マガジンのカバー画像

ショートショート2

27
1000文字以上の奴です
運営しているクリエイター

#オールカテゴリ部門

ショートショート 命日(夏頃)

グミ(グミキャンディー)を口の中で舐め転がしている俺(180cm)は、今現在(14時3分)、
友達(小2からの)の伊東(旧姓:中島)と遊具(シーソー)で遊んでいる。

と、そんな中、
コロコロとボール(サッカーボール)が転がってきた。
その後方からは少年(小4くらい?)が、
「すいませーん」
なんて言い、走ってきている。
なので、
颯爽と遊具から降りていった伊東(182cm)は、
そのボールを少年

もっとみる

ショートショート 図書館

先輩先輩!
一つ年上の先輩!
実は私、図書館に行ってきたんです!
行ったんですよ本当に!
当の本人が鼻息を荒くして、
「行った!」
って明言しているのだから
疑う余地なんかありませんよね!

私は図書館に行ったんです。
図書館には書物があるんです。
あるんですよ本当に。
ビックリするくらいあるんですよ本当に。
そこで私が何を読んだかって?
何を調べたかって?
教えてあげてもいいですけれど、
教えて

もっとみる

ショートショート おめでとう

道を歩いていたら、
突然、
恰幅の良いおじさんに、
「いやぁ、コングラッチュレーション」
と握手を求められた、か細い女性の私は、
「いえいえ、
何をしたって訳じゃありませんが」
と言いつつ、その握手に応じ、
おじさんの傍らにいた女性から花束を手渡されたのです。

と言ったところで私は、
「一体これはなんなのだろう?」
と思う訳だけど、
と思ったところで、
思い当たるふしみたいなものはなかったから、

もっとみる

ショートショート 完全アウェー

「お前今、お年寄りを馬鹿にしただろ!」
と二十歳ぐらいの男にそう声を荒げられた、
御年八十歳の僕は、
「なんだ若僧!」
と応戦していき、
戦闘ポーズをとっていく。

とったらば、
二十歳ぐらいの男に
容赦なく石を投げつけられたので、
「最低か貴様!」
なんて怒鳴る僕は、
その攻撃を必死に腕でガードするしかない。

そうすると、
二十歳ぐらいの男は、
「誰が最低だ!」
と怒鳴り返してきまして
「お年

もっとみる

ショートショート 宇宙から来た侵略者

ジュースを飲んだ後に、
お茶を飲んで、
お茶を飲んだ後に、
お酒を飲み、
お酒を飲んだ後に、
牛乳を飲んだ訳だが、
それは何でもない日常の
何でもない一コマでしかない。

何でもないことだ。
誰からも咎められることではないし、
褒められることでもない。
本当に何でもないんだ。

宇宙から来た侵略者がアイスクリーム屋さんでアイスクリームを買うことだって、
何でもない日常の何でもない一コマだ。
誰も宇

もっとみる

ショートショート 隣の席のかなかちゃん

「雨だね」
と隣の席のかなかちゃんが言ってきたので、「雨なの!?」
と驚いた私は、
窓の外に目を向け、空を見てみる。

その結果、
私の目に日光が飛び込んできて、
「眩しっ!」
となったので、
私はかなかちゃんの方を向き、
「お日様が目に差し込んできたよ」
との報告をしたのです。

すると、
かなかちゃんは、
「まぁ、冗談だからね」
と言い、
「なんてことのない冗談だからね」
とも言いまして、

もっとみる

ショートショート 口裂け女

口裂け女の後を継ぐことになった私は、
現役の口裂け女さんから、
こういう時はこうした方が良いというような
レクチャーを受けていて、特に、
「私きれい?」
のとこなんかは厳しく指導された。

厳しすぎてちょっと不貞腐れたのだけど、
そういうところを
口裂け女さんは見逃さないので、
「オラッ!」
という声と共に、
私の腹を一発殴り、
「殺すぞ!」
と言ってくる。

