ショートショート ピンク色の光

ピンク色の光が赤く輝いていて、
でも、それは少しだけ青っぽくて、
でも、通りすがっていく人々は、
「すっごい黄色」
って言ってたりして、
それでもう、よく分からないから、
ネットの声を探してみたりして、
そしたら、ネットは、
「えげつない紫」
って言ってて、
しかもそれが大多数だったので、
あれはじゃあ、えげつない紫なのだろう。

そんな疑問が僕の中で解決した頃、
白と黒のアンサンブルを基調とした衣服を身にまとう素敵な貴婦人が僕の前に現れまして、「あなたの夢はなんですか?」
と問うてきたので、
「そうですね!」
と声を弾ませ、
目をキラキラさせた僕は、
「力加減を誤るのが夢です!」
と言い、
「いつか誤って、何かを壊したいです」
などと正直に話した。

すると、
貴婦人は僕の手を取ってきまして、
「素敵な夢ね」
なんて言ってくださると、
「あなたなら、その夢を叶えられる。
力加減だけじゃなく、進むべき道や、
車の運転も誤ることができると思うわ。
私は今、そう思いました」
などと続け、
「頑張ってね。応援してるわ」
とかもおっしゃってくれたのです。
そしてそのあと、
「ごきげんよう」
ってな感じで、
貴婦人とは気分よくお別れしました。

とまぁ、
そんな感じで僕の夢が肯定された頃、
ピロピロを吹きながら現れたのは
超美形ギャルでして、
その超美形ギャルは明らかに僕を睨み、
こちらへ近づいてくる。

そして僕の前に立ち、
「分かってるんだからね」
だとか言ってくると、
「アタシを架空の要件で呼び出した上、
サプライズ演出として、
アタシのママをアタシの目の前で
轟音と共に掻き消そうとしてることなんて
全部、分かってるんだからね!」
となんだか怒ってきて、
「明日、明後日の天気まで
分かってるんだから!」
と大きな声を出してきた。

しかし、
と言われてもな僕は、
「一体、なんのことですか?」
としか返せない訳ですけど、
そう返したら、
「しらばっくれんじゃねーよ!」
と返され、更に、
「しらばっくれすぎだろ!
まぁ、しらばっくれてくることも
分かってたとは言え、
やっぱりイラッとした」
と言い、
「マジこれ以上しらばっくれるようなら、
トロトロになるまで煮込んでやるからな!
もしくは、あめ色になるまで炒めてやるよ!」とブチギレてきまして、
「それが嫌ならアタシに謝れ!
ちゃんとごめんなさいをして!」
なんて要求をしてきたのです。

その要求に対して、
ごめんなさいで済むのならと思った僕は、
完全にしゃくだなとは思いつつも、
ちゃんと、
「ごめんなさい」
をしてやり、
この訳の分からない
面倒臭い事態を終わらせにいった。

すると、
不服そうな顔ではあるが、
「……いいよ」
と超美形ギャルは言ってくれまして、
言った後、
もじもじしながら、
「明日、明後日の天気、教えようか?」
なんてことも言ってくれたので、
「ああ、じゃあ、教えてもらおうかな」
って感じの僕は、
明日明後日の天気を教えてもらい、
「またね~」
って感じで超美形ギャルとお別れしたのです。

そんな感じのなんだかんだで、
事態の収拾が図られた頃、
小窓売りの少女が、
「小窓売ってまーす!」
と目の前を通りかかったので、
丁度、小窓が欲しいなと思ってた僕は
少女を呼び止めまして、
三小窓ほど買わせてもらいました。

お買い上げの際に、
「儲かってる?」
なんて少女に問うてみたら、
「はい! 売れてますよ!」
と元気に言われ、
「この前なんか一人で、
七億小窓、買われた方がいたんです。
大変でしたよ~」
とも元気に言われたので、
「七億小窓!」
と驚いた僕は、
「スゲェな!
七億小窓ってことは、
七億ヵ所に小窓が取り付けられる
ってことだよね。
つまり、七億ヵ所をもの小窓から
外を眺められるって訳だ!
なんて羨ましい」
と羨ましがっていき、
「結局、大きな窓だと泥棒にパリンッと
やられて、侵入される恐れがあるんだよね。
その点、小窓ならパリンッとやられても大人が入ってこれる大きさじゃないから安心だよ」
などと語ってきまして、
「いつか僕は、
大きな窓がない
小窓だけの家に住みたいと思ってる」
だとか述べたのです。

その願望を聞き、
「へぇ~!」
なんてリアクションをする小窓売りの少女は、ガサゴソと小窓を取り出しまして、
「これサービスです」
と僕に小窓を一小窓サービスしてくれた。

それに対し僕は、
「え~いいの!?」
と言った後、
「ありがとう」
と素直に喜んだ。

ああ、小窓は良いな。
小窓は良い!

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