マガジンのカバー画像

言葉のテリーヌ

167
色とりどりの言葉を僕の好みで集めてみました。
運営しているクリエイター

2020年10月の記事一覧

幡野広志さんへ。

幡野広志さんへ。

はじめまして。はると申します。
以前、旦那のDVに苦しみ別居を決意したnoteを書いたとき、幡野さんが読みに来てくださりTwitterでシェアをしてくれたおかげで、たくさんの方がnoteを読んでくださり、サポートやコメント、シェアという形で応援してくださったことがありました。別居を決意できたのも幡野さんの書籍の言葉に後押しされた部分が大きかったので、今でもそのことを心から感謝しております。

今回

もっとみる

おなかいっぱいになるまで

久しぶり!そろそろご飯に行きませんか?

少し前、ずっと会っていなかった高校時代の友達から連絡をもらった。これまで定期的に会っていたのだけれど、今年の春に計画していた旅行を中止して以来、もう半年以上も顔を合わせていない。久しぶりに会えると思うと嬉しくて、「ぜひ」とにっこりと笑うマークをつけて返事をすると、すぐに返信があった。

ここ、どうかな?ふたりの家のちょうど間くらいだし

ぽろん、という着信

もっとみる
優しくなりたい

優しくなりたい

他人に冷たく接したら、冷たさが返ってくる。

そんなことわかりきっていて、冷たい反応がくれば自分がしんどくなるとわかっているのに、会社の人に温かく接する余裕がもてないでいる。
ここ1ヵ月くらいずっとだ。
ほっておいたら元に戻るだろうと心の赴くに任せていたら、1ヵ月も経ってしまっていた。

理由なんてわからない。
いや、嘘だ。わかっている。
あの人の言い方にかちんときた、この人の言い方が嫌だったと大

もっとみる
怒りすぎて頭から耳から煙が出た日。

怒りすぎて頭から耳から煙が出た日。

もの凄く怒っていた。
怒りのあまり自分のすべきこと(運動だとか、夕飯作りとか、掃除とか)がぼんやりとして 意識すら向けられないくらい。ホントに久し振りだ、ここまで怒ってるのって。さぁ、怒りの原因を探さなきゃ。

まず一つ目。確実に連絡して予定したはずの電気工事のひとがこなかった。問い合わせ番号は繋がらないしメッセージを残しても連絡が来ないし。アメリカの工事関係のひとのいい加減さにはこれでも大分慣れ

もっとみる
秋を探して

秋を探して

お風呂から上がると、いつも眠気がとろりと忍び寄る。身体が心地よく重たくなってきて、まだ濡れたままの髪の毛を気にしながら、少しだけ、とソファに横になる。

このまま寝てしまいたい、と思う自分と、まだまだすることはあるんだぞ、と思う自分がせめぎあう。会社では眠たくなってもあくびをかみ殺してパソコンに向かえるのに、お風呂上がりの眠気にはどうしても抗えない。肌にぴたりと吸い付くようなソファの革の冷たさが心

もっとみる
私が欲しい「時間効率以外」のもの

私が欲しい「時間効率以外」のもの

オットとはそうそう意見の対立はみないし、むしろ大事にしているところは似ている。お互いに特に避けているものは時間を無駄にするもの、か。
ただ、なにを無駄とするかどうか、ちょっと細かい所には差違がある。ほんとうはそここそ、充分話すべきことなのだろうけど、会話少ないんだよね、うちw

子供達とアルバイトの話をしたことがある。
うちの子たちは通っていた公文教室で、バイトが出来るようになる16歳(まぁ、15

もっとみる

水色に滲む

社会人一年目のちょうど今頃、毎日ポストを覗いてはある手紙の到着を待っていた。四辺がほんのり日焼けしたようなデザインで、差出人は「自分」の白い封筒。まだくっきりとその姿を思い出せるのだから今更驚くことなんてないはずなのに、本当に毎日、今か今かと待っていた。



大学四年生のちょうどこの時期、内定式に出席するために初めてひとりで東京を訪れた。晴れやかな気持ちで出席するもの、と知ってはいたけれど、就

もっとみる