そこで私は、とりあえずの、
「すいま

もっとみる

駄悪文

どこかの誰かと愛と平和が
血と涙を流しながら、
生と死について清く正しく語り合っていた。

その一方では、
嘘と真と夢の狭間が
君と恋と空と大地について、
月を見ながら話し合っていた。

そのまた一方では、
僕と謎の何かが罪と罰を許せずにいて、
音と歌を楽しく公開処刑した。

と言ったそれぞれの夜が終わり、
朝と昼が始まる。

彼は金と世界を綺麗な花にして、
幸福と勇気を手にしたように見えたが、

もっとみる

ショートショート 燦

どうしてもって言うから、
こうしたのであって、
こうしてほしいと言ってくれれば、
私はそうしたと思いますよ。

汚い涙が頬を伝っていたから、
そのお顔に
バケツいっぱいの水をぶっかけたのであって、
あなたが汚い涙を流していなければ、
私はそんな事しなかったと思います。

勇気ある行動に称賛を送るのは
私らしくないと思ったので、
そこは私らしく、
冷ややかな視線を送りました。
それが私らしさです。

もっとみる

ショートショート ピンク色の光

ピンク色の光が赤く輝いていて、
でも、それは少しだけ青っぽくて、
でも、通りすがっていく人々は、
「すっごい黄色」
って言ってたりして、
それでもう、よく分からないから、
ネットの声を探してみたりして、
そしたら、ネットは、
「えげつない紫」
って言ってて、
しかもそれが大多数だったので、
あれはじゃあ、えげつない紫なのだろう。

そんな疑問が僕の中で解決した頃、
白と黒のアンサンブルを基調とした

もっとみる

ショートショート お菓子あげる

地道な良い人アピールが実り、
「お菓子あげるよ」
で付いてきた小さな女の子を
見事に誘拐することが出来た訳だけど、
さて、
どうしようか?

誘拐した後のことは全く考えていない。
いや、なんだろうな。
もう、かなりやりきった感がある。
この段階で凄い満足しちゃってる。
全身が満足しちゃってる。
心まで満足というお菓子で満腹になっちゃってる。

だから、
だからさぁ、この女の子どうしよう……?
お隣

もっとみる

ショートショート 友田

友達の友田っちが、
遠足の自由時間終了時刻になっても、
そして、
大幅にその時刻を過ぎても、
一向に現れる気配がなかったので、
当然、先生達は大慌てになりまして、
焦る気持ち丸出しで
友田っちを探し始めました。

更に先生達は、
僕達生徒達にも
友田っちを探すようにとお願いしてきまして、友田っち探しの協力を求めてきたと言う状況です。

と言う訳なんですが、
それから二十分を経過しても、
友田っちは

もっとみる

ショートショート ケラケラケロリ

「あれ……?」
という感じで急に、
差別的書き込みをしたくなった若手折り紙アーティストの私は、早速、
自分のSNSに、
その溢れる差別意識を書き込んだ。

そうすると、
思っていた以上に批判の声が多く寄せられ、
所謂、
「炎上」
状態になってしまった。
という非常事態なので、
ビビりの私は、
これ以上の炎上を避ける為、
自分のSNSに反省の言葉を書き込んだ。
更には、その反省の言葉に加えて、
暫く

もっとみる

ショートショート お守り

小さい女の子が、
「小さい女の子です」
と言って、
僕に頭を下げてきたので、
大人の男の僕は、
「大人の男です」
と返答し、
同じく頭を下げて挨拶を仕返していく。
そして頭を上げ、
小さい女の子に、
「車に気をつけてね」
なんて言っていく訳だけど、
言われた小さい女の子は、
「心配ご無用」
と言って、
ランドセルから交通安全のお守りを取り出し、「車なんて恐くない!」
と言いながら、それを地面に叩き

もっとみる