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日々の思考と記録

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毒にも薬にもならないけれど、身体に染み込むように、思ったこと、考えたことを自分の言葉で書きます。拙くたって、伝わらなくたって、真摯に書く。
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#対話

助けを借りること

助けを借りること

昨日観たプリズン・サークルの映画が、まだ自分の中で余韻を残しています。

僕達は、自分では自分のことをわかっていると思っています。 けれど、自分がなぜ行為するのか、発言するのかということを本当はわかっていないのでしょう。

自信を持っていた一言ですら、素朴な疑問で容易く揺らいでしまう。それはわかっていなかったから。あるいは、目を背けていたから。

ただ、それって別に犯罪をしてしまった人に限った話じ

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理想に縛りつけられる

「対話が大事」と言いながら、話を聞かない人と出会いました。

それを目の当たりにした時に、僕は苛立ちよりもドキッとしました。これは他人事ではないぞ、ということです。

なんでもいいのだけど、「コレ!」というものを自分の中に持った時、それは僕達に推進力を与えてくれると同時に、その理想に縛りつけられる。「これはいいものだ」という盲目的な信心が、矛盾や違和感から目を背けさせる。

当事者でないにも関わら

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だれかが走り出すのを待つのはもうやめだ

だれかが走り出すのを待つのはもうやめだ

 僕にとって「伴走」という言葉はとても大事なものです。
 これはnoteでも何度か書いてきました。

 マラソンのタイムキーパーのように、一緒に走る。だけど、最後はランナーを送り出す。
 コーチのように安全なところから声をかけるのではなく、沿道から無責任に応援するのでもなく、共に走っていくことが大事なのです。

 けれど、最後にゴールを目指すのはあなただから、あなたが止まるなら僕も止まりましょう。

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言うに値する人

言うに値する人

 仕事上の付き合いの人がなぜか怒っていて、話を聞いていたら共通の知人についての憤りを聞かされました。

「もう、あの人にはなにを言っても無駄だ」とへそを曲げていました。
「言う価値もない」とは、わかりあうことの拒絶なので、聞いていて悲しい気分になりました。

 それとは別件で、最近行ったワークショップについて立て続けにご意見をもらいました。ワークショップで新しいことに挑戦した結果に対するフィードバ

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読書会『世界は贈与でできている』

読書会『世界は贈与でできている』

7/9『世界は贈与でできている(近内悠太)』の読書会を行いました。

 僕自身、この本に感銘を受けると共に、ところどころ疑問に思う部分があり、その内容を他者の視点や意見を通して、読み解きたい気持ちが芽生え、開催に至りました。

 読書会はリアルとオンラインのハイブリッド形式で行い、計7名で開催しました。

 各自1冊ずつ用意してもらい、第1章を音読しながら回し読みし、その後対話形式で意見交換をして

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心地良さの発生点

心地良さの発生点

 今日はファシリテーター役をやらせてもらって、また良い経験をさせてもらった。その中で、参加者の感想で「心地良かった」という声があった。

 心地良さはどこから生まれるのだろう?

 答えはわからない。わからない前提に立った上で、考えてみたい。
 まず、心地良さとは言い換えれば、「自分が大事にされていると感じる」ことだと思う。

 では、どうしたら相手にそう感じてもらえるかだ。
 具体的なことを挙げ

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なにを守りたいのか

なにを守りたいのか

 わかっているんだけど、なかなか仕事を他人に振れない。
 今日話している中で、そんな話が出て、思わず考え込んでしまった。

 その人は「責任感」だと言った。
 責任感ゆえに、全部ちゃんとやらなければいけない。
 その思考が土台にあるからこそ、人に任せるより自分がやった方がよくなる。

 僕はその時言葉が思いつかなくて、なにも言えなかったけれど、今になって疑問が湧いてきた。なにに対する責任なのだろう

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被害者にも加害者にもならない

被害者にも加害者にもならない

 結構辛辣な言葉をかけられた。ただ、理屈としては間違っていないし、相手なりの思いやりがあるのはわかったので、ただただへこんでいた。

 そのへこんだ部分が時間と共に、元に戻りつつある。自分の感情に整理がついたら、また目の前のことに取り組むだけだ。

 相手を加害者にしない。
 ここ数年で学んだことだ。たとえ自分が傷ついたのだとしても、相手に悪意があったとは限らない。わかりあう努力をしてからでも遅く

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対話の環境

対話の環境

 対話は、それまでの自分にはなかった視点や意見を取り入れ、変容していくための有効な手段だ。近年「対話」の単語をよく聞くようになっている。

 ただ、対話を欲している時に、その機会が与えられるとは限らない。だから、常日頃から対話をできる時間や相手を確保して、環境を整えておく必要がある。

 たとえば、自分にとって気がかりな課題がある時に、第三者からの意見はもとより、話すことによって思考を整理したい。

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ボタンかけ違ったら直せばいい

ボタンかけ違ったら直せばいい

 毎日熱を測る習慣がついて、びっくりしたのは35.8℃とか出ることだ。

 小学生の頃は平熱が37℃だった僕にとって、以上な数字だ。ただ、ヨガを始めた頃も実は同じような体温が低くなっていた。今は食生活にも気を使っているし、身体を動かしているのでおかしいと思っていた。

 約1ヶ月経ってから、突然36.6℃になった。不思議に思っていたら、それまでは体温計がちゃんと脇に挟まっていなかっただけだった。

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高を括るな、源泉はその先だ

高を括るな、源泉はその先だ

 僕が対話をするのは、その人の源泉を知りたいからだな。そう思った。

 対話を通して自分が変化する、アイディアが生まれる、人間関係が深まっていく。そうした様々な効能はあるが、元を辿っていくと求めているのは、その人の存在というか、あり方に僅かでも触れられるからだ。生命のエネルギーの根源みたいなものに触れるとこちらも揺さぶられる感覚があるのだ。

 簡単に繋がれる環境が整っているからこそ、僕達は世間体

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いつも言葉を探している

いつも言葉を探している

 以前参加したオンラインの会の動画で、自分が話している姿を見た。意見を言いながらもあっちこっちへと視線を移動していた。挙動不審とまでは言わないが、落ち着きがないように見えた。

 なにかに似ているなと思ったら、探し物をしている時に似ていた。
 上へ下へ右へ左へと目を動かし、なかなか定まらずにまた別の場所へと移動させる。そうしながらもたどたどしく言葉を紡いでいた。

 それを見た瞬間、なるほどと腑に

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否定するなら寄り添えよ

否定するなら寄り添えよ

「嫌なら代案出せよ」
 人と人が話し合う場におけるこの台詞は、力強く、とても冷たい。反対意見をねじ伏せ、自分の意見を押し通すには最適な言葉だ。

 けれど、その先にあまり良い未来は見えない。なぜ話し合いするのかといえば、そこに集まった人の力を結集して、1人では導き出せなかった答えに辿り着くためだと思う。

 押し通した後に残るのは、分配された責任と感情のしこりだ。そして、上手くいかなかった不満が爆

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一緒に成そうとするならば

一緒に成そうとするならば

 ちゃんとした基盤を築いておく重要さを感じている。

 少しでも速く、高く積み上げていきたい欲求が出てくるのだけど、事を急ぐとバランスを崩して倒れてしまう。

 根本から折れてしまわないためにも、土台部分はしっかりと固めておかなければいけない。
 この人とは長年過ごして、考え方がわかっていると思っても、一緒になにかを成そうとするならば、きっちり時間をとって、芯の部分を共有する。

 今日じっくり話

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