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パスタは茹で上がり、怠惰は加速する
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午後4時に起きて、洗濯機を回す。
夕暮れ時に回される洗濯機はどんな気持ちなのだろう。RHT-045WCと名付けられたそれは、激しい振動でもって、その苛立ちを表現しているように見える。
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洗濯機が踊り狂う47分間、僕は今まで放置していた家事をすることにした。まず手始めに、僕は排水口を掃除して、いまにも溢れそうなアメリカ製の灰皿をぴかぴかにした。溜まっていたゴミ袋を新しいものに取り替え、掃
わたしとあなたと彼と彼女と
僕にはずっと、わからないことがある。
それは、他者とは本当に存在しているのだろうか、ということである。あまりにも人間で溢れた社会の中で、僕たちは毎日、数え切れないくらいの他者と関わっている。街を歩くとき、電車に乗るとき、バイトをしているとき、僕のことなんてさっぱり知らない彼らは、何食わぬ顔をして歩き、食事をし、言葉を発する。僕にはこの事実が、どうしようもなく恐ろしく思えてしまうことがある。というの
ずっと真面目ぶっている
僕は最近までずっと、いや、今もかもしれないけれど、ずっと、ずっと真面目ぶって生きてきた。
お酒は20歳までただの一滴も飲まなかったし、学校をサボったこともなかったし、親が決めた門限をずっと守ってきたし、倒れた自転車は時間があれば元の位置に戻したりしていた。
真面目アピールをすることが生きがいみたいになっていた時期もあった。「20歳になるまでお酒は飲まない」というスタンスで飲み会を断るたびに、半ば
哲学は死に、将軍はヤギとなる
※この文章は映画「哀れなるものたち」を鑑賞後に書いたものです。
文学や哲学の世界に潜り込む時、僕はいつも、とんでもないくらいにわくわくする。だからこれまで、書店は僕にとって夢の世界でしか無かった。
きちんと並べられた背表紙は、僕に知的なハニー・トラップを絶え間なく仕掛け、考え抜かれた初めの一節は、僕を未知なる世界へと誘い、退屈な日常では味わえない興奮をもたらしてくれる。だから僕は、いつしかドラ
未知のヴェールは恋をもたらす
電車で隣に座る女の子にどきどきする。
名前も年齢も出身も家族構成も知らないあの子に、必要以上に心が揺り動かされる。
僕が知っているのは、彼女が白いニット帽を被るような女の子であるという情報だけ。
どこから来たのだろう。
どこへ行くのだろう。
偶然同じ電車に乗り合わせたその奇跡と、彼女の未知性にくらくらする。
どんな顔をしているかはよく分からない。隣に座っているし。けれど確かに、適度に距離を保っ
年越しはいつだってぬるい温度で
1年が終わった。
振り返ってみても、何を思い出すべきかは分からない。僕は果たして、何をしただろう?
2023年。
なんとなく迎えた1年は、やはりなんとなく終わりを迎えた。去年と違うのは、年越しの瞬間にジャンプをしたことくらい。2023年最後の日、僕はよく分からない場所で、よく分からない人たちと飛び跳ねた。よく分からない寺で、よく分からない列に並び、よく分からないままに、よく分からない相手に祈った
ヘッドフォン付けてたら何聴いてるのって聞いてほしいし、本読んでたら何読んでるのって聞いて欲しい
めんどくさい人間代表のぼくの中には、常に自分を見て欲しいという気持ちがある。これはもちろん、ぼくが見て欲しい時にだけ見てほしいという気持ちであって、ぼくが見て欲しくないような瞬間は絶対に見られたくないという気持ち。だからBeRealは苦手。見られたくない瞬間にまでRealでなんていられない。都合良いかな?文の中くらいは許してほしい。誰も傷つけてないはずだし。
そう、ぼくは自己顕示欲が強いのだ。た
僕たちは美しくなろうとしてはならない
高校3年生の伊良刹那さんが在学中に新潮新人賞を受賞したことが話題になっている。三島由紀夫に影響を受けたと話す彼は、そのインタビューの中でこう語った。「美しい文章を書いてみたいと思った。」
ああ、またか。
果たして、ここで言われる「美しい」とはどういうことだろうか?僕は正直、いまだに近代文学に囚われている日本文学の保守的ないし権威主義的な部分に、半ば嫌悪感を覚えてしまう。美しくあろうとした文章が
言葉の頼りなさについて
言葉をそこまで信じていない。
現実の複雑さを人類の貧しい辞書で書き取るなんて、どうしても無理だと思ってしまうのだ。
たとえばいま、僕はカフェにいる。
カーテンから差す陽の光は、夜の訪れをほのかに匂わせながら、やさしく店内へ入り込んでくる。オレンジに染まった僕の秘密基地は、時間がゆったりと流れていて心地良い。ぬるくなったカフェオレは、ここで過ごした時間の経過を静かに示している。
でも、ここまで書