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上海ハミングレモネード①
悪夢でも君の笑顔を見ていたい
失われた世界にて人類の記憶を再生する装置とかした私が言葉を吐き出す。
移動中の車両の中で、掌サイズの情報端末を熱心に見つめている。
彼らは人間だった。
1を知って10を知る能力に長けた彼らは、このように移動中の数分であろうとも情報を得るための学習を絶やさない。
ある者は会話と同時に、リアルタイムなメッセージのやりとりを行っている。
また、別の彼は動画学習を行ったり
すべての感情に名前がついても
すべての感情に名前がついても遠くの山を見つめる
誰かの死も日常の中に溶けていく
薄く引き伸ばされていく生も
たしかにそこに残る
カレンダーの印を見るたびに
思いだせない記憶をたどる
ないはずなのに、そこにあるもの
あるはずなのに、確かめようがないもの
アドラー先生が「すべては主観ですよ」と言った
これは誰に向けて発する感情なのか