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真宗寺 お寺の掲示板

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2022年7月の記事一覧

お寺の掲示板 【No.18/柊原のお寺・真宗寺/2022.7月】

お寺の掲示板 【No.18/柊原のお寺・真宗寺/2022.7月】

【掲示板の言葉】

人は何かひとつくらい
誇れるものを持っている
何でもいい、それを見つけなさい
勉強が駄目だったら運動がある
両方駄目だったら君には優しさがある
夢をもて目的をもて、やれば出来る
こんな言葉に騙されるな
何もなくていいんだ
人は生まれて生きて死ぬ
これだけでたいしたもんだ

ビートたけしさんの詩集、『僕は馬鹿になった。』より、「騙されるな」という詩です。

この世界は、金子みすゞ

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お寺の掲示板 【No.17/柊原のお寺・真宗寺/2022.6月】

お寺の掲示板 【No.17/柊原のお寺・真宗寺/2022.6月】

【掲示板の言葉】

死は生の対極としてではなく、
     その一部として存在する

先月は「死が老人だけに訪れると思うのは間違いだ。死は最初からそこにいる」という言葉を紹介したが、少し似たこの言葉は、作家の村上春樹さんの言葉。

我々は得てして「俺はまだまだ現役だ」と思っている。まあ年々加齢を実感はするが、自分より年寄りの方もいるわけだし、まさか自分が明日や今日やで死ぬなんてことは思ってやしな

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お寺の掲示板 【No.16/柊原のお寺・真宗寺/2022.5月】

お寺の掲示板 【No.16/柊原のお寺・真宗寺/2022.5月】



【掲示板の言葉】

死が老人だけに訪れると思うのは間違いだ。
死は最初からそこにいる。

この言葉はアメリカの精神科医ハーマン・ファイフェルの言葉です。今回は、これに似た名句を二、三列挙します。

古代ローマの詩人、マルクス・マニリウスは、「我々は生まれたとたん死にはじめている」と述べています。

清澤満之は「生のみが我等にあらず、死もまた我等なり。我等は生死を並有するものなり」 と述べていま

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お寺の掲示板 【No.15/柊原のお寺・真宗寺/2022.4月】

お寺の掲示板 【No.15/柊原のお寺・真宗寺/2022.4月】

【掲示板の言葉】

アッゴー、アハム、アスミ、ローカッサ

この言葉は古代インド語であるサンスクリット語の言葉です。

昔々、もういつかとも言えないほどの大昔、毘婆尸(びばし)という仏様がいました。お釈迦様より遥か以前の仏様です。

その仏様が生まれた時に言った言葉が「アッゴー、アハム、アスミ、ローカッサ」であり、漢語訳するに「天上天下唯我独尊」となります。

この言葉は後代に至り、釈尊伝(しゃく

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お寺の掲示板 【No.14/柊原のお寺・真宗寺/2022.3月】

お寺の掲示板 【No.14/柊原のお寺・真宗寺/2022.3月】



【掲示板の言葉】

仏様の教えは世を問う教えである
ただし自分を抜きにして世を問うてはならぬ また世を抜きにして自分を問うてもならぬ

 仏教には、肉体的存在としての自分(身)と、その自分が身を置く環境(土)とが、相即不離であるという考え方があります。人間とは関係的存在です。その奇縁まんだらの中から、自分1人だけを抜き出して、あれこれ思索することも、または自分を置き去りに主体性のない思案をする

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お寺の掲示板 【No.13/柊原のお寺・真宗寺/2022.2月】

お寺の掲示板 【No.13/柊原のお寺・真宗寺/2022.2月】



【掲示板の言葉】

土の中の水道管
高いビルの下の下水
大事なものは表に出ない
 
有名な詩人であり、書家ある相田みつをさん(1924〜1991)の言葉です。

我々は目につくところのものばかりがこの世界の全てかと思いがちですが、本当に大切なものは、我々の見ている景色の奥まりに、見えはしなくとも、確かにあるわけです。

また、某缶コーヒーのCMで、「世界は誰かの仕事でできている」というフレーズ

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お寺の掲示板 【No.12/柊原のお寺・真宗寺/2022.1月】

お寺の掲示板 【No.12/柊原のお寺・真宗寺/2022.1月】



【掲示板の言葉】

やり直しのきかぬ人生ではあるが見直すことはできる  

この言葉は安田理深(やすだりじん)という方の言葉です。

さて皆さん、新年のご挨拶を申し上げます。2021年もどうぞ宜しくお願いします。

年の初めの例(ためし)の話なのですが、私の先生は、お正月について、「本来の語義や語源とは違いますが、正月の「正」という字は、「一」と「止まる」という字が組み合わさってできています。

