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リフレーミングもいいけれど、素直な気持ちも大事

最近、仕事上よく使う言葉なので、ついついテーマに上げてしまうリフレーミング。

リフレーミング(reframing)とは、ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで見ることを指す。元々は家族療法の用語。
(中略)…同じ物事でも、人によって見方や感じ方が異なり、ある角度で見たら長所になり、また短所にもなる。
(Wikipediaより抜粋)

要するに、臆病とは慎重であり、猪突猛進とは行動力に優れている…といった具合に、言葉や視点を変えることで、自己否定的な思考を自己肯定的に変容させる考え方として用いられる手法です。

この手法が広まったことで、自分の性質を前向きに捉えることができた人もいることでしょう。

私もキャリア相談などの場で相談者に対し、リフレーミング法を用いて自己効力感を高めてもらう場合があります。

しかし、情報優位の現代社会では、本質と向き合うのではなく、考え方を切り替えることで自己肯定する風潮が強くなっている気がします。

今回は、リフレーミング法などで自己肯定感や自己効力感を高める際に留意すべき点について、書いていこうと思います。

最後までお付き合いいただけると幸いです。

女性・モノクロ・疲労・ストレス・メンタル不調・メンタルヘルス・うつ・依存

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人間のメンタルは、思いのほか脆弱です。

言葉を選ばずに言わせてもらえば、強靭なメンタル保有者はアスペルガー症候群のきらいがあるのかもしれません。

このあたりの微妙な言葉については、また改めて記事にしたいと思いますが、決して差別的な発言ではありません。

障がい者というと、社会的弱者だと思い込んでいる方もいるかもしれませんが、彼らの障がい特性は、適した環境さえあれば、健常者と呼ばれる方より遥かに高い能力を示します。

ですから、上記のアスペルガー症候群の例示にしても、自らを健常者だと考えている方にとっては、耐えがたい表現かもしれませんが、能力の一つと捉えていただけると助かります。

…話を戻しますが、人のメンタルは弱く、さまざまな経験を経て、順応していくものだと考えています。

ですから、いくつもの予防線を張ることで、人は自我を保っているのです。

リフレーミング法は、その予防線の一つであり、多くの場合「ありのままの自分を受け容れる」ために用いられます。

失敗をしてしまったら、それが必要な経験だったと気持ちを切り替え、コンプレックスを抱えていたら、それを自分の個性だと自己納得させる…。

確かに必要なことではありますが、情報の優位性が勝ってしまうと、ときに自身の成長を阻害する要因となってしまう恐れがあると、私は感じています。

女性・ビジネス・読書・成功・キャリアウーマン

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読書は、安価で容易に知識を吸収できる手段です。

多くのメリットもありますが、当然にデメリットもあります。

個人的な見解ですが、私の考える読書のデメリットの一つとして、情報の優位性が挙げられます。

これは簡単に言うと、実体験よりも先に知識を得ることで、本来であれば得られたはずの学びや気づきが半減してしまう作用を指します。

例えば、営業職に就く前に営業スキルについての書籍を読んだことで、仕事に対して「知っている」と誤認識してしまい、最初に気付くべき業界の暗黙知を破ってしまうようなケースが考えられます。

何かを知っていることは、ゼロベースで捉えるよりも、情報を恣意的に知覚してしまうリスクがあります。

「何も分からない状態」で客先に赴くというのは、大変な不安感を抱くでしょうが、ときには、無知の状態で現場に飛び込んだ方が得るモノが大きいこともあるのです。

人のメンタルは、思いのほか脆弱です。

言い換えれば、人は失敗や挫折が大嫌いです。

ですから、無意識にでも自らが自己否定することで、他人から肯定的な言葉をかけてもらえるように促したり、自分に足りない部分を認めなかったりしてしまうのでしょう。

このような場合に、リフレーミングは本質とは少し違う用いられ方をされるように思います。

それは、自己肯定するのではなく、自己保身に使用されてしまうのです。

イノシシ・走る・草原・猪突猛進

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猪突猛進を例に考えてみましょう。

冒頭で、行動力に優れているとリフレーミングしましたが、体験優位と情報優位の二つの視点で捉えてみます。

体験優位では、失敗することもあるでしょうが、成功した体験記憶もあるはずです。

ですから、猪突猛進を優れた行動力と置き換えても説得力があります。

しかし、情報優位の場合は実体験がないので、そもそも自身の性質が本当に猪突猛進かどうかの判断も疑わしいものです。

自分ではそのように思い込んでいても、周囲の評価は十分に計画し考えた上で行動していると感じているかもしれません。

また、猪突猛進どころか無計画で無鉄砲という評価かもしれません。

どのみち、リフレーミング法で肝要なのは、リフレームした際に自分自身に納得感があるかどうかです。

何もしていない状態で、「あなたは行動力に優れていますね」などとは言われませんし、転ばぬ先の杖で自己暗示的に自らに言い聞かせても、それは根拠のない理屈でしかないのです。

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以上のことから、リフレーミング法とは、自身を別の視点から見ることではありますが、その別の視点とは他者評価であり、決して自己評価ではありません。

「自分は○○だから…」という思考をリフレーミング法で切り替える前に、果たしてそれが本当に自分の性質なのか、切り替える前に向き合うべき課題ではないのか、一度考えてみてはいかがでしょうか?

そして、どのような性質であろうとも、まずは行動し、実体験での学びや気づきを得たり、課題点を考え抜いた先にリフレーミングしても遅くはないと思います。

自己否定ばかりはメンタル不調になってしまいますが、どこかに自分を厳しく律する部分は残しておきたいものだと、私は考えています。

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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の投稿は以上です。

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