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消雲堂自分史 阿武隈川

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駄目な人間の私が、どうやって生きてきたのかを再確認するマガジンです。自分のためのものですが、興味のある方はどうぞご覧下さい。
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#青春

HONDA CB50 始末記

HONDA CB50 始末記

高校生の頃に父親に原付バイクCB50を買ってもらった。

嬉しくなって「慣し運転」もせずに、まだ開通前の東北自動車道に侵入して走った。バカだから最高何キロまで出るのかを試してしまった。80キロ以上出たことで嬉しくなったが、原付だから公道30キロまでしか出せない。しかも最高時速を試したのが原因で、熱を帯びたマフラーが真っ赤になったと思ったら冷めても銅色になってしまった。

それからあちこち走り回って

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「阿武隈川 卑しい青春」

「阿武隈川 卑しい青春」

「卑しい男」僕は卑しい人間ですから、若い頃には女の人にモテる職業に就きたかったですね。ミュージシャンとかイラストレーターとかですかね。バカですよね。今思うと本当に恥ずかしい。

僕はスポーツ以外のことには何にでも興味があって、やってみるんですが、いずれもそこそこか、平均以下なんです。何の才能もないのは承知しているのですが、まあそれでも下手の横好きですから何にでも手を出しちゃうのです。今は無心になっ

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Tokyo Ten thousand scenery「新宿ションベン横丁の黄昏」

Tokyo Ten thousand scenery「新宿ションベン横丁の黄昏」

また昔話です。

20代前半、目黒の美術研究所に通っていたときのこと。美術研究所には絵を習うという前提で通っていたのですが、通っている人たちは本気で絵を志す大人ばかり。若者といえば美大受験のための人たちで、僕のように「漫画を描いていたけれど絵が下手だから習いに来た」的な輩はいるはずがない。

ただし、奇妙な人たちはいた。絵描きを志す人たちの中にも才能のない人がいて、そういう人たちがえてして自分は天

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東京万景「目黒の夏」

東京万景「目黒の夏」

昨日は、師匠の本出版の打ち合わせのために目黒まで出かけました。師匠は70歳前半の頭脳明晰な人で、現在は公認会計士&税理士&企業コンサルタントに外語学校のオーナー(北京にあります)をしています。

若い頃は神田で焼き鳥屋を経営していました。オシャレな衣装で焼き鳥を焼いて繁盛していたので話題になり、いくつかのメディアに取り上げられてちょっとした有名人でした。その後、資格を取得して公認会計士&税理士事務

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東京万景 「鷹美術アトリエ村」

東京万景 「鷹美術アトリエ村」

目黒駅から目黒通りを白金方向に歩き、自然教育園前の交差点を渡ると、すぐに狭い路地があります。その路地を右折して、しばらく歩くと、小さな魚屋さんがあります(残念ですが、今は閉店しています)。その魚屋さんの脇に狭い坂道があって、ここを100メートルほど下って行くと、左側の路地の袋小路に僕がデッサンを勉強しに通った鷹美術アトリエ村がありました。

▲この坂を下ったところに鷹美術アトリエ村がありました。中

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25歳のひとり旅

25歳のひとり旅

「イラスト描ける人いる?」と呼びかけたのは銅版画を制作しているMという見た目も服装も個性的な女性でした。僕はそれまでイラストなんて描いたことがありませんでした。描いていたのは漫画のようなものでした。

それは、まさしく漫画のようなもので、気に入った風景や人物写真を見ながら、それを丸ペンでガリガリと紙に描き込んでいただけのものです。幸いにもデッサン力がなかったので全く違うものになりましたけどね…。そ

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