魔力ある関係

性格が真逆の友人がいる。莫大なエネルギーで他者を巻き込むのが得意で、ゼロから創り上げたサークルの幹事長を務めるような。
私は自分の殻に閉じこもって精神世界に沈み過ぎているらしい……。

その友人と話すと、会話が成り立たないほど本当に真反対な存在だと毎回感じる。人生で関わった人間の中で最も異質で、会話が噛み合っていない。
そう、会話になっていない。一体なんで一緒にいるのかわからない。

接触した後は喪失感がハンパない。別れた直後から会いたくてたまらない。それどころか、隣にいるのに会いたいと思う。麻薬みたいな存在。

一緒にいても成長はしないとどこかでわかっている。何せ目指すものが違い過ぎるし、お互いが抱く問題も違い過ぎるから、鍵を提示することはできない。

一緒にシェアハウスする案も一時は出たものの、それはお互いが狂いかねないだろう。

なぜ自分がそこまで執着するのか、会いたいと思うのか、好きなのか、さっぱりわからない。夜中に呼び出されたとしても、躊躇うことなく会いに行く。

個々の点で好きなところなどおそらく何もないのだ。それなのに、常に考えている、というより常に「いる」感じがする。思考から切り離せない。
私が躁鬱状態になる場合、私自身の問題というよりその友人との関係においてブレがあるからではないかと思う。

よく当たると噂の密教占星術にお互いの誕生日を入れてみると、「破壊作用が怖い関係」と出る。余りにもピッタリな表現。

もはや「他者」の域を越えているくらいどうしようもなく結びついている相手で、自分が気色悪いのだけどやっぱりどうにもできない。

#エッセイ #友

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