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消雲堂自分史 阿武隈川

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駄目な人間の私が、どうやって生きてきたのかを再確認するマガジンです。自分のためのものですが、興味のある方はどうぞご覧下さい。
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2021年4月の記事一覧

可愛いんだな、これが。

可愛いんだな、これが。

うちのかみさんは新婚時代に「赤ワインとワインビネガーを間違えて作った牛肉煮込み」を、僕が酷く罵倒したせいで、以来、かみさんは料理を作れなくなってしまったのです。精神的DVです。僕は酷い亭主です。あ、もうひとつ、彼女は酷い粗忽者なので、火を使わせるのが危険だと勝手に決めつけて僕が食事を作ることになったんです。色々事情はあるのです。

結婚して30年以上になりますが、殆どの食事を僕が作っています。僕は

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選挙野郎!!切り貼りメモ(面白くありませんよ)

選挙野郎!!切り貼りメモ(面白くありませんよ)

「政治はお金がかかる」と政治家は言います。まあ嘘です。政党に所属せず、次の選挙で再選を狙わなければ秘書も不要だし、ダラダラと任期を終えれば、何もしないで支払われる歳費で貯蓄も可能です。

覚書

国費(税金)から給料が支払われるのは政策秘書(有資格)、公設第一、第二秘書の3人だけ。私設秘書は議員の自腹? 政党に属していれば政党交付金から支払える。私設秘書は主に議員の地元で雑務をこなす。再選を考えな

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選挙野郎!!衆議院議員選挙 漆

選挙野郎!!衆議院議員選挙 漆

その日は早朝から駅頭活動だった。駅頭は午前6時から8時までの間に駅の改札口に陣取ってミニ演説を行なうのだ。

選挙時ではなくても「地元密着」を重要視する議員なら月に1~2回は地元の駅で「おはようございます。今日も1日頑張って下さい」などと挨拶しながら自分の「広報チラシ」を配る。広報チラシには自分の毎月の政治活動報告が書かれている。

この広報チラシも自分たちで制作する。昔はガリ版刷りだったが、この

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検便の記憶

検便の記憶

*写真右下に小さく写る建物が、犬の糞を持っていったかもしれない小学校

記憶違いというのはよくあるものだ。僕の妹なんかはその代表選手のようなものだ。

「お兄ちゃんは小学校の検便の時に犬のウンチをマッチ箱に入れて学校に持っていった」と、ことあるごとに面白そうに話す。しかし、僕にはその記憶がない。妹の記憶違いなのだろうと思っても「お前の記憶違いだろう?」とは言わない。ウンチの事で互いに「やった、やら

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死に逝く者 「薬局」

死に逝く者 「薬局」

あの日、僕とかみさんは、相模原の病院で処方された母の薬をもらうために神奈川県大和市南林間駅の近くにある薬局内のイスに座っていた。外は雨が降っている。

「降ってきたね。傘忘れちゃったね…」かみさんが薬局前の道を眺めながら言った。

「うん…」僕は気が抜けたように頷いた。

この1週間前に、僕は「母は肺がんの末期であり、高齢で手術ができぬ事、余命3ヶ月ほど」であることを、かかりつけの医師に伝えられて

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市民活動とかボランティアとかが嫌いになったわけ…

市民活動とかボランティアとかが嫌いになったわけ…

3年前、地元のボランティアグループから「新しい市民雑誌を作るので相談にのって欲しい」と言われて指定された会場に行った。暇だし、雑誌編集は慣れた仕事なので喜んで出かけたのだった。それに将来的に副収入になるかもしれないと期待していたのだった。

会場というのは地元の飲み屋で、ほとんど初対面の人たちだった。僕は自分の仕事経歴を印刷した「消雲堂案内」と、22歳の頃に描いた漫画とイラストを持っていたので、ま

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遠い海の記憶

遠い海の記憶



写真の右前方を歩いている夫婦は僕の両親です。元はカラーのポジフィルム(リバーサルフィルム)で、これはそれから紙焼きしたものなんですが、僕が撮影したものに間違いないのに、いつ撮影したものなのか、撮影場所がどこであるのか、当時の記憶がないのです。

そこで、写真に写っている看板の文字「福栄丸」で検索してみると、すぐにどこであるのかがわかりました。三浦半島の葉山でした。

下は、グーグルマップからで

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救われぬ日

救われぬ日

先日、かみさんと一緒に総合病院の定期検診(内科)に行きましたとさ。

特に内科は混んでいて、予約よりも遅れるのです。待たされるのはいつものことだから、ボーッとして待っていますと「いつまで待たせるんだ。オレは永遠に待たされるのか? オレの時間を返せっ」って看護師を捕まえて怒鳴ってるおじさんがいたのですよ。

「時間を返せって…一晩のうちに、いつの間にかタイムスリップできる世の中になっていたのか?」な

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選挙野郎!!衆議院議員選挙 陸

選挙野郎!!衆議院議員選挙 陸

「清弘さん、今日は“北風の会”に行きまっせ」

「え? 北風の会って…」

北風の会とは約200万人の信者を抱える宗教団体だ。

「ん? 宗教団体ですわ」

「なんで宗教団体なんかに行くんですか?」

「清弘さんは何も知らんのですね。日本強欲党だって総進党だって総進の母体である総身捨去会あってのものですよ。信者さんが票を入れはるんですわ。あいつら強欲と総進にほどよく票を入れさすんですよ。選挙区によ

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選挙野郎!! 衆議院議員選挙 伍

選挙野郎!! 衆議院議員選挙 伍

*この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとはまったく関係がありませんからよろしく…。

寒い年末の早朝、選挙対策事務所で缶コーヒーを飲んでいると村野がニコニコしながら近づいてきて目の前のイスに座った。

「あきまへんな、清弘さん。選挙事務所でコーヒーなんか飲んだら公選法違反でっせ」

「え、僕が自分で買ってきたコーヒーですよ」

「そんなん、誰にもわかりまへんわ。事務所で用意したものと思

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湯河原温泉紀行2

湯河原温泉紀行2

僕とナマコを乗せたバスは15分ほどで現地に到着した。「源泉境バス停」は小さな橋を渡ってすぐだった。バスから降りて橋の上から渓流を見ると、川面にくっつくように垂れ下がったモミジや楓の葉は見事に紅葉していて、真っ赤な炎が川になだれ込んでいるような怪しさに満ちていた。橋の欄干を見ると「ニジマス禁漁」と赤い字で書かれた看板がかかっている。来年はここにフライを振りに(虹鱒を釣りに)来るか? なんて現実味のな

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