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名画座のある暮らし

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映画は好きだけど「映画好き」と言えるほどでも、ましてや「映画通」でもない書籍ライターが、とあるきっかけで名画座通いをはじめ継続。シロート目線での素朴な発見や感動を綴る。
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記事一覧

「誰かの犠牲で成り立つ世界」はイヤだ、という願い

「誰かの犠牲で成り立つ世界」はイヤだ、という願い

先日、遅ればせながら『すずめの戸締り』を劇場にて友人と観覧。

それまでの私の新海誠作品歴はというと、

『秒速5センチメートル』@Amazonプライム
『君の名は』@劇場 ※長男に誘われて
『言の葉の庭』@Amazonプライム
『天気の子』@WOWOW

という流れ。

正直言うと、アニメ映画は、息子ズとのデート以外は「WOWOWかアマプラでいいかな」派。
新海作品は、地元の町が超リアルに描かれ

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映画と小説、どちらも楽しい

映画と小説、どちらも楽しい

2023/01/05
@ANA機内(サンフランシスコー羽田)

通っていた名画座(ギンレイホール)が閉館してしまったので、しばらくは銀幕以外で観た映画もあげていこうと思います。

ザリガニの鳴くところ/WHERE THE CRAWDADS SING原作も読んでみたくなる度 ★★★★★

全世界1500万部のベストセラー、日本でも2021年本屋大賞翻訳小説部門1位の小説の映画化。メディアの宣伝も力を

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(とりあえず)最後のギンレイホール

(とりあえず)最後のギンレイホール

2022/11/25㈮@ギンレイホール

(とりあえず)閉館のラスト上映2作品。
ギンレイホールさん、神楽坂での再開を心待ちにしてます!

君を想い、バスに乗る The Last Bus人生はロードムービー度 ★★★★★

人生の終着駅に向かうロードムービー。
心残りを解消して次の世界に旅立つために、
私だったら、ラストトリップにどこに何しに行くかなぁ。

マリー・ミー  Marry Me映画みた

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「誰かのため」が救いになる

「誰かのため」が救いになる

2022.11.18@ギンレイホール

セイント・フランシス Saint Frances「面倒な体」を引き受けましょう度 ★★★★★

「悩めるアラサー女性の赤裸々な生活」
、、、なんていう手垢のついた表現でスミマセン。

主人公の名前がブリジットなのは、意図的なのかしらん。。。

ベイビー・ブローカー韓国映画の安定感にしてやられる度 ★★★★★

この世に生まれてくる
すべての人に注がれている想

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心に穴を抱えて生きていく

心に穴を抱えて生きていく

2022.11.01. ㈫ @ギンレイホール
毎月1日は1,000円DAY(最初で最後かも)。
掲載は観賞順。

帰らない日曜日 Mothering Sunday美しき英国を愛でる度 ★★★★★

1924年のイギリスが舞台。
衣装、インテリア、お館などなど、イギリス文化が好きな人は堪能できます。

パンフレットも素敵。

私がパンフレットで好きなのは、作品の時代背景を解説してくれるもの。
Col

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みんな守られて生きている

みんな守られて生きている

2022.10.11 晴れ @ギンレイホール
掲載は観賞順。

ギンレイシネパスポートの期限が切れ、初めてチケットを買って観ました。
1,500円でこの2本を銀幕で観られるならいいじゃん、と思えた2作です。

ベルファストキラキラした子ども時代を疑似体験できる度 ★★★★★

監督ケネス・ブラナーの幼少時の体験をもとに作られた自伝的作品。

北アイルランド紛争真っただ中の日常を、少年バディの目を通

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「当たり前」の有り難さ

「当たり前」の有り難さ

2022/09/26 @ギンレイホール 晴れ
掲載は観賞順。

ギンレイ・シネパスポート、有効期限最終日に観た2本。

ギンレイホールはビルの老朽化にともない立ち退き。最終日は、11月27日。
その後の、移転先はまだ不明ですが、応援と再開の期待をこめて更新しようかと、電話で確認するも、
「移転先が未定なので、、、」
と、”閉館までに観られる本数とパスポート代と通常料金との比較で購入された方がよいと

