根本きこ

沖縄北部、今帰仁村で「波羅蜜(パラミツ)」という飲食店を営んでおります。パラミツとは、…

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沖縄北部、今帰仁村で「波羅蜜(パラミツ)」という飲食店を営んでおります。パラミツとは、沖縄の言葉でジャックフルーツを指します。 営業日は金、土、日、月 11:30ー15:30(L.O) https://www.instagram.com/paramitaplate/

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「やろうやろうと思ってたことをやり遂げた日」

昨日は、何年も持ち越して「いつか」という事を、ふたつ、やり切った日だった。 ひとつは、しばらく寝かせていた生地、インドのブロックプリントでパンツを縫った。 チェン…

根本きこ
5日前
49

「リリスと太陽」

近所のスリランカカレー屋さんに久しぶりに行った。 店の壁には手食を推奨するイラストのポスターがあちこちに貼ってあり、おかげで心ゆくまで手で食べることを愉しんだ。 …

根本きこ
10日前
36

「お好み焼き」

先日のこと。 明石出身の友人のつくったお好み焼きがほんとに美味しかったので、俄然、作り方のコツを聞く。 「コツ?えー、てきとう」とか言いながら、そこにはちゃんとコ…

根本きこ
2週間前
71

「カレー、ときどき水餃子」

2021年に出版した本、「カレー、ときどき水餃子」の重版が決まった。 思い返せば発売日間近の頃、たまたまタイムウェーバーのセッションをする機会があり、「なにか叶…

根本きこ
1か月前
58

「骨になる現実」

中風邪(大風邪に対して)をこじらせたまま、10日くらい経過。 途中、ゆるやかに回復しては、また発熱の波を数回繰り返して、いま。 明日はだいじな行事(子どもたちが通…

根本きこ
1か月前
59

「話す=放す」

「やっと全部やること終わった」とか、「あー暇だ」とか、とにかくぽっかり時間が空いたとき、わたしは酒を片手に屋上階へ向かう。 逆に忙しいときは、そこへ行ってもささ…

根本きこ
2か月前
72

「骨の髄まで曖昧だった」

なんとなく流れから、その夜は近所のレストランで同席したカルフォルニア在住、日系アメリカ人女性の手相を観ることに。 青白くてほっそりしているその手には、水星線がひ…

根本きこ
2か月前
44

「子どもと働く」

日曜日、子どもといっしょに店に立つ。 18歳の長男と15歳の長女、ふたりの背丈はとうにわたしを超した。 フロアーで、お客さんと接している様子をチラと垣間みては、「…

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2か月前
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「2024/3/26/寺尾紗穂ライブ@パラミツ」

昨年末に開催された、寺尾紗穂「ブルーローズコンサート」のアーカイヴ映像を、BGM代わりに繰り返し見ている。 CDとは違い、曲のあいだに紗穂さんのMCが入るので、ファンと…

根本きこ
2か月前
66

「星目線からの補足」

17歳だった息子が先月末、首尾よく18歳になった。 18歳て、世間じゃ成人らしい。 まぁ、いくつになろうと彼の気質は生まれたときからなんら変わっておらず、おっと…

根本きこ
3か月前
50

「いらだちからの謎からの諦めに至るまで」

何ヶ月にも渡って注意喚起している案件が再浮上して不愉快この上ないので、営業時間内ではありますが、共栄堂の白を自己判断で粛々と開栓し、あえてワイングラスではなく計…

根本きこ
3か月前
58

「おばんざいと手相」

あたらしい試みというのは、ほんとに学びがあるものだ。 自分の「今」持っている腕前を試すということは、「やりたい6割」VS「やりたくない(躊躇する)4割」くらいの割…

根本きこ
3か月前
56

「餃子のあたらしさ」

通常の喫茶営業のほかに、「第三水曜日は水餃子の日」という夜の営業を始めて丸三年が経った。 前日、子どもたちと餃子を四百個ほど包むのだけれど、その時間がなかなかよ…

根本きこ
3か月前
53

「台所スポンジはこれ1択」

声を大にして言いたいです。 食器洗いスポンジは、ぶっちぎりでヘチマが1番。 洗剤を使わなくとも油汚れがよく落ちる。それもお湯ではなく水でじゅうぶん。 辣油の小皿だ…

根本きこ
3か月前
105

「はんぺんとハート」

今年はなんだか、正月の体感が薄かった。 気温や時間の流れ方が関係しているんだろうか。 いつも最後の最後に歯車がふわっと合って、なんとか「元旦」にスライド出来るんだ…

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4か月前
50

「カラオケがあれば」

みちくさ牧場のクリスマス会が、今年も波羅蜜でとり行われた。 毎年恒例、季節の行事。 こどもとおとな、合わせて50人。て、なかなかの大所帯である。 料理は持ち寄り、…

