ショートショート 燦

どうしてもって言うから、
こうしたのであって、
こうしてほしいと言ってくれれば、
私はそうしたと思いますよ。

汚い涙が頬を伝っていたから、
そのお顔に
バケツいっぱいの水をぶっかけたのであって、
あなたが汚い涙を流していなければ、
私はそんな事しなかったと思います。

勇気ある行動に称賛を送るのは
私らしくないと思ったので、
そこは私らしく、
冷ややかな視線を送りました。
それが私らしさです。

あの日の言葉とあの日の事が、
いつまでも私の頭の中から消えてくれないのは、とてもとても煩わしい。

まだあの日には、
空にも青色があって、
海にも青色があった。
とにかく青色があった。

そしてあの日、
同級生の青木くんが放った一言は、
とてもとても青臭くて、
青虫並みに受け付けなかった。

そんなあの日が、
私の頭の中から消えてくれなくて、
とてもとても煩わしい。
とてもとてもブルーになる。

この憂うつは、
「個」の憂うつでしかないことは
分かっています。
所詮は、個の問題でしかないのです。
ですから、
このままこの問題を個の問題として考え、
この先も生きていこうと思います。

やはり、人には忘れたくても忘れられない
忌まわしい記憶ってものが、
一つや二つあると思います。
なので、
そう思った以上は、
そう思った通り、
忌まわしい記憶って奴を、
一つや二つ記憶しておきますよ。

あー、煩わしい。
煩わしいと言えば、もう一個。
だけど、
そのもう一個は煩わしくて言いたくない。
面倒臭い。
話せばとてもとても長くなる。
第三章にまで及ぶかも知れない。
だから無理。

だからじゃあ、
それとは別に
愉快な話でもしてあげようかと思ったけど、
それはまた別の機会にとっておきます。
二度と来ることはないであろう、
別の機会の為にとっておきます。
ですので、またの機会をお楽しみに。

としたところで、
ふとした事をふと思えば、
なんだか私、
突然、突然変異でもしたくなってきた。
そろそろ特別な人間になりたいと思ったのです。

例えば、
血が金色になるとか、
歯茎が金色になるとかね。
まぁ、そんな話。
そんな話だから、
そんな話はここら辺でおしまいにしましょう。
とてもとてもくだらないし。

そう言えば、
ある人が私の事を、
「終わった人間」
って言ってたよ。
しくしく。
「あんな人間にはなりたくないね」
とも言ってたよ。えーん。
だから、
そうならないようにと私は祈ってあげるよ。

あっ、それから聞いて私。
あの人が私に関しては、
「関わっちゃいけない」
って言ってたんだって。
悲しい。
なんでも、
「頭おかしい」からって事らしいよ。
ふーん。

でも、なんかそれ、ちょっと分かるよね。
私、頭おかしいもん。
あっ、ねぇねぇ聞いてよ私。
私って実は病的なほど、風好きなんだよ。
もう扇風機なしじゃ生きられないって感じ。
特に強風が好きなんだ。
一度でいいから、
風に吹き飛ばされてみたいよ。
爆風でも可。
それで、お亡くなりになられる私であったとしても本望だよ。

つーかさぁ、私、知ってる?
割りと仲が良しだと思っていたあの子が
私の事、
「怖い」
って言ってたんだって。
だからあの子、
「もう絶交したい」
って言ってたよ。
これはじゃあ、
早急に絶交してあげなきゃね。
メールか何かで、その旨を伝えます。

ああしてればなんてのは、
ああしてないからああなった訳で、
ああしようと思えば、
ああできたと思いますよ。
少なくとも私はね。

完全なる自分本位で生きているので、
あなたがどう思おうが
知ったこっちゃないんですけど、
それに腹が立つというのなら、
どうぞお好きに腹を立てて下さい。
人間、腹は立つものです。

素敵な振る舞いに素敵!
と思うなんて私らしくないと思ったので、
そこは私らしく、
「何あれ?」
と冷笑しました。
それが私らしさです。

そういう事とそういう訳で、
そういう感じをそうしながら、
これからも元気でいようね、私!

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