見出し画像

センスの暴力性

好きなものを好きだと言うことは難しい。
だから、堂々と何かを好きだと言える人を心から尊敬している。

僕たちが何かを好きだと言うとき、そこには常に他者の目線がまとわりつく。好きな音楽を聞かれた時、アイドルグループの推しを答える時、無数の他者が僕の解答を評価してくるような気がして、身体がこわばる。「センス」という評価基準は、いつからか僕たちの好き嫌いにまで干渉してくるようになっていたみたいだ。

個人に許されていたはずの選択の自由は、世間によって作り出された画一的な基準によってバラバラに解体されていく。何かを好きだと言うことは、どうしようもなく難しくなってしまった。ほんとうに、どうしようもない程に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?