根本きこ
4か月前
48
「やろうやろうと思ってたことをやり遂げた日」

「やろうやろうと思ってたことをやり遂げた日」

昨日は、何年も持ち越して「いつか」という事を、ふたつ、やり切った日だった。
ひとつは、しばらく寝かせていた生地、インドのブロックプリントでパンツを縫った。
チェンナイのanokhiで買ったゆるーいトランクスタイプのパンツが最高で、生地も柔らかくて軽くて羽のようで気に入っている。
それを着倒さないように気をつけていたけど、いよいよ心持たなくなってきて、生地が透けてきた、というかむしろ溶けてきてはいな

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「リリスと太陽」

「リリスと太陽」

近所のスリランカカレー屋さんに久しぶりに行った。
店の壁には手食を推奨するイラストのポスターがあちこちに貼ってあり、おかげで心ゆくまで手で食べることを愉しんだ。
マグロのほそい骨を右手の指で取り除き、適量の赤レンズ豆のパリップ、ココナッツのサンボーラを手ぐり寄せ、さらさらのバスマティライスと速やかに混ぜる。追って、くたくたの茄子のモージュと水菜のマッルンをアクセントに。
ああ、手で食べるよろこびよ

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「お好み焼き」

「お好み焼き」

先日のこと。
明石出身の友人のつくったお好み焼きがほんとに美味しかったので、俄然、作り方のコツを聞く。
「コツ?えー、てきとう」とか言いながら、そこにはちゃんとコツがあった。本人はきっとわからない、他人が見て、「お!」と気づくこと。

わたしはこれまで何度もお好み焼きを作ってきた。
しょうじて無精なので、本やネットは見ず、すなわち我流である。
しいて言えば、たまに行くローカルな雰囲気がほどよいお好

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「カレー、ときどき水餃子」

「カレー、ときどき水餃子」

2021年に出版した本、「カレー、ときどき水餃子」の重版が決まった。

思い返せば発売日間近の頃、たまたまタイムウェーバーのセッションをする機会があり、「なにか叶えたいことはありますか」との質問に、「あわよくば重版!」と言った記憶がある。

あれから3年。

今年のはじめに、「重版するかもしれません」という淡い知らせを版元から受けた際、そのための条件というか、とにかく版を重ねるにあたって、「(わた

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「骨になる現実」

「骨になる現実」

中風邪(大風邪に対して)をこじらせたまま、10日くらい経過。
途中、ゆるやかに回復しては、また発熱の波を数回繰り返して、いま。
明日はだいじな行事(子どもたちが通う牧場のお祭り)があるので、そのためにふつかを費やして身体を休めた。甲斐あって、「ビールが飲みたいな」と思えるくらいによくなっている。
身体はほんとうに偉い。意識を傾ければちゃんと「その日」に合わせて調整をしてくれる。

風邪の10日間の

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「話す=放す」

「話す=放す」

「やっと全部やること終わった」とか、「あー暇だ」とか、とにかくぽっかり時間が空いたとき、わたしは酒を片手に屋上階へ向かう。
逆に忙しいときは、そこへ行ってもささっと用事だけ済ませて挨拶もろくにせずに階段を下る。

このあいだはロゼを1本持って階段を登った。引き戸をガラガラと開けたら、そこはもう実家だ。でかいテレビがあり、ミニミニ仏壇があり、こけしがあり、ミックスナッツが常備されている。
この家の住

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「骨の髄まで曖昧だった」

「骨の髄まで曖昧だった」

なんとなく流れから、その夜は近所のレストランで同席したカルフォルニア在住、日系アメリカ人女性の手相を観ることに。
青白くてほっそりしているその手には、水星線がひと際くっきりと現れていて、でもその先に続く小指はくにゃりと曲がっている。
ということは、「表向きはすごくシャイでコミュニケーション引き気味なんだけど、内面はめちゃめちゃ頑張ってる」
そんなふうに観ることができる。
さながら興味深いのは、「ま

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「子どもと働く」

「子どもと働く」

日曜日、子どもといっしょに店に立つ。
18歳の長男と15歳の長女、ふたりの背丈はとうにわたしを超した。
フロアーで、お客さんと接している様子をチラと垣間みては、「よし」と確かめる。

遡ること開店当初、幾度か長男に「手伝ってみる?」と聞いてみたけど、なんなら彼のためにあたらしいエプロンやシャツも用意したけど、本人は一向に気乗りしないようだった。
ま、無理にやってもらってもお互い良いことはないのです

