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#エッセイ
『思い出のマーニー』
魔法使いみたいな言葉遣いをする人がいるもので。その人といると、心地よい宇宙旅行をしている気分になるの。ふわりと漂って、呼吸も忘れる。それでも、生きていける。星々の瞬きは、二人を歓迎しているよう。
それはきっと、運命に導かれている。だから何一つ無理はしないで、リンゴが木から落ちたり風船が空へ舞い上がったりするのと同じく、ごく自然に幸せが降り注いでくる。怖いくらいの幸せだ。
『思い出のマー
人間みたいで羨ましい。
二度と利用するもんか、と行くたびに思っていた寮の大浴場を結局何度も使った。お湯のきもちよさには勝てない。
女湯には行きたくないけれどどうしたって男湯が望ましいわけではないし、だから私は開場直後に一番風呂できる時間帯以外は行かないように気をつけていた。同年代の女の子が裸で喋り倒すあの空間がどうしても苦手で、私はいつも透明人間を目指していた。
女性に性欲が生じる状況があったとしても、女湯と
「失恋してた方がいい文章書けるね」
君は出来事を小説のストーリーみたいに捉えて、キャラ付けしてるしバッドエンドを導いている。人生で事あるごとに一大イベントがあるよね、少なくとも一年に三回とか?
暫く何も文章を書かない方がいいのかもしれない、というよりそんなこと明白だ。
太宰治が書いていたはずだ。小説家なんて奴は故郷に捨てられる、と。
私の場合は友人だったり好きな人だったり、もっと身近なところで人と距離を置かなければ、あるい