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旅行手記

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好奇心の渋滞による旅行手記。個人的な体験や感想などを気まぐれに更新。事実とは異なる場合がありますので、その点を頭に入れた上で読むことをお勧めします。
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#旅

物件内覧会

物件内覧会

注意:記事トップの写真は関係ない物件です。

アポイントメント福岡を出て、まず行きたいと思っていたのが長崎。しかし、船乗り場で出会った佐賀のおじいちゃんの物件も見に行っておきたかったので、前日に電話していた。

「もしもし、明日そっちの方行こうと思うんですけど、都合の良い時間とかありますか?」
「うーん、明日は家におるかおらんか分からんで、また近く来たら電話頂戴」
「分かりました、また明日かけます

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枝の先

枝の先

津屋崎福岡でまず行きたかったのは津屋崎という町。
ここで町おこしに力を入れている津屋崎ブランチという所があると、以前泊まった高松のゲストハウスのオーナーさんに教えてもらっていた。

最寄の駅から(これまた1時間ほど歩くのだが)歩いて向かっている最中、古本屋さんをマップ上で発見したので寄る事にした。

木造の素敵な建物に着いたが看板などが見当たらなかったので、本当にこの場所で合っているのか不安になる

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地獄でなぜ悪い

地獄でなぜ悪い

「ぷ」の長さ朝の5時半が近付くと、一応寝ている人の機嫌を逆なでしない様な爽やかな音楽に軽快なトーン、丁寧な言葉づかいで「時間だから出ていけ」という内容のアナウンスが流れた。

渋々夜明け前の別府に降り立ち、港から駅に向かって海岸沿いをとぼとぼと歩く。寝起きで大きい荷物を持って歩かなければならない状況は今後もあるんだろうか、と海を見ながら足を進めた。

徐々に空が白んでいき、やがて太陽が顔を出す。

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2人のおじいさん

2人のおじいさん

伝道師前の日に早く眠りについたため、早朝に目が覚めた。
まだ道後温泉の開館前の時間だったため、朝風呂をキメてこようと本館へ行った。

昨夜は相部屋の人に教えてもらった別館の方をお勧めされていたので、本館はこれが初めてだった。
早朝だというのに結構な行列。とはいえ、夕方とかに比べると全然マシだが。

開館の時間になると、開館を知らせる太鼓の音が鳴った。
「ドォン。ドォン。ドォン。」
夜明け前、古い日

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土山と土壁

土山と土壁

いい名前、つちぴー知らない人の家での留守番をうさぎと共に少しの間過ごすと「すいません、ほったらかしにしちゃって~」と奥さんが帰ってきた。
すぐに先程道案内をしてくれた男性も帰ってきて一緒に昼食をとりながら、自己紹介などをした。

男性はフランス人で日本文化が好きで留学生として広島の大学に通い、在学中に出会った面白い左官屋さんに影響を受けて左官仕事を始めたらしい。

僕が名乗ると「名前に土がつく。い

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離島へGO

離島へGO

大崎上島高松でましょと約束した日に古民家に向かうべく名古屋を出た。
当然今回も青春18きっぷを使いたいので鈍行で向かう。
向かう場所は広島の離島の大崎上島。

お互いが行く日だけを約束していただけで、時間も何も話していなかったので制限時間があるわけでもなく、その日のうちに着けばいいやくらいの感覚。

島に着いたのは夜の7時頃。すっかり日も沈んで真っ暗な中、着いた港から目的の古民家までは1時間ちょっ

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ひとまず

ひとまず

急がない田中さんと深夜2時まで語り合った翌朝、これからの移動経路を考えていた。四国を左回りに一周しようというぼんやりとした計画を実行するにはどうしたらいいか。

名古屋で用事があり、戻らなければならない日は決まっていたので、そこから逆算していくと弾丸ツアーで行けば周れない事もない。しかし、それではゆっくり見て回る事ができないと思ったため、四国一周は諦めて予定変更。

徳島県をほとんど横断する形で大

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本当の名前

本当の名前

一軒目ご厚意で泊めていただくことになったビルへ戻ろうと商店街を歩き始めた。一瞬「しまった」と思った。というのも、場所をGoogleマップなどで登録しておかなかったからだ。

最悪連絡すればわかると思ったが、すぐにその選択肢は自分の中から消した。これからの旅に備えて記憶力を鍛えなければと思った。

数時間前の記憶を頼りに歩いていると難なく着き、部屋に戻った。色々な事があったな、と一息つきながら夕飯を

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世界共通

世界共通

ファミリーとはしばらく歩いて高松の商店街を抜けた一角にある少し築年数の経った雰囲気のビルにたどり着いた。一階の貸しテナントは「空き」になっていてテナント募集の手書きの看板があった。

通りに面しているところはガラス張りになっていて、外から中で女性が一人でなにか作業しているのが見えた。
「あ、いるいる」と言ってキキさんが扉を開けて入って行ったので、それについていく。

中にいる女性もこちらに気付き、

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予定外から始まった

予定外から始まった

福山にて無事に福山で私設図書館のオーナーさんの元にたどり着き、喫茶店でご友人とお話している中お邪魔した。

オーナーさんはもちろんのこと、ご友人の方も突然現れた初対面の僕を快く迎い入れてくれ、色々と興味深いお話をさせていただきました。

そして、ご友人の方が福山のゲストハウスで働いているという事で福山の街案内を少ししてくれた上に、オススメのお店などもたくさん教えて頂いた。

皆さんお忙しい中ギリギ

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尾道から

尾道から

旅の友考える前に中国人二人組に日本語で話しかけていた。
男性がすぐに「はい、観光です」と日本語で返事をした。

お互い夜にしか営業していない古本屋さんに行くことが分かったが、営業時間になるまで少し時間があったので色々な話をした。
二人は留学生でとても頭が良かった。

こっちが一方的に日本語を使うより英語の方がコミュニケーションをとりやすそうだったので、英語で話すことにした。
すぐに二人と打ち解けて

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旅先からの旅立ち

旅先からの旅立ち

出発3月の上旬、春の訪れを感じさせるような空気が身体を包むようになったころ、4か月ほどお世話になった岡山のゲストハウスを発った。

最終出勤日にはたくさんの人が送迎をしてくれて、とても楽しい時間を過ごさせてもらった。
剃髪した頭を春の夜風にさらしながら行った撮影会は爆笑ものだった。

出発当日は駅まで送っていただき、前々から気になっていた蕎麦屋さんでみんなで食事をした。

もちろん、美味しい蕎麦で

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燈と宴と叫びと

燈と宴と叫びと

行燈前回の記事「街歩き」の続き。

ゲストハウス「燈屋」さんに着き、早速オーナーさんに挨拶をした。
オーナーさん以外にもすでに数人いたので、それぞれ自己紹介をした。

このイベント「行燈」は500円+1品持ち寄りで誰でも参加できるゆるいお食事会。
地元の人や僕やしょうゆちゃんの様なゲストハウスに宿泊する人達と誰でも参加できるものだった。

荷物を置いて、持ち寄りの1品と本泊するために購入した本を渡

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街歩き

街歩き

日本酒を求めて前回の記事「ジェットコースター」の続き。

キキさん(なタ書の店主さん)としょうゆちゃん(なタ書で出会った女子大生)と僕の3人で、日本酒を求める街歩きがついに始まった。

キキさんの後ろを2人が付いて行くかたちで会話をしながら高松の商店街を練り歩く。

少し歩くと1つの建物に着き、階段を上がった。
飲食店には見えない雰囲気の部屋に入って行った。
後から続いて入ると、開かれたスペースが

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