ただ響くだけ

カシャカシャ

その音は奏でるだけ

カシャカシャ

その音は響くだけ

いつもの空と

いつもの雲と

重なりあい

いつものまにか

そこには

なにもなくなった

カシャカシャ

その音は奏でるだけ

カシャカシャ

その音は響くだけ

いつもの風景と

いつもの景色と

それは

軽薄な関係の

形式張ったものに

過ぎず

ただ

いつまでも

その論理の渦の中に

入り込む

カシャカシャ

その音は奏でるだけ

カシャカシャ

その音は響くだけ

行き交う人々の

顔色を伺いながら

その日々の景気の中に

入り込む

理屈ではなく

理論で話し

その

フォルムを

いつまでも

輪郭だけが

光輝く

その

愛おしさに

何度も

何度も

音が響く

カシャカシャ

その音は奏でるだけ

カシャカシャ

その音は響くだけ

カシャカシャ

その音は奏でるだけ

カシャカシャ

その音は響くだけ

そう

ただ

響くだけ