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Yulily
2016年2月10日 13:01
クローゼットの掃除をしていた彼女は、懐かしい箱に手を伸ばした。学生の頃の思い出の詰まった箱。アルバムやプリクラ、日記や文集、雑誌の切り抜きや何故取ってあったのか分からない様なプリント。その中にごろごろと転がる 小物たち。「いやー、懐かしいな〜。」思わず手に取っては 声に出るものばかり。そんな中に、ゴロっとした時計が。「着けてたな、この時計…。」あの頃、スキーウェアに合わせて買
2016年2月1日 01:54
「部長すみません、体調が良くないので 今日はお休みします」通勤途中に、無償に仕事に行きたくなくなった彼女は、駅のトイレから電話した。「さて、何しようかな。」せっかく出かけれる格好はしている。このまま家に帰るのも なんだかもったいない。改札に向かう途中 馬のどアップが載った広告ポスターに目がいった。 ”牧場で、ぼく待ってるじょー!”「なに…このキャッチコピーのセンス…。」そんな事思い
2016年1月28日 23:53
友達の紹介で会うようになって、3度目のデート。会社経営者のその人は、大柄で顔は甘め。友達は何をもって「リサに合うと思う〜!」と紹介してきたのか分からないが、なんか悪い人ではなさそうだった。お互い10代じゃあるまいし、3度目のデートともなると素も出てきたが、これも悪くない。「私に合うんかもな〜こんなタイプも」今までデートした相手とは ちょっと違うけど、話も弾むし 「大人男性」らしい立ち振る
2016年1月27日 21:28
9ヶ月前 黒い奴が産まれた。付き合って間もない彼と 趣味の範囲を広げようとした事が発端だった。お互い、スポーツ好きなのが共通の話題で盛り上がり付き合いを始めた。「じゃ、今度は登山に行こうよ。」流行りに乗る気持ちで いざ登山へ。バックパックの中は、ネットで調べた登山グッズが完璧に用意されてた。服とスニーカーは、ある物で。この中に 黒い奴を産む物資があった。頂上の展望台から帰る頃、足
2016年1月27日 12:50
「まじか…」12年は 儚いものだった。「ねぇ、なんでそんなルックスもいいのに、付き合ってる人居ないの?」「そんなん言うなら 付き合ってよ。」そんなノリで付き合った。気づけば12年。浮気することもなく、この子とずっと一緒にいるのが当たり前と思ってた。相手が浮気したけど、戻ってくるさっっとドンと構えてたら、いつも戻ってきた。何度でも。「何があっても、そばにいる」それがいつしか、二
2016年1月26日 16:54
郵便局の駐車場に着くと、一人の女性が道路脇にうずくまっていた。頻繁に車が出入りする駐車場の 入り口にだ。何台もの車がクラクションを鳴らし、その度にその女性は ビクッとしては 申し訳なさそうにお辞儀をして移動していた。しかし、また同じ場所に戻るのだ。「何してんだ?あんな所で…」健二は ATMでお金を引き出した後も その女性のことが気になっていた。「あの〜、どうしたんですか? そこ危ないで
2016年1月26日 11:05
ある日 奴から電話がかかってきた。「おーっ元気か?」「なに〜久しぶりじゃない!どうしてた?」昔はよく電話してた仲だったが、それぞれ進路が分かれて 話す機会も減っていた。でも、仲が良かったのは変わらずで、たわいもない話で盛り上がっていた。「あの子どうしてる?」「あっ、彼氏できたんだってよー。残念だね」「そんなお前こそ どうなんだよ。」「ほっとけ!!」小一時間話した頃 奴がこうい
2016年1月25日 23:10
「会いに来たよ」そう言ってるみたいな瞳は 彼女を一瞬にして引き寄せた。彼女と彼の出会いは 前世の記憶にさかのぼる。高貴な彼女の家に仕えてた彼は、彼女に触れる事も話す事も許されず、ただ毎日彼女の事を見ているしかできなかった。それでも彼は、そんな日々を幸せだと思っていた。一方 彼女の方は、彼の存在に気づいていたものの、日々の貴族としての立ち振る舞いが当たり前で、彼との距離が縮まる事は期待してい
2016年1月25日 19:33
都会に住む妹から 珍しく電話がきた。「警察から電話で、お父さん事故ったって。ねぇどうする?」幼い時 ギターを弾く父が格好良くて大好きだった。作れる食事は、いつもキャベツと豚肉のソース炒め。少しばかり芸事にたけていて、俳優をしていたのも 私の誇りだった。単身赴任を経て、ある会った日に父の目が涙で滲んでたときを最後に 会えなくなった。あれから、34年…「ねぇ、どうするの? なんか劇