「よろしく遺伝子」
肉体は所詮いれものよ、と言ってはみても、ね。
このなかにたましいはないのだと、まじまじと亡きがらを覗き込む。
きっと彼女は今頃この辺りに居るよね、ってキョロキョロしてみる。
が、見えない。わたしには未だ見えない。そーゆーもんだけど、彼女はわたしの可視領域を超えたところに居る。
遺影写真に目をやる。何年前の写真かなー、随分と若いの使われてるよ!って写真に向かって話す。
これからはメールをしても返ってこない。そーゆーもんだけど、とてつもなく寂しくて、顔の真ん中が熱くなる。涙が出る