根本きこ

沖縄北部、今帰仁村で「波羅蜜(パラミツ)」という飲食店を営んでおります。パラミツとは、…

根本きこ

沖縄北部、今帰仁村で「波羅蜜(パラミツ)」という飲食店を営んでおります。パラミツとは、沖縄の言葉でジャックフルーツを指します。 営業日は金、土、日、月 11:30ー15:30(L.O) https://www.instagram.com/paramitaplate/

最近の記事

「お好み焼き」

先日のこと。 明石出身の友人のつくったお好み焼きがほんとに美味しかったので、俄然、作り方のコツを聞く。 「コツ?えー、てきとう」とか言いながら、そこにはちゃんとコツがあった。本人はきっとわからない、他人が見て、「お!」と気づくこと。 わたしはこれまで何度もお好み焼きを作ってきた。 しょうじて無精なので、本やネットは見ず、すなわち我流である。 しいて言えば、たまに行くローカルな雰囲気がほどよいお好み焼き屋さんの味をイメージしているのだが、あるときそこのご主人に「どうしてもここ

    • 「カレー、ときどき水餃子」

      2021年に出版した本、「カレー、ときどき水餃子」の重版が決まった。 思い返せば発売日間近の頃、たまたまタイムウェーバーのセッションをする機会があり、「なにか叶えたいことはありますか」との質問に、「あわよくば重版!」と言った記憶がある。 あれから3年。 今年のはじめに、「重版するかもしれません」という淡い知らせを版元から受けた際、そのための条件というか、とにかく版を重ねるにあたって、「(わたしに)売る気があるかないか」というような意思確認があった。 タイムウェーバーのと

      • 「骨になる現実」

        中風邪(大風邪に対して)をこじらせたまま、10日くらい経過。 途中、ゆるやかに回復しては、また発熱の波を数回繰り返して、いま。 明日はだいじな行事(子どもたちが通う牧場のお祭り)があるので、そのためにふつかを費やして身体を休めた。甲斐あって、「ビールが飲みたいな」と思えるくらいによくなっている。 身体はほんとうに偉い。意識を傾ければちゃんと「その日」に合わせて調整をしてくれる。 風邪の10日間のあいだに寺尾紗穂さんのライブがあった。 その日も朝から動けるくらい身体はつかのま

        • 「話す=放す」

          「やっと全部やること終わった」とか、「あー暇だ」とか、とにかくぽっかり時間が空いたとき、わたしは酒を片手に屋上階へ向かう。 逆に忙しいときは、そこへ行ってもささっと用事だけ済ませて挨拶もろくにせずに階段を下る。 このあいだはロゼを1本持って階段を登った。引き戸をガラガラと開けたら、そこはもう実家だ。でかいテレビがあり、ミニミニ仏壇があり、こけしがあり、ミックスナッツが常備されている。 この家の住民、すなわちわたしの両親はいつだって時間だけは有り余っているので、わたしの突然の

        「お好み焼き」

          「骨の髄まで曖昧だった」

          なんとなく流れから、その夜は近所のレストランで同席したカルフォルニア在住、日系アメリカ人女性の手相を観ることに。 青白くてほっそりしているその手には、水星線がひと際くっきりと現れていて、でもその先に続く小指はくにゃりと曲がっている。 ということは、「表向きはすごくシャイでコミュニケーション引き気味なんだけど、内面はめちゃめちゃ頑張ってる」 そんなふうに観ることができる。 さながら興味深いのは、「ます掛け」だったこと。線こそ薄いが、知能線と感情線がよくみるとくっついている。 ま

          「骨の髄まで曖昧だった」

          「子どもと働く」

          日曜日、子どもといっしょに店に立つ。 18歳の長男と15歳の長女、ふたりの背丈はとうにわたしを超した。 フロアーで、お客さんと接している様子をチラと垣間みては、「よし」と確かめる。 遡ること開店当初、幾度か長男に「手伝ってみる?」と聞いてみたけど、なんなら彼のためにあたらしいエプロンやシャツも用意したけど、本人は一向に気乗りしないようだった。 ま、無理にやってもらってもお互い良いことはないのです。 「思惑通りはいかないもんだね!」と、わたしも潤ちゃんも早々に諦めた。 その

          「子どもと働く」

          「2024/3/26/寺尾紗穂ライブ@パラミツ」

          昨年末に開催された、寺尾紗穂「ブルーローズコンサート」のアーカイヴ映像を、BGM代わりに繰り返し見ている。 CDとは違い、曲のあいだに紗穂さんのMCが入るので、ファンとしてはなんとも耳福である。 そんな紗穂さんのしゃべりを聞いていた末っ子が、「このひとってさ、いつも泣きそうだねー」と言った。 そういえば確かに、ぽつりぽつりと途切れ気味の独特の話し方は、聞きようによっては、まるで今にも降り出しそうな雨、のよう。 水をたっぷりと含んだ海綿。ラムをふんだんに浸み込ませたサヴァラ

          「2024/3/26/寺尾紗穂ライブ@パラミツ」

          「星目線からの補足」

          17歳だった息子が先月末、首尾よく18歳になった。 18歳て、世間じゃ成人らしい。 まぁ、いくつになろうと彼の気質は生まれたときからなんら変わっておらず、おっとりしていて食いしん坊、思いつきや閃きを試したくてうずうず、それがうまくハマったら寝食忘れて没頭する。 で、それらの性質をホロスコープで当てはめていくと、面白いくらいに合点がいく。 ところで、このひとつまえに投稿した記事に出てくる「俺」とは、息子のことではない。 なんだか濡れ衣を着せちゃったようで申し訳ない気持ちに