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「どうありたいか」を知る、実行する

「どうありたいか」を知る、実行する

2022/09/16 ㈮ 晴れ@ギンレイホール
掲載は観賞順。

カモン カモン子どもたちの自己開示&表現力がすばらしすぎる度 ★★★★★

主人公ジョニーは、アメリカNYを拠点に活動するラジオジャーナリスト。
彼が作品中で子どもたちへインタビューを行うのだけれど、これは実際に行われたものだそう。
この設定と仕掛けがすばらしい。

子どもたちの語りのなんとすばらしいこと!
自分自身を知ること
それ

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「映画観賞日記」をつけはじめて気づいたこと

「映画観賞日記」をつけはじめて気づいたこと

映画を定期的に観るようになって、もうすぐ2年。
感想をnoteに書くようになってからもうすぐ9か月(最初の記事はこちら)。

続けてみて思ったことは、書くことで観た映画が「自分の経験になる」ということ。

観ただけでは、「面白かったなぁ」とか「今回はイマイチ好みじゃなかったなあ」で終わってしまう。
特に、私のように「名画座の会員になって館のセレクトした映画を観る」スタイルの場合、だれかの推しを観賞

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たしかに「驚きと戸惑い」の体験だった

たしかに「驚きと戸惑い」の体験だった

2022/08/18㈭ 雨のち晴れ @飯田橋ギンレイホール
掲載は観賞順。

「驚きと戸惑いの映画体験が、いま始まる――」
というのは、映画「偶然と想像」に書かれたキャッチフレーズだけれど、
今回の2作品どちらにも言える。
というか、個人的には「春原さんのうた」のほうがより驚きと戸惑いが強い。

春原さんのうた「これ、ありなんだ!?」度 ★★★★★

これまで見てきた映画は、たいてい、観る前から「

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忘れられない初めてのヒト

忘れられない初めてのヒト

2022/08/05㈮ 晴れ@ギンレイホール

ウエスト・サイド・ストーリーオリジナルをもう一度観たくなる度 ★★★★★

オリジナルの映画「ウエストサイドストーリー」を観たのは、確か10代か、20歳前後(TVの名画放送でした)。
ヒロイン・マリアの兄、ベルナルド役のジョージ・チャキリスを観て、

めちゃくちゃカッコいい人がいる!!!

と感激、主役のマリア&トニーそっちのけで釘づけでしたわ。

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自分を大切にする勇気

自分を大切にする勇気

2022/07/26㈫ 大雨
@ギンレイホール

Coda幸せになる義務を遂行せよ!度 ★★★★★

もし今、大切な人のために何かを諦めようとしている人がいるなら、この映画を観たらいいと思う。

あなたが幸せになると、
あなたの大切な人も幸せになるよ。

大丈夫!

終盤に訪れるあるシーンで、主人公の立場でのみ世界に触れていた自分に気付かされました。

人は自分本位な生き物。
だからこそ誰かを思

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「したたかさ」「しなやかさ」は自衛本能

「したたかさ」「しなやかさ」は自衛本能

2022.07.14㈭曇りときどき雨 @ギンレイホール
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エルプラネタ母娘ともに才能あふれる度 ★★★★★

「全編モノクロ……、ああ、そうえいば、そうだったね」
と忘れるくらい色彩が鮮やかに、、、いや色彩を忘れて思い出される。
何かが麻痺させられたってこと?
作品内の母娘の生きざまに痺れたせいかしら。

娘役の彼女アマリア・ウルマンは、新進気鋭のアーティストだそう。
これが映画デ

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笑って観るか、怒って(悲しんで)観るか

笑って観るか、怒って(悲しんで)観るか

2022.07.07
@ギンレイホール(東京飯田橋)

スイングステート 選挙の裏側を楽しむ度 ★★★★★

最後のどんでん返しがあって、楽しめます!

ダークウォーターズ人の作る「闇」と、屈しない「光」を感じる度 ★★★★★

予告編を観て、正直、「またやるせない現実をみるのね、、、」とちょっと気が重かったのですが、そんなやるせなさにひるまない「光」の存在に勇気と希望をもらいました。
観てよかっ

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