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#153 「強み」に集中しよう

以前から思っていたのですが、「弱み」に目が行く人が多いように感じます。謙遜なのかもしれませんが、もっと「強み」に集中しては?、というメモ。


1、なぜか「弱み」に集中してしまう

私が勤務する会社では12月が締め。評価の時期です。
ザ中間管理職なので、メンバーに評価のフィードバックをしています。

昨年まで営業にいたので、本社メンバーに対するフィードバックは初めてです。
これまで1on1等を通じて感じていましたが、まずは自己評価、と促すと、皆さん謙遜というか控えめというか、いきなり反省から始まります。

営業の時と正反対(苦笑)。

ですから、いつも「まずは出来たことから」と言っています。

まさか評価の時までとは…力不足を実感…

思い起こしてみると、営業時代に他企業に対する研修講師をすることが多かったのですが、例えば、ロープレをやって、その後のフィードバック、やはり、何も指定しないと、「あれが出来なかった、これが出来なかった…」となっていました。

やはり、「弱み」ばかりを見つめてしまうのです。

あまりこういう言い方はしたくないですが、日本人の特質なんでしょうか?


2、なぜ「弱み」にばかり目が行くのか?

まず「謙遜」。意味としては「控え目な態度を取ること」。つまり、自分ではもっと出来たと思っているけれども、控え目に言っている、ということです。

これなら、まぁ、いいのかなぁ、とも思うのですが、評価やロープレの場面では本人が気づいているのか、いないのかが大きく指導のポイントに関わってくるので困ります。

次に「防衛」。出来ない、と言っておけば間違いない、ということです。「そんなことないですよ。出来てますよ。」という感じで、貶されたり非難されたりはないから、ということです。

これはちょっと根が深いというか、「そうですね。」なんていうと、逆に「分かってないなぁ。」となりそうで、困ります。というかお互い不幸です。

最後に「本当にそう思っている」。確かに、ほとんどそうですから、これなのかもしれません。でも、出来ていることもあるのですから、やはり、「弱み」の方にばかり目が行ってしまう、ということになります。

いずれも「あるがまま」に見方や表現が出来ないという点でバランスを欠いてしまっているとは言えそうです。


3、「弱み」は治せるのか?

ロープレは初めてやることですから、ポイントを指導し、気づきを促した上でもう一度やれば大抵治ります。

一方で、評価などで毎回言われるような、あるいは、自分で認識している「弱み」は治せるのでしょうか?

結論から言うと、治せるかもしれませんが、そこを治すのに投資する時間があれば、「強み」を伸ばす方がよっぽど生産的だと思います。

ドラッカーさんも以下のようにおっしゃっています(「仕事の哲学」)。

自らの強みに集中すべき。無能を並の水準にするのは、一流を超一流にするよりもはるかに多くのエネルギーと努力を必要とする。

不得手なことに時間を使ってはならない。
何ごとかを成し遂げられることは、強みによってである。

USJを再建した森岡毅さんも以下のようにおっしゃっています(「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」)

日本人の多くはあまりにも弱点克服に比重を置きすぎた「ドM気質」ではないでしょうか?弱点克服も大事ですが、それ以上に大事なのは自身の強みをよく把握して、それをもっと圧倒的な強みになるように伸ばして行くことだと私は信じます。
なぜかって?弱点克服なんてほとんどうまくいかないからじゃないですか(笑)。


…表現はともかく、「弱み」を治すよりも「強み」を伸ばすことに時間を使いましょう、ということです。


4、まとめ

言霊、という言葉があります。

発した言葉が何らかの力を持つ、と言う考えです。

謙遜だろうが、防衛だろうが、本音だろうが、「弱み」ばかり口にしていると、本当に「弱み」しか目に入らなくなります。

しかも、その言葉によって「自己暗示」にかかります。

「私はこんなに弱みばかりなんだ…」

しかも、治らない(治りにくい)。

真面目な人ほどこういう傾向が強いように思います。

だからこそ、「強み」にもっと集中して欲しいのです。

簡単です。言霊ですから。口にすればいいだけです。

口にしようとすれば、目が向きます。その繰り返しで「強み」が目に入るようになります。

ないものを見つけるのではありません。あるのに目に入ってこなかったものに目を向けるだけです。

「ダイバーシティ」が重視される世の中です。

「こんなこと強みじゃないよな。」なんて思う必要はありません。

むしろ、チームの中で他のメンバーが持っていない「強み」を発揮してもらうことの方がチームに刺激になります。欠落していた視点を足してくれることになります。

最後にもう一度ドラッカーさんからお言葉をいただいて終わりにしたいと思います。

「強み」を生かすものは、仕事と自己実現を両立させる。



最後までお読みいただきありがとうございました。

ちょっと勿体無いなぁ、と思うことがあったので暑苦しくなってしまいましたが、何かご参考になるところがあれば嬉しいです。

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