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高齢になる前に知っておくべきリハビリ・ケアの考え方

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【本マガジンの対象】 ご高齢者のご家族、これから高齢期を迎える方、要支援・要介護の方、OTS
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2021年4月の記事一覧

【訪問リハビリ】進行性疾患の環境調整はほんとに難しい

【訪問リハビリ】進行性疾患の環境調整はほんとに難しい

訪問リハビリでみる進行性疾患進行性の疾患は数多ありますが

訪問リハビリでは次のような疾患の方が

多いように思います。

パーキンソン病

脊髄小脳変性症

大脳基底核変性症

筋萎縮性側索硬化症

関節リウマチ

ほとんどが神経性進行疾患ですね。

進行スピードは十人十色
進行のスピードも様々で

特にパーキンソン病は百人百様といわれるほど

症状の出方、進行具合は個人差があります。

薬や生

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【高齢期リハビリ】精神科医の生活習慣処方

【高齢期リハビリ】精神科医の生活習慣処方

生活習慣とリハビリは非常に相性が

良いと常日頃思っておりまして。

体調が崩れる・身体が弱る理由

病気や体調にしても

身体機能、精神面にしても

生活習慣によって良い方向にも

悪い方向にもいくのは

なんとなく私達も実感としてあると

思います。

睡眠不足や脱水、低栄養であれば

その日は

頭がボーッとしますし

身体も何かだるい。

一日動かなければ

寝付きも悪くなるし

身体がな

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【認知症ケア】認知症に対しての無力感

【認知症ケア】認知症に対しての無力感

落ち着けない認知症ご利用者
訪問リハビリの現場では

認知症の方も多く

中でも

精神症状(興奮、イライラ、無気力など)

行動症状(暴言、暴力、介護拒否、弄便等)

が強い方がたくさんおられます。

これらが

ご家族がひどく疲弊される原因のひとつです。

ですが

対応の仕方で

落ち着かれることが多々あることも事実です。

訪問リハビリの現場訪問リハビリでは

そんなご家族が困りやすい症状

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【高齢者ケア・リハビリ】寝たきりにならないためのヒント

【高齢者ケア・リハビリ】寝たきりにならないためのヒント


リカバリーとりもどすこと、回復

高齢期は体調不良が起きやすい時期です。

一時的な体調不良でも

回復した際に生活を戻さなければ

寝たきりになることもしばしばあります。

そのため

一時的な体調不良から回復したとき

生活を戻すこと

つまり

生活のリカバリーが重要です。

今回はそんなお話です。

自然とできているセルフリカバリー
私達は一時的に体調を崩すことがあります。

風邪・外傷

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【作業療法士のキャリア】ラディッツは強い

【作業療法士のキャリア】ラディッツは強い

作業療法士に限らずかもしれませんが

医療職はずーっと勉強する宿命かもしれません。

今回はドラゴンボールと作業療法士を

重ね合わせてみました。

ドラゴンボール集める大冒険

山の中で一人暮らしていた孫悟空は

ブルマとの出会いで

ドラゴンボールを探す大冒険にでかけます。

これ自体が修行ですね。

作業療法士1〜4年目はまさに大冒険。

目指すドラゴンボールの数字は違うところが

作業療法

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【高齢期ケア・リハビリ】老化による性格変化

【高齢期ケア・リハビリ】老化による性格変化

心理学には性格診断の基準が

あります。

その中でも有名なのが

「ビッグファイブ」

性格を5つの因子に分類されています。

ビッグファイブ5つの因子
第1因子 外向性

「話し好き」「大胆」「エネルギッシュ」

       ↕

「静かな」「臆病」「無気力」

第2因子 協調性

「温かい」「協力的」「寛大」

       ↕

「冷たい」「敵対的」「ケチ」

第3因子 誠実性

「きち

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【高齢期ケア・リハビリ】要介護高齢者は自分自身を元気と感じられるか

【高齢期ケア・リハビリ】要介護高齢者は自分自身を元気と感じられるか

元気になった?要介護高齢者訪問リハビリで

客観的にみて

元気になってこられたな

という方がおられまして。

でもご本人は

「うーん、前と変わらないですね。」

とおっしゃる。

客観的な変化は

食事量が増えた

寝たきりでなくなった

家の中を歩けるようになった

テレビや雑誌、新聞を見るようになった

階段昇降ができるようになった

などです。

元気と感じる瞬間
もし、わたしたちが

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【高齢期リハビリ】ある高齢者施設の生活

【高齢期リハビリ】ある高齢者施設の生活

介護老人保健施設(以下、老健)は

いわゆる介護保険サービスの

リハビリ施設です。

ある老健の生活
ある老健入所ご利用者の生活はこんな感じです。

※起きている間の生活パターンです

起きている時間を7:00〜20:00の13時間として計算しました。あくまで概ねです。

内訳は

セルフケア

食事30分×3回

排泄5分×5回

更衣5分×2回

入浴30分(週2-3回)

整容5分

余暇

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【高齢期ケア・リハビリ】高齢者の意欲を引き出す技術

【高齢期ケア・リハビリ】高齢者の意欲を引き出す技術

人が行動を起こす理由人は何か報酬があるときに行動に移しますよね。

「ケーキを食べる」は

おいしさ、甘さという報酬

「人に何かを教える」は

役に立った達成感や満足感

世界が少し良い方向にいくかもという期待

「働く」は

給料をもらう

世のために役立っているという自己肯定感

このように報酬があると

人は行動をはじめる

無目的な労働は心理的拷問逆に報酬がない無目的な作業は苦痛を生みま

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