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「2024/3/26/寺尾紗穂ライブ@パラミツ」

「2024/3/26/寺尾紗穂ライブ@パラミツ」

昨年末に開催された、寺尾紗穂「ブルーローズコンサート」のアーカイヴ映像を、BGM代わりに繰り返し見ている。
CDとは違い、曲のあいだに紗穂さんのMCが入るので、ファンとしてはなんとも耳福である。

そんな紗穂さんのしゃべりを聞いていた末っ子が、「このひとってさ、いつも泣きそうだねー」と言った。
そういえば確かに、ぽつりぽつりと途切れ気味の独特の話し方は、聞きようによっては、まるで今にも降り出しそう

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「星目線からの補足」

「星目線からの補足」

17歳だった息子が先月末、首尾よく18歳になった。
18歳て、世間じゃ成人らしい。

まぁ、いくつになろうと彼の気質は生まれたときからなんら変わっておらず、おっとりしていて食いしん坊、思いつきや閃きを試したくてうずうず、それがうまくハマったら寝食忘れて没頭する。

で、それらの性質をホロスコープで当てはめていくと、面白いくらいに合点がいく。

ところで、このひとつまえに投稿した記事に出てくる「俺」

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「いらだちからの謎からの諦めに至るまで」

「いらだちからの謎からの諦めに至るまで」

何ヶ月にも渡って注意喚起している案件が再浮上して不愉快この上ないので、営業時間内ではありますが、共栄堂の白を自己判断で粛々と開栓し、あえてワイングラスではなく計量カップで2杯飲んだらちょっと落ち着いた。

で、「ふー」って数回、深く呼吸したらお腹が空いた。
なのでこれまた旨い炊き立ての「ヤーマンライス」(福岡うきは市で寺口くんが作っている米)を小盛りによそい、冷凍庫にしばらく寝かせておいた長崎五島

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「おばんざいと手相」

「おばんざいと手相」

あたらしい試みというのは、ほんとに学びがあるものだ。
自分の「今」持っている腕前を試すということは、「やりたい6割」VS「やりたくない(躊躇する)4割」くらいの割合で、少しだけ「やりたい」がまさっているからやる。

わたしの場合は、いつもそんなふう。

宗像堂の「宗像発酵研究所」で催した、「おばんざいとひとくち手相」は、おばんざいだけだったらそれなりにやってきた「料理」のことなので心づもりはあるけ

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「餃子のあたらしさ」

「餃子のあたらしさ」

通常の喫茶営業のほかに、「第三水曜日は水餃子の日」という夜の営業を始めて丸三年が経った。
前日、子どもたちと餃子を四百個ほど包むのだけれど、その時間がなかなかよい♡

均等に分けた生地を綿棒で丸め、粉を打ってのばす。
竹ベラですくった肉餡を皮に収まりよく置き、手のひらと指先を使って餃子の口をキュッと結ぶ。
延々とその動きの繰り返し。だけど、疲れることはあっても不思議と飽きることはない。餃子のぷっく

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「台所スポンジはこれ1択」

「台所スポンジはこれ1択」

声を大にして言いたいです。
食器洗いスポンジは、ぶっちぎりでヘチマが1番。

洗剤を使わなくとも油汚れがよく落ちる。それもお湯ではなく水でじゅうぶん。
辣油の小皿だって、ベーコンの油だって、しつこい汚れもヘチマにかかれば瞬く間に分解。

しかし潤ちゃんは、未だに「ヘチマ」に対して拭いきれない偏見があるようで、それはきっと「ヘチマあたま」に形容されるように、ヘチマのイメージがいささかへっぽこであるの

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「はんぺんとハート」

「はんぺんとハート」

今年はなんだか、正月の体感が薄かった。
気温や時間の流れ方が関係しているんだろうか。
いつも最後の最後に歯車がふわっと合って、なんとか「元旦」にスライド出来るんだけど。
でも、やることは同じです。
〆縄を入り口に飾り、大掃除後に孤軍奮闘のおせち作り。
元旦から大勢の友人が来るのは承知だったから、「よーしやるか」と腕まくり。
季節ごとであるこの行為、「せっかくだから」と、自分がどんな心境でお節を作っ

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「カラオケがあれば」

「カラオケがあれば」

みちくさ牧場のクリスマス会が、今年も波羅蜜でとり行われた。
毎年恒例、季節の行事。
こどもとおとな、合わせて50人。て、なかなかの大所帯である。
料理は持ち寄り、お題は3年続けて「中華」。
「中華、ちゅうかーーーーーっ!いったい何作ればいいの?」と、頭を抱えた親たちにアッコは、「中華はね、にんにく生姜、ごま油入れれば何でもそれっぽくなるから難しく考えない!」と一喝した。
御意。

当日は、それはそ

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