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#362 「ビジネス頭の体操」 7月12日、13日のケーススタディ

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための豊富な一次情報やデータもご紹介。

 →部分は、頭の体操する上での自分に対する質問例、です。


7月12日(月) 健康診断市場は○○○○億円市場!?

東京都千代田区三番町に事務局を置き、学術大会の開催、学会誌の発刊などを行う公益社団法人・日本人間ドック学会(Japan Society of Ningen Dock)が制定した「人間ドックの日」です。
日付は1954年(昭和29年)7月12日、国立東京第一病院(現:国立国際医療研究センター)で初めて「人間ドック」が行われたことに因みます。

人間ドック。
毎年受診していますが、人間ドック専門病院もあるくらいですからかなりの市場規模があるのでしょう。
調べてみました。

矢野経済研究所の「健診・人間ドック市場に関する調査」によると、2019年の国内健診・人間ドックの市場規模は9,160億円となっています。

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そもそも、人間ドックの位置付けですが、まず、法定健診というものがあります。法定健診には、
☑️ 地方自治体が実施する「住民健診
☑️ 企業・団体等が従業員向けに実施する「定期健診
☑️ 結 核・肺がん検診、母子健康法・学校保健法などに基づく「健康診断
☑️ 後期高齢者向けの「高齢者健診
☑️ 40 歳以上 74 歳以下の公的医療保険加入者全員が受診する「特定健康診査
などがあります。

人間ドックは利用者が任意で受診する「任意健診」という位置付けになっています。

あれ?義務ではないんだ、と思いましたが、多くの健保組合では法定健診に加えて検査項目の多い人間ドックの費用を補助しています。勤め人、こんなところでも恩恵があるんですね。

人間ドックも含めて、「特定健診」はどれくらいの人が受けているものなのでしょうか?

厚生労働省「2019年特定健康診査・特定保健指導の実施状況について」によると、特定健診の実施率は2008年度には、受診者数2,019万人、受診率38.9%だったものが、2019年度には2,994万人、受診率55.6%と増加しています。
ただし、国の目標値である70%以上にはまだ未到達となっています。

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保険者種類別で見ると、健保組合は79.0%、共済組合が79.5%と目標を超えていますが、その他が低くなっていることが分かります。

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と、ここまでは2019年までの状況でしたが、コロナ禍で何か変化はあるのでしょうか?

ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニーが2020年10月、1.5万人を対象に行なった「健康診断・人間ドック」「がん検診」に関する意識・受診状況の調査からいくつかデータをご紹介します。

最初の緊急事態宣言が発出された2020年4〜6月では実に半数以上の方が健康診断などを控えたいと回答していましたが、2021年度でも約30%の人が健康診断を控えたい、と回答しています。

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また、2019年度(国民生活基礎調査)との比較では、2020年度も健康診断の受診率は低下していることが分かります。特に20〜30代、中でも20代女性が最も差がありました。

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2020年度に健康診断を受けない理由によって、2021年度受けるか受けないかが変わっています。

新型コロナウイルスの感染リスクを理由に挙げる43.1%の人は2021年度は受診予定ですが、同様に、だから2021年度も受けない、という人も23%います。また、そもそも健康状態に不安はないので必要性を感じてない、ということで、2020年も、2021年も受ける予定はない、という人も約3割います。

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一方で、健康診断や人間ドックを見送ることで病気の発見が遅れることを心配する方も約6割います。

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このように、当然のように行なってきたこと、1つ1つを、コロナ禍によって考えさせられるのがニューノーマルなのかもしれません。

最後に、人間ドックといえば典型的な「対面」での業務ですが、そこに「非対面」を持ち込もうという新しいサービスがありましたのでご紹介します。

ハルメク・ベンチャーズ株式会社の「おうちでドック」というサービスです。

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→ニューノーマルで人間ドックは変化するのだろうか?するとすればどのようにな変化が考えられるだろうか?


7月13日(火) コロナ禍で急増!?船舶免許取得者

新潟県新潟市に事務局を置く日本海マリンクラブが制定した「水上バイクの日」です。
日付は「な(7)み(3)」(波)の間に「/(1)」で「波を切る」と読み、水上バイクの爽快感を表していることに因むそうです。

水上バイク。
密じゃないですし爽快でしょうね。

水上バイク=ジェットスキー、と思っていたのですが、実はウォークマンと同様、カワサキの登録商標だそうで、ヤマハはマリンジェット、ボンバルディアがシードゥー、という商標だそうです。

その水上バイク、一般社団法人日本マリン事業協会によると、新造一定の検査数(つまり新車の台数)の推移は以下の通りで、2016年の3,478台をピークに2020年には2,670台となっています。

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参考までに、輸出も含むマリン事業に係る国内市場規模(出荷金額)の推移がこちら。

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2020年では市場全体で270.5億円。うち、モーターボートが188.8億円船外機が51.7億円、PWCが29.9億円となっています。PWCというのがパーソナルウォータークラフトの略で水上バイクを指します。PWCは2019年比18%減となっていて、水上バイクの減少は続いています。

船を操縦するには免許が必要です。
小型船舶操縦士の免許の種類は、
☑️ 一級小型船舶操縦士
☑️ 二級小型船舶操縦士
☑️ 二級小型船舶操縦士(湖川小出力限定)
☑️ 特殊小型船舶操縦士
があります。

詳細はこちらの、一般社団法人日本海洋レジャー安全・振興協会のHPをご参照ください。


このうち、水上バイクを運転するために必要なのが、特殊小型船舶操縦士免許です。実は、コロナ禍とタイミングを合わせてこの免許取得者が特殊で26%、全体で25%増と、急増しています。

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やはり、密にならないレジャーとして始める人が増えているようです。水上バイクも今後売上が伸びることも見込まれます。

さて、そのような水上バイクですが、世界のシェアのほぼ半数を占めているメーカーが日本のヤマハ、なのです。

同社の資料になりますが、2019年の水上オートバイ(水上バイクの別の呼び方です)の世界総需要が10.6万台ですが、ヤマハの出荷台数は5.1万台48%を占めているのです。

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水上オートバイにスポーツボートを加えた「ウォータービークル事業」の売上高では745億円となっています。


最後に、ヤマハの水上バイクが30年ぶりにモデルチェンジして話題となっているようです。価格は139万1500円(税込)となっています。大型バイクと同程度、でしょうか。大型ワゴン車に搭載できるサイズとなったこともポイントだそうです。


→陸上で乗るバイクも始める人が増えている話もある。今後のレジャーはどのようになっていくのだろうか?



最後までお読みいただきありがとうございました。

皆様の頭の体操ネタが1つでもあれば嬉しいです。

昨年からこうした投稿をしてきました。かなりの量になりました。以下のマガジンにまとめています。アイディアに行き詰まったら、覗いてみていただくとお役に立つかもしれません。


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