記事一覧
感情電車 あとがきとアメリカ
この記事を読んでくださっている方の中に、僕の五年間の高専生活を振り返ったnote「感情電車」を読んでくださった方がいたら、先ずは御礼申し上げます。長い文章に付き合っていただき本当にありがとうございました。読んでない方には、是非読んで欲しい…とは言いませんが、読んでくださったら嬉しいです。
一部内容においては、読む方によって不愉快な気持ちになることも予想しましたが、僕にとっては大切な思い出なのでしっ
感情電車 最終回 「愛を止めないで」
内藤哲也対KENTAを大阪城ホールで観た体のまま夜行バスに乗り、富山駅に到着した頃には既に内藤対KENTAが昨日の出来事になっていた。上に目をやると、まだ朝なのか夜なのかはっきりと示してくれない冬の朝独特の空をしていた。
冷たい空気が出来るだけ触れないようにダウンジャケットで肌を隠した私の体は、そのままスクールバスへ乗り込み、学校へと向かった。
卒業研究の口頭試問があった。原宿でKENTAのサイン
感情電車 #19 「走れ」
2019年11月20日。五年間の高専生活が終焉を迎えようとしていた秋。高専卒業後の進路先を決めるために私は三つの大学の三年次編入試験を受ける予定だった。
早速一つ目が落ちた。試験を受けてみて落ちた感触があったので、合格者一覧の中に私の受験番号がなかった時はあまり落ち込まなかった。だが、確かに焦りがあった。
来週には、残りの二校を立て続けに受験する予定だった。一週間という残された時間を前に私ができる
感情電車 #18 「CHERRY BOY MEETS GIRL」
2019年8月下旬の東京は熱かった。アメリカのインディーシーンで最も勢いのあるプロレス団体・GCWの日本公演2連戦が新木場1st RINGが行われるのだった。更に、その翌日には、マイケル・エルガン対関本大介というドリームマッチをメインイベントに控えた大日本プロレス後楽園ホール大会が行われる予定だった。夢のようなプロレスウィークだった。東京へ行かない訳にはいかなかった。
私は高専卒業後は就職ではなく
感情電車 #12 「The Show Goes On」
私はあの時、意地でも一人で海外に行ってプロレスを見てやると心に誓った。母に怒鳴られたあの時だ。
事業の失敗を繰り返す父と離婚した母は、一家の四人目として生んだ私を女手一つで育ててくれた。私が中学生になった頃には既に三人の娘達が社会に旅立っており、経済的にも精神的にも少し余裕が見えてきた。私を片親で育ててしまったことで自責の念に駆られていた母は、「4人姉弟の中であんただけ塾一つ通わせることができな