          「星目線からの補足」

          「いらだちからの謎からの諦めに至るまで」

          何ヶ月にも渡って注意喚起している案件が再浮上して不愉快この上ないので、営業時間内ではありますが、共栄堂の白を自己判断で粛々と開栓し、あえてワイングラスではなく計量カップで2杯飲んだらちょっと落ち着いた。 で、「ふー」って数回、深く呼吸したらお腹が空いた。 なのでこれまた旨い炊き立ての「ヤーマンライス」(福岡うきは市で寺口くんが作っている米)を小盛りによそい、冷凍庫にしばらく寝かせておいた長崎五島産の塩雲丹の瓶詰めを取り出して、まだカチンコチンに凍っているそれをスプーンでなん

          「いらだちからの謎からの諦めに至るまで」

          「おばんざいと手相」

          あたらしい試みというのは、ほんとに学びがあるものだ。 自分の「今」持っている腕前を試すということは、「やりたい6割」VS「やりたくない(躊躇する)4割」くらいの割合で、少しだけ「やりたい」がまさっているからやる。 わたしの場合は、いつもそんなふう。 宗像堂の「宗像発酵研究所」で催した、「おばんざいとひとくち手相」は、おばんざいだけだったらそれなりにやってきた「料理」のことなので心づもりはあるけど、「手相」となると、なんせ目下勉強中ですし、人様の手をその場でみて何かを言う、

          「おばんざいと手相」

          「餃子のあたらしさ」

          通常の喫茶営業のほかに、「第三水曜日は水餃子の日」という夜の営業を始めて丸三年が経った。 前日、子どもたちと餃子を四百個ほど包むのだけれど、その時間がなかなかよい♡ 均等に分けた生地を綿棒で丸め、粉を打ってのばす。 竹ベラですくった肉餡を皮に収まりよく置き、手のひらと指先を使って餃子の口をキュッと結ぶ。 延々とその動きの繰り返し。だけど、疲れることはあっても不思議と飽きることはない。餃子のぷっくりとした形、すべすべの赤ちゃんの肌のような生地の感触。 ひとつひとつがいちいちあ

          「餃子のあたらしさ」

          「台所スポンジはこれ1択」

          声を大にして言いたいです。 食器洗いスポンジは、ぶっちぎりでヘチマが1番。 洗剤を使わなくとも油汚れがよく落ちる。それもお湯ではなく水でじゅうぶん。 辣油の小皿だって、ベーコンの油だって、しつこい汚れもヘチマにかかれば瞬く間に分解。 しかし潤ちゃんは、未だに「ヘチマ」に対して拭いきれない偏見があるようで、それはきっと「ヘチマあたま」に形容されるように、ヘチマのイメージがいささかへっぽこであるのが原因だと思う。 そういう人、きっと多いのではないか。 もしくは、「自然素材が過

          「台所スポンジはこれ1択」

          「はんぺんとハート」

          今年はなんだか、正月の体感が薄かった。 気温や時間の流れ方が関係しているんだろうか。 いつも最後の最後に歯車がふわっと合って、なんとか「元旦」にスライド出来るんだけど。 でも、やることは同じです。 〆縄を入り口に飾り、大掃除後に孤軍奮闘のおせち作り。 元旦から大勢の友人が来るのは承知だったから、「よーしやるか」と腕まくり。 季節ごとであるこの行為、「せっかくだから」と、自分がどんな心境でお節を作っているのかを観察してみた。 作業中に、ふと我にかえる。また没頭して、ふと我にかえ

          「はんぺんとハート」

          「カラオケがあれば」

          みちくさ牧場のクリスマス会が、今年も波羅蜜でとり行われた。 毎年恒例、季節の行事。 こどもとおとな、合わせて50人。て、なかなかの大所帯である。 料理は持ち寄り、お題は3年続けて「中華」。 「中華、ちゅうかーーーーーっ!いったい何作ればいいの?」と、頭を抱えた親たちにアッコは、「中華はね、にんにく生姜、ごま油入れれば何でもそれっぽくなるから難しく考えない!」と一喝した。 御意。 当日は、それはそれは見事な中華のビュッフェ(だったと思われる)。 というのは、最後尾(呑み専)の

          「カラオケがあれば」

          「自分のことってよくわからんから妹に聞いてみて」

          妹とは、わたしが実家を出る18歳までひとつ屋根の下で暮らしたわけで、歳の差を引くと16年の同居生活、今年で46年のお付き合い、という歴史と実績がある。 (多動で不埒な)ティーンエイジャー時代をよく知っている妹からすれば、「おねーちゃん、すっかり丸くなったよねー」。 きっとそう言うに違いない。 それにしても、兄弟姉妹(親も然り)は、どういうマッチングでいっしょに住んでいるかといえば、「だって家族だから」という、マッチもなにもこちらの意思は全無視である。おまけにふたり姉妹であい

          「自分のことってよくわからんから妹に聞いてみて」

          「宗像堂20周年アニバーサリー」

          年明け1月30日(火曜日)に、宜野湾の宗像発酵研究所(「宗像堂」の手前)で、「おばんざいとひとくち手相」を開催します。 大分耶馬溪より、「サルディナス」の香内りつこさんがおばんざいを、宏文さんは話題の日本ワインを中心に、肴に合うお酒をご用意。 波羅蜜は、自家製果実酒のサワーやノンアルドリンク、合わせておばんざいも拵えます。 16時より、ゆるゆるっとやってますので、どうぞ一杯、二杯三杯。 (21時迄) 手相はわたくし、目下勉強中の身でありますゆえ、「ひとこと」ならぬ「ひとくち

          「宗像堂20周年アニバーサリー」