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檸檬読書日記

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2023年7月の記事一覧

檸檬読書日記 井上ひさし×赤塚不二夫は最強コンビ。 プラス「創作解説」 7月24日-7月30日

檸檬読書日記 井上ひさし×赤塚不二夫は最強コンビ。 プラス「創作解説」 7月24日-7月30日

7月24日(月)

車の中で、ぼんやりと外を見ていた。
赤信号で止まったところが丁度歩道橋で、誰かが降りてくるような影が見えた。その後に少し離れた間隔でもう1人降りてくる影があり、数秒後、小学生くらいの女の子が降りて来た。
ああ、だから頭が見えなくて影だけだったんだと思った。

自分はそのままぼんやりと歩道橋を見ていた。だけど一向にもう1人が降りてくる気配がなく、あれ?あれ?と不思議に思った。

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檸檬読書日記 感覚を狂わす異質小説。 7月17日-7月23日

檸檬読書日記 感覚を狂わす異質小説。 7月17日-7月23日

7月17日(月)

たむらしげる『象の思い出』を読む。これは絵本、なのだろうか。

『水晶山脈』の時も思っていたけど、独得な世界観だった。

よくよく考えればとんでもないことになっているのに、そう感じさせない淡々とした文に、思わず素通りしてしまいそうになる。けれど読み終わってからじわじわと異質さが来る。
けれど読み進めていくと、その異質さが普通になっていく。異質なのが普通になっていく魔力があった。

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檸檬読書日記 三島由紀夫に再び落ちる。 7月10日-7月16日

檸檬読書日記 三島由紀夫に再び落ちる。 7月10日-7月16日

7月10日(月)

三島由紀夫『命売ります』を読み始める。

生きている意味を見いだせない男・羽仁男は、それならこの命売ってしまおうと「命売ります」という広告を出す。
すると客が次々現れて…。

三島由紀夫、ようやく2冊目の本!

相変わらずの文章に惚れ惚れする。今回はその中にぴりっとした皮肉さも混じっているのが、なんとも言えない癖となって引き込んでくる。堪らないな。もう落ちる予感しかしない。

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檸檬読書日記 武者小路実篤に惚れました。 7月3日-7月9日

檸檬読書日記 武者小路実篤に惚れました。 7月3日-7月9日

7月3日(月)

本を20冊ばかり頂いた。わーい。
ただ、鬼のような天使が相当な量の積読本を指さしながら、凄い目で見てくる。視線がチクチク刺さっている。
早く読まなくてはなあ。でも欲しい本もたくさんある。買いたい。仏のような悪魔が「大丈夫、買っても読めばいいんですから」と後押ししてくる。その後ろから、鬼のような天使の突き刺す視線。板挟みです。
そして自分は、おそらく買ってしまう。(え)

たなかの

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檸檬読書日記 雀と生きたおばさんと、パリで奇跡を生んだおばさんの話。 6月26日-7月2日

檸檬読書日記 雀と生きたおばさんと、パリで奇跡を生んだおばさんの話。 6月26日-7月2日

6月26日(月)

人参の花をずっと置いておいたら、凄いことになった。ぱっかーんと開いた。なんだか本当に花火みたいだ。

竹下文子・ぶん:島野雫・え『つきのこうえん』を読む。絵本。

満月の夜、るなちゃんは絵本を読みに来るお母さんを待っていると、窓の外からおとこのこが現れ、誘われるように外へ行く。
空を飛び向かった先は、お月様のボールで遊んだり空を飛ぶように回るぶらんこに乗ったりする不思議な場所、

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