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お寺の掲示板 【No.11/柊原のお寺・真宗寺/2021.12月】

お寺の掲示板 【No.11/柊原のお寺・真宗寺/2021.12月】

【掲示板の言葉】

「本当にね。なぜ殺生をしなければ生きてゆけないように出来ているのでしょう。殺されるものにはたまりませんわね。」「南無阿弥陀仏」親鸞は小鳥に食われる蟲を見て思わず云うのだった。すると妻も思わず、「南無阿弥陀仏」と云った。

この言葉は、作家であり、「新しき村」を開いたことでも有名な武者小路実篤(むしゃこうじさねあつ/1885年−1976年)の著作、『親鸞の結婚』のワンシーン。

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お寺の掲示板 【No.10/柊原のお寺・真宗寺/2021.11月】

お寺の掲示板 【No.10/柊原のお寺・真宗寺/2021.11月】



【掲示板の言葉】

一番はもちろん尊い 
しかし一番よりも尊いビリだってある

▶️先月に続き、東井義雄先生の言葉。東井先生は1912年に兵庫県の本願寺派の寺院に生まれ、小学校教師として奉職。様々な教育機関で講師を務めながら、1991年に亡くなるまで、多くの著作を遺されました。

▶️教育現場には競争の原理がありふれてます。テスト・通知表・運動会などなど。運動会といえば今年はオリンピック。より

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お寺の掲示板 【No.9/柊原のお寺・真宗寺/2021.10月】

お寺の掲示板 【No.9/柊原のお寺・真宗寺/2021.10月】



【掲示板の言葉】

見えないところでつながりあって生きているのは竹だけではない

 この言葉は、本願寺派僧侶で教育者の東井義雄(とういよしお)という先生の言葉です。

 仏法とはどんな教説か、一言で申せば、「縁(えん)の教え」であります。縁とは物事に「自性」や「本質」というものはなく、他のものごととの関係性の中で、相依り合って存在しているという考えのことです。

 お釈迦様は修行者であった頃、

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お寺の掲示板 【No.8/柊原のお寺・真宗寺/2021.9月】

お寺の掲示板 【No.8/柊原のお寺・真宗寺/2021.9月】

【掲示板の言葉】

さて毎月、法語を紹介する当コーナーですが、今回はクイズをしてみました。画像の字は何と読むでしょうか……

正解は「ボサツ」と読みます。
「菩薩」のくさかんむりを表しているんですね。

これは、僧侶が用いる略字で、「抄物書(しょうもつがき)」と言われる字の一種です。

他にも、「醍醐(だいご)」を「酉酉」、

「懺悔(さんげ)」を「忄忄」、

「娑婆(しゃば)」を「女女」と書いた

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お寺の掲示板 【No.7/柊原のお寺・真宗寺/2021.8月】

お寺の掲示板 【No.7/柊原のお寺・真宗寺/2021.8月】



【掲示板の言葉】

生死は我等の自由に
 指定し得るものにあらざるなり

この言葉は近代真宗教学の祖、清澤満之(きよざわまんし)の言葉です。
生き死には自分で好きに取り扱える事柄ではありません。自己を超えた自然の催しです。しかし我々はかねて、生死も命もあたかも、自分の権能の中のものだと錯覚しております。

授かった「生」に、いつ迎えるかわからない「死」のはずが、かねての我々は、自身の存在その

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お寺の掲示板 【No.6/柊原のお寺・真宗寺/2021.7月】

お寺の掲示板 【No.6/柊原のお寺・真宗寺/2021.7月】

【掲示板の言葉】

見病老死 悟世非常 この言葉は『仏説無量寿経』というお経の一節です。その中の仏伝によると、蝶よ花よと大切に育てられたお釈迦様は、物心つくまで病人・老人・死人を見ることなく育ってきました。

ある時、お釈迦様は病人・老人・死人を初めて目の当たりにし、”世の非常を悟る”、即ち、世間はうつろいゆくものであることを痛感しました。それはまた同時に、初めて自身の人生上に、病・老・死の苦しみ

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お寺の掲示板 【No.5/柊原のお寺・真宗寺/2021.6月】

お寺の掲示板 【No.5/柊原のお寺・真宗寺/2021.6月】

【掲示板の言葉】

A.法事や法要は不要不急ですか?

Q.必要不急の時間です

コロナ渦中、ニュースでは「不要不急の外出を控えてください」と繰り返し伝えています。では仏事は不要不急のものに該当するのでしょうか。

仏事には故人を偲ぶと共に、その時間をご縁として、自身の人生を内省するという大事な意味があります。しかし、いろいろな事情もあるでしょう。「コロナで帰省できず法事ができない」「経済的理由で

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