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おすすめnote 〜タイムラインから〜

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#現代語俳句の会

コラボ作品集《梅雨2023》 2

コラボ作品集《梅雨2023》 2

 
 
 
『懐古の時、それもまた』
  小さな駅舎の時刻表。古い友人を訪ねたはいいが……

「一時間後か」

 かと言って暇を潰すような場所と言ったら、昔のよろず屋よろしく小さな店が一軒だけ。

「うれしいとメガネが落ちるんです」

 懐しいブリキの看板が見えた。

「あいつ、またきっと歩けるようになるさ」

 見上げた空は、子供の頃のままだった。

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ハイクサークル4月投句分と雑記

ハイクサークル4月投句分と雑記

うつろいを告ぐ蝶々の瞬きよべにをさす誰もがやがて春惜しむ平和こそ心に架かる初虹よ春愁にひとりラジオの沈黙か猫の子の生意気なこと花まるぞこんばんは、笹塚です。ハイクサークル4月の句会に出した作品たちです。4月も終わりということで、行く春を惜しむイメージで作句しました。

主宰のKusabueさん、ハイクサークルの皆さん、いつもありがとうございます、今回も楽しかったですー!

◇舞台裏

俳句の推敲の

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【俳句】恋の手帳

【俳句】恋の手帳

うららかよ午睡ののちの二度寝こそ

突然の打ち明け話春一番

シャンプーよ指に絡まる桃の香よ

朧月ほんとうのことだけが要る

いぬふぐり踏まれてもなおいぬふぐり

ひとひらの桜舞いこむプリーツよ

春惜しむ傷ついてこそ恋ごころこんばんは。Kusabueさん主宰の「ハイクサークル」月報に寄せた俳句、七句です。今回は連作にチャレンジしてみました。

私の住む街は雨の夜です。花散らしになるのかな。昼間

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俳句 春の五句

俳句 春の五句

ハイクサークルの三月分に投句した俳句たちです。サークルのみなさん、いつもありがとうございます!

桜咲く散るを知ってか全力で

諍いもほどかれてゆく雀の子

雁帰る生まれ故郷はなお遠く

春時雨エンドロールと遊ぶ影

のどかさよ犬吠え猫は夢のなか

怒涛の年度末もゴールが見えてきました。出張の疲れがなかなか取れませんが、明日からまた元気にお仕事です。

私の住む街はまだ桜が満開ではありません。たぶ

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俳句 晩冬〜早春 五句

俳句 晩冬〜早春 五句

冬尽きて友を許すか喫茶店風運ぶバスよ栞もさくら色雑踏よ春告鳥は知らん顔雪だるま別れ支度を始めるか巣立ちのちそれでも厨に立つ母こんにちは。スマホのメモ帳に書き留めていた俳句たちを出してみました。

偶然観たテレビ番組(我が家はめったにテレビを観ないので、なかなかの確率)で、クロアチアは俳句が盛んな国だと知って驚きました。そうと知っていれば新婚旅行先をクロアチアにしていたかもしれません(本当に行ったの

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俳句 秋の五句(ハイクサークル投句分)と日記

俳句 秋の五句(ハイクサークル投句分)と日記

ハイクサークルで開催された句会に投句した俳句たちです。今回は五句。

いわし雲ひとそれぞれに旅立ちよ

秋桜よ逆風にこそ凛とあれ

破顔する母のまぶたに月宿る

赤とんぼ昔語りに寄り添うか

歳月よ山粧うか老いてこそ
***

ストライク世代ではないのですが、五輪真弓の「恋人よ」が今いるカフェでかかっていて、改めて名曲だよなぁとしみじみしている笹塚です、こんばんは。

カフェのオーナーご夫妻に

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コラボ作品集《名月2021》1

コラボ作品集《名月2021》1

 
 
 
『行く道』 
 これはひとつの区切りだ。
 年老いた父の具合がどうもいけない。わたしは意を決して長年勤めていた職場に今日別れを告げた。
 苦労もあったが、仲間と一緒に乗り越えた日々があった。

 さて、上等なワインでも奮発しようか。いや、それよりも父の好きな和菓子を買って帰ろう。
 いつか行く道。

 今夜はお月見だ。

 

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【Twitterに投稿した俳句】

◯ 山拝む天地あわいに秋霞

◯ 黄昏れる谷中の坂よ律の風

◯ 湿原に咲く初鴨の翠玉よ

#俳句 #haiku #習作
#現代語俳句 #現代語俳句の会

俳句 秋 五句と日記

俳句 秋 五句と日記

枯れてまで寄り添うすすき風に揺れ

名を呼んでなお一人きり秋の朝

秋澄んで大丈夫だと膝こぞう

秋色のシャドウ明日は旅立ちよ

なり代わり泣いてくれるか秋の蝉
***

こんばんは。なんだか一気に秋模様ですね。私の住む街は午後に大雨が降って、気温ががくんと下がりました。ひさびさにくしゃみが出て、ちょっとびっくりしましたが天気予報をちゃんと見ないで半袖を着ていた自分にも驚きました。よく驚きますね。

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俳句 甲子園 五句

俳句 甲子園 五句

球児たち勝ち負け越えよ甲子園

ひざの泥勲章として誇る夏

去る者を称えよここは甲子園

白球が運ぶ真夏の意地と意地

甲子園負けの味こそ財産ぞ***

こんばんは。甲子園が再開されましたね。今日は甲子園をテーマに俳句を詠んでみました。応援していたチーム(北北海道、南北海道)がことごとく負けてしまったのですが、どうか球児たちには胸を張って地元へ戻ってほしいという、老婆心ですが、そんな願いをこめて詠

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俳句 夏 五句と日記

俳句 夏 五句と日記

窓際でひとり手遊びレモン水

ラムネこそ恋のはじまり告げる味

サイダーを舐めて慄く三毛猫よ

陽光にゼリーを透かす茶色い目

手つなげばアイスも意地も溶けてゆく***

暑いですね。と書くのが嫌になるほど暑いですね。なので、今日は涼しさを意識した俳句を詠んでみました。

TBSラジオ「赤江珠緒たまむすび」で現在火曜日に企画されている俳句対決が面白くて、子ども(元子ども含む笑)たちの詠む瑞々しい句

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現代語俳句の会メール句会最終回によせて

金魚玉梳かれる髪のきらめきよ

公園に休符遊ぶか夏祭り

夏の星いのち巡ってまばたきよ

不可逆か月を睨んでアゲハ蝶

笹舟に託す吾子の灯ほたるとぶ

夕立がなぐさめとなる帰り道

三拍子最後の電話精霊馬

怪談か風なく揺れるぶらんこよ

幽霊が傘さして待つ想いびと

覚悟決めはだしで駆ける我が道ぞ
***

こんにちは、笹塚です。現代語俳句の会メール句会が最終回とのことで、寂しさもありつつ、ご一

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雲海を掴みにゆくか 六月メール句会

雲海を掴みにゆくか 六月メール句会

六月のメール句会参加作品です。

入道にひと呟きかガマガエル

うたた寝に風鈴の音のしあわせよ

夏祭り千年の世のかけ声よ

湯けむりにタオル一本夏の空

雲海を掴みにゆくか富士道者

これまでのメール句会としては、最後だそうです。

現代語だけで詠むというのは、普通の事のようで、ついうっかりをおこしやすいと感じました。ちょっとした部分で古語使いが出そうになるのは、それだけ俳句に先入観があるからで

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