・真宗寺/2021.9月】

お寺の掲示板 【No.8/柊原のお寺・真宗寺/2021.9月】

【掲示板の言葉】

さて毎月、法語を紹介する当コーナーですが、今回はクイズをしてみました。画像の字は何と読むでしょうか……

正解は「ボサツ」と読みます。
「菩薩」のくさかんむりを表しているんですね。

これは、僧侶が用いる略字で、「抄物書(しょうもつがき)」と言われる字の一種です。

他にも、「醍醐(だいご)」を「酉酉」、

「懺悔(さんげ)」を「忄忄」、

「娑婆(しゃば)」を「女女」と書いた

もっとみる
お寺の掲示板 【No.7/柊原のお寺・真宗寺/2021.8月】

お寺の掲示板 【No.7/柊原のお寺・真宗寺/2021.8月】



【掲示板の言葉】

生死は我等の自由に
 指定し得るものにあらざるなり

この言葉は近代真宗教学の祖、清澤満之(きよざわまんし)の言葉です。
生き死には自分で好きに取り扱える事柄ではありません。自己を超えた自然の催しです。しかし我々はかねて、生死も命もあたかも、自分の権能の中のものだと錯覚しております。

授かった「生」に、いつ迎えるかわからない「死」のはずが、かねての我々は、自身の存在その

もっとみる
お寺の掲示板 【No.6/柊原のお寺・真宗寺/2021.7月】

お寺の掲示板 【No.6/柊原のお寺・真宗寺/2021.7月】

【掲示板の言葉】

見病老死 悟世非常 この言葉は『仏説無量寿経』というお経の一節です。その中の仏伝によると、蝶よ花よと大切に育てられたお釈迦様は、物心つくまで病人・老人・死人を見ることなく育ってきました。

ある時、お釈迦様は病人・老人・死人を初めて目の当たりにし、”世の非常を悟る”、即ち、世間はうつろいゆくものであることを痛感しました。それはまた同時に、初めて自身の人生上に、病・老・死の苦しみ

もっとみる
お寺の掲示板 【No.5/柊原のお寺・真宗寺/2021.6月】

お寺の掲示板 【No.5/柊原のお寺・真宗寺/2021.6月】

【掲示板の言葉】

A.法事や法要は不要不急ですか?

Q.必要不急の時間です

コロナ渦中、ニュースでは「不要不急の外出を控えてください」と繰り返し伝えています。では仏事は不要不急のものに該当するのでしょうか。

仏事には故人を偲ぶと共に、その時間をご縁として、自身の人生を内省するという大事な意味があります。しかし、いろいろな事情もあるでしょう。「コロナで帰省できず法事ができない」「経済的理由で

もっとみる
お寺の掲示板 【No.4/柊原のお寺・真宗寺/2021.5月】

お寺の掲示板 【No.4/柊原のお寺・真宗寺/2021.5月】

【掲示板の言葉】

信・不信、ともに、仏法を心に入れて、聴聞申すべきなり。

これは『蓮如上人御一代記聞書』という書物の言葉です。仏法聴聞の心得として、信じられようが、信じられまいが、また、信じて安らかな気持ちを既にいただいてようが、まだ救われていないと感じてようが、とにかく聞くことに徹しなさい。と教えられています。

 我々は普段、信じるに値するものや、信頼できると思う人から発せられる言葉に耳を

もっとみる
お寺の掲示板 【No.3/柊原のお寺・真宗寺/2021.4月】

お寺の掲示板 【No.3/柊原のお寺・真宗寺/2021.4月】

【掲示板の言葉】

暑さも寒さも彼岸まで
南無阿弥陀仏はいつまでも

この語は浄土宗の僧 吉田武士師の言葉です。
春分の日は太陽黄経0度の日。つまり、昼間の時間と夜の時間がほぼ半分ずつの日です。 昔の人は、この日の真西に沈む太陽を見ながら、西にあるという阿弥陀仏の国、極楽浄土を心に掛けてお念仏申したのでした。
お彼岸は季節の変わり目です。肌で感じる「暑い/寒い」という感覚も、徐々に和らいで過ごしや

もっとみる
お寺の掲示板 【No.2/柊原のお寺・真宗寺/2021.3月】

お寺の掲示板 【No.2/柊原のお寺・真宗寺/2021.3月】

とりあえず、今日は掲示板の記事に関しては2つアップするつもりです。
あんまりどしどしアップしても何だかしつこい気がするから…

【掲示板の言葉】

急がずに 力ゆるめず
 ひとつずつ 春の彼岸の
         佛具を磨く

この短歌は鹿児島別院(べついん/本山に準じるものとして他の地域に設けられた寺院のこと)のお庭にある石碑に刻まれている歌で、詠み人は別院のご門徒の上釜守善さん、揮毫は南九州市

もっとみる