もう告白なんてしないよ

哀しいとか悔しいとか嫌だとか不快というわけではなくて、地中を飛行している気分だったんだ。どうしようもなく苦しく不甲斐ない。迷宮であることこそ正解で、言葉の誕生以前の、空間にも為れない、そうした場所に私は放り出されたようで。なんて言ったら、論理的な君は汚物を飲み込んだようなカカオ1000%の顔をするんだろうね、そんなことはわかってますよ。それでも好きだという逆説を私は宝物にしていたかった。地球に酸素が必要だからってそれしか存在しなくなったら君も私も死にます、それくらいの計算はできるんだぜ馬鹿にしないでください。真昼の晴天の中でも発掘できるほど月は隠れきれず、流離う雲とは別個に輝いていた。それが君だった。太陽には火傷させられ、水の微分子には弄ばれ、雲とは感性が合わなかった。接触する必要のない者たちだったなんて断言できるほど君だって言葉を飼い慣らすことはできていないでしょう。唯一無二の仮面を外そうと考えたことがあるのかよ。低俗にならなきゃ生き抜けない世界にいるんだって、それ以上高望みしたら呼吸困難な宇宙までいっちゃうでしょ君。現実にいながら一緒に夢を見ようよ。

#エッセイ #詩 #小説

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