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速読では読み取れないモノ

昨日に引き続き、ビジネス書を中心とした読書に関する記事となります。

最後までお付き合いいただけると幸いです。

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さて、読書の仕方は人それぞれです。

ですから、速読といった速く読む技術を使って読みたい方は、ご自身でそう選択すればよいのであって、たまに存在する「読むのが遅いやつはダメだ‼」といった思想の持ち主の主張が今一つ理解できません。

速く読む技術は、時間短縮という利点だけでなく、理解度の向上や情報収集能力の向上など、多くの恩恵があります。

また、読む速度を速めるだけでなく、目次や索引から必要な情報だけに目を通す読書法というのも存在します。

不要な情報を排除するというのも、大きな利点だと思います。

しかし、速さは万能ではありません。

本のジャンルによっては、あるいは目的によっては、その速さが大切な要素を見落とすデメリットにもなると私は思っています。

多くの方が注目し、推奨される速読という読書技術のデメリットとは何でしょうか?

女性・読書・ベッド・本を並べる・読む・デニム

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私なりの見解は、よほど高い能力が無ければ上辺の情報しか入手できないということです。

例えば「七つの習慣」を例に挙げてみましょう。

この名著に書かれていることは、実に多彩で多様な情報です。

近年の個性主義よりも、自分を磨く人格主義こそが成功のカギだという説を説き、タイトル通り七つに厳選された崇高な人生の目標を私たちに記してくれています。

重要度と緊急度のマトリクス図や、シナジー効果、刃を研ぐといったキャッチーなフレーズ。

この一冊で、過去50年にわたって出版された成功に関する書籍を網羅できる、まさにバイブル的な書籍ではありますが、これらは果たして、著者が真に伝えたいことの何割程度なのでしょうか?

また、こちらも人気の高い「エッセンシャル思考」。

自分にとって何が重要なのかを見極め、時間や労力をいかに最大限発揮するのかを説く良書です。

明日の自分が何をするべきなのかが明確になる内容ではありますが、このエッセンシャル思考は万人にとって有効な内容なのでしょうか?

本・ビーチ・砂浜・海岸・広げられた本

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昨日の投稿で、私は「内容ではなく作者とリンクする部分が多い本を選んでみてはどうか?」という提案をしました。

著書ではなく著者にフォーカスすることで、今の自分に適した知恵を得ることができるという内容でした。

ビジネス書や自己啓発書とは、作者の人生の一部を切り取ったものです。

多くの作品は、基本的には同じレイアウトで構成されています。

なぜ、このような主張に至ったのか。

そして、主張の正当性を示す事例紹介。

読者へのメッセージ、といったところでしょうか?

要点として掴みやすいのは、「明日、自分が実践できることは何なのか?」です。

私は、この成果主義だけが正解ではない、と感じているのです。

男性・ビジネス・スタートアップ

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上記で紹介した著者の共通点は、初めから多くの方に支持される思考や思想ではなかったということです。

七つの習慣では、過去のデータを研究していく過程で共通点を統合し、エッセンシャル思考では、作者の非エッセンシャル思考の時代に得た経験が、エッセンシャル思考へと導くきっかけだったワケです。

極端な話、成功がゴールではない人間に七つの習慣は当てはまらないし、自分にとって重要なものが未だ存在しない人間にエッセンシャル思考は不要だということです。

よく「学ぶ=まねぶ=真似ぶ」と言われます。

目標とする人物から学ぶには、徹底的に真似ることから始めよ!ということです。

しかし、生育歴が全く異なる著者の場合、どこを真似ようと言うのでしょうか?

それは速読で得られる情報ですか?

何度も読み返し、読み解く時間が必要だと私は考えています。

読書・女の子・ソファ・屋内・足を投げ出す

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私は速読を否定しているワケではありません。

同調性バイアスが私の思考に根を張らないよう、留意していることをここに記しているのです。

バイアス、すなわち思い込みは思考の老化を招きます。

速読に限らず、多くの人が是とすることの真贋を、自分の思考で見極める力は、常に鍛えていたいものです。

速読は技術であって万能なものではない、という話でした。

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さて、本文は以上となりますが、月曜日ということで、このような嬉しいお知らせをいただきました。

スキを推してくださった皆さん、ありがとうございました。

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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の投稿は以上です。

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