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【家族喧嘩を少なくするために】


先日外食に行った時、家族喧嘩を目の当たりにしました。

隣の席の3人家族のうちの女の子が泣き出し、大きな声を上げています。

食べ物で遊んでしまった女の子に対し、激怒し「言うことをきけ」とお母さん。

「言うことを聞かない子だから」と、子ども用の椅子を用意され、ベルトで縛られようとしていました。

それがよっぽど嫌いなようで、「絶対に嫌だー!!!」と叫ぶ女の子。

泣き喚く彼女を落ち着かせようと、お父さんも絶えず声をかけますが全く効果は有りません。

結果、優しそうなお父さんはなす術が無いと落ち込んでしまった様子。

暫くその状態が続き、結局収拾がつかず、早々に食事を終え帰って行きました。



この様子をみていて、私は非常に悲しくなりました。

だって、お父さんもお母さんも女の子も皆が悲しそうだったから。

折角美味しいご飯を食べに来たのに、そんな風にして台無しになってしまうのは勿体無いなと思い、もし自分が当事者ならあの場面では「どうする事が出来たのだろうか」と暫く考えていました。


そんな時、私の友人がしてくれた話を、ふと思い出しました。

そして、その時得たヒントが、もしかしたら家族喧嘩を減らすきっかけにならないかな?と感じたので、淡い期待を込めてこの記事を書きたいと思います。


今回の話で、家族間・職場間・クラスメイト間など、

人間関係において蟠りが発生してしまう問題を解決するきっかけになれば嬉しいです。


変わってもらいたいなら称号を与えよう


以前、「人に変わってもらいたいなら称号を与えよう」という話をしました。

「あなたが変わってもらいたいと感じる人に対して称号を与えることで、その人はあなたが言い表された通りの行動や性格を必然的に表すようになる」という話でした。


簡単に説明すると、

人間というのは脳内に網様体賦活系(RAS)という、「自分に必要な情報のみを拾い上げる仕組み」があります。

脳機能的を健全に保つために、意識下で処理される情報量を絞っているわけです。

だから、RASで日常において検索するべき情報の項目を設定して、不必要なものをふるい落としています。


この働きにより、相手に称号を与えることは、「その人の脳内でその称号に纏わる情報を意識下で処理させること」に繋がります。

結果として、「称号に相応しい性格や行動を喚起させることになる」という流れです。


例えば、誰かが「明るい人」という称号を得たら、

その人は明るく笑っている自分のイメージを持ち、それに関連する情報を脳に取り込みやすくなります。

結果、その性格はより色濃くあらわれ、自身でも認める性格の一つになっていくわけです。


称号を与えられた側だけじゃなく、与えた人も変わる?

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この記事に対して、友人が面白いフィードバックをくれたんです。

「称号を与えられた人が変わるように、称号を与えた人も同時に変わるかもしれないね」



この言葉を聞いた時、私は一瞬

「ん?どういうこと?」と固まってしまいました。


「称号を与えた人も変わる…??」

ぽかーんとしている私に、彼女は続けます。


「だって、称号を与えた本人もRASの働きによって、称号を与えられた人がその通りに振る舞っている情報をキャッチしやすくなるでしょ?

つまり、言い表した性格や行動ばかりが目にとまるようになるってこと」



…!!

核心を突かれ、ハッとしました。

称号を与えられた側の人の変化ばかり考えていた私にとって、大変衝撃的な紛れも無い正論でした。


①称号を与えられた側の人

RASの働きにより、称号によって言い表された性格や行動を取りやすくなる。

②称号を与えた側の人

RASの働きによって、称号を与えられた人がその通りの振る舞いをする姿を認知しやすくなる。



称号を与える事によって、双方に同時にこのような影響があったわけです。

新しい発見であり、考えの幅が広がるきっかけでした。

そう考えると、称号を与えるというのは、相手にとっても自分にとっても平等に重要であり、リスクのあることだったんだと理解する事が出来きました。


そして、先の家族喧嘩においても、「思わしくない称号を与えてしまったこと」が喧嘩の一因だったのではないかと考えられるわけです。


RASが「言うことを聞かない子」を検索


当時、お母さんは女の子に対して

「言うことを聞かない子だから」と繰り返し言っていました。


この場合に、ここまでのRASの話を照らし合わせると、

「言うことを聞かない子」と言われた女の子

親の言うことに従わない性格や行動を取りやすくなる。

「言うことを聞かない子」と言ったお母さん

女の子の「言うことを聞かない」行動が目に留まりやすくなる。


こうなってしまっては、お互いにとって悪影響であり、まさに負のスパイラル。

お母さんは「言うことを聞かないで行儀良く出来ないなら」と言って、躾のつもりで、ベルト付きの椅子に座らせようとしていました。

しかし、「言うことを聞かない子」という称号を与えている時点で、その躾ももしかしたら全くの逆効果になってしまっていたのかもしれません。


先ずは自分から変わる

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お母さんとしては、1人の親として、娘を立派な人間に育ててあげたいと言う強い意志と責任感から取られている行動だったと思います。

甘やかしてはいけないと思い、普段から厳しくする教育方針だったのかもしれません。


でも、もし、

「行儀良くご飯を食べられる子」「ご飯の食べ方が上手な子」「食べ物を大切にする子」「親の言うことをちゃんと聞ける子」などなど、

ポジティブな称号を与えてあげられていたら、自然とそれが出来るようになっているかもしれませんよね。


逆に、好ましくない称号を与えてしまっていたから、女の子は「言うことを聞かない子」を体現し、お母さんはその悪い部分をより引き出し悪影響を及ぼす存在になってしまっていたんです。


だからどうやら、

お母さんは女の子を「言うことを聞く子」に育てるために、「自分が先ず変わる必要がありそうだ」と私は思ったんです。

悪い部分を指摘し誘発させてしまう存在ではなく、良い部分を見つけ出し引き出してあげる存在に。

そのために、正しく称号を与え、自身の脳とRASを制御する必要があるのだと。


まとめ


ここまで、「人に称号を与えることは、双方に影響があるので、相手を変えると同時に、自分自身も変わる(良くも悪くも)」という話をしてきました。

今回は、「言うことを聞かない子」という称号を与えたお母さんと、与えられた女の子を例に出しました。


しかし、世間には色々な思わしくない称号のせいで、関係が悪化しているケースが沢山あるのではないかと思っています。

例えば、夫に対して、「家事をしないだらしない旦那」と言って不満を口にする奥様。

そこを「毎日遅くまで仕事を頑張っている夫」という称号に変えることが出来たら、旦那さんもきっともっと仕事を頑張るでしょうし、自分自身も「だらしない旦那」の姿が目に留めることが無くなるはずです。


だから、もし人間関係を改善したいと思う方は意識してやってみてください。

相手を変えたいと思うと同時に、自分自身もその人の良い部分をもっと引き出してあげられる存在になるために、正しく称号を与えることを。


本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。





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