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酒話〜しゅわ〜

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日本酒をテーマにあれこれコラム。 ブログのように綴っています。 よかったら投げ銭という意味で有料にしていますが、内容は無料で読めます。
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#日本酒

【酒話】「来てください」と言えない

【酒話】「来てください」と言えない

※各地域の状況にもよりますが……
短縮営業や、感染症対策を徹底しながらの営業など、「それでも営業を続けている」お店がよく発する言葉。
「来てくださいとは言えない状況」

だれが言いはじめたのかわかりませんが、本当に苦しい中から出てきた言葉だと思うし、同じ状況のお店が共感する的確な言葉だと思います。
「来てくださいとは言えないけど営業するしかないんです」と。

だって、STAY HOMEが叫ばれてい

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【酒話】テイクアウトをイートイン

【酒話】テイクアウトをイートイン

※この記事は、飲食店さんに向けて書いています。

ーーーーー
多くの飲食店さんがテイクアウトを始められています。
おウチで、あのお店の料理を食べられる!
ということで、自粛しながらも楽しめる選択肢が増えたと思います。

ただ、このムーブメントは長くは持たないと思っています。
いずれ、飽きるからです。
(もちろんその前に、一刻も早くコロナが収束すればいいし、そうなることを願っているのですが……)

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【酒話】それでもお店を開ける理由

【酒話】それでもお店を開ける理由

東京や大阪を含め各地で「緊急事態宣言」が出されました。
奈良県には出ていませんが、当店がある橿原市では、営業を休止する、またはテイクアウトのみの営業となった飲食店(居酒屋)がほとんどです。

それでも、僕は、お店を開けています。
いま、お客さまは、めちゃくちゃ少ないです。

じゃあ閉めたらええやん!むしろ閉めろよ!
と言われるかもしれませんが、僕はそう思いません。
コロナを甘く見ているわけではあり

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【酒話】ファンクラブとは

【酒話】ファンクラブとは

前回、「サブスク化する飲食店」という記事を書きましたが、とは言ってもどういうシステムなのか?僕が営むお店のファンクラブを例に、さらに深掘りしてまとめてみました。

前回の記事では、飲食店側の視点と、お客さま側の視点の、その両方から書きました。
つまるところ、「どちらか一方の視点では、成立しない」ということなのです。

みんながハッピーになるシステム飲食店に関わらずですが、お店とお客さまの、どちらか

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【酒話】サブスク化する飲食店

【酒話】サブスク化する飲食店

僕は奈良県で日本酒バー 和という飲食店をしています。
オープンしてまだ1年も経ちませんが、おかげさまでたくさんの常連さまに愛されるお店になってきたかと感じています。

しかし。
正直に話すと、新型コロナウイルスの影響で、いや、自粛ムードの影響で、ご来店されるお客さまの数が如実に減っているのが現状です。
お店の前を通る(飲み歩く)人も、ほとんどいません。

新型コロナウイルスが怖くて飲みに出かけない

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【酒話】十四代を選ばない人たち

【酒話】十四代を選ばない人たち

先日、イベント「『おりがらみ』飲み比べ」を開催した。
「おりがらみ」と一括りにしても、おりの量も違えば、粒の大きさも違う、もちろん味も違う。
比べる要素がたくさんあるので、飲み比べ甲斐のある企画だ。

ラインナップはこちら。

左から、
■五橋FIVE(グリーン) 純米 おりがらみ 生原酒

■菱湖 純米大吟醸 おりがらみ 生酒

■十四代 純米吟醸 荒走り おりからみ 生酒

■翠玉 特別純米 

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【酒話】燗の常識

【酒話】燗の常識

「燗」について、まるで禁止行為かのような『常識』が、まかり通っているように感じるときがある。
ほんとにそれが正しいことなのか?考えていきたい。

日本酒を飲み始めたときのこと。
友人と、初めての飲み屋さんに行った。

いままで冷酒で、日本酒のおいしさに気付き始めていたのだが、その日は寒かったので、熱燗に初挑戦することにした。

とは言っても日本酒について、ほとんど知識がなかった僕は、メニューにあっ

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【酒話】頭で飲む

【酒話】頭で飲む

知っている人は知っている。
知らない人は知らない。
そんなそんな、帰ってきた『酒話〜しゅわ〜』

この度、ブログからnoteに帰ってきた。
ここでは、日本酒について思っていることをツラツラと綴ることにする。

さて、問題!
日本酒は、体のどこ(部位)で味わうものだろうか?

「口」、「舌」、「心」
これら、どれもが正解だと思う。

だけど。
実際には、「頭」で飲んでいる人がほとんどだ。

たとえば

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【酒話】手紙〜拝啓 二十六の君へ~

【酒話】手紙〜拝啓 二十六の君へ~

 拝啓 友人の駿くん。お手紙書きます。

 先日、君と同じ名前の日本酒を見つけました。
 居酒屋のドリンクメニューに、君の名を確認したときにはもう、店員さんに注文を告げていました。
 まるで、仕事も足も速い、君のように。

 振り返れば、君と出合ったのは、僕らが法律的にも、身体的にも、まだ日本酒を飲めない18,9歳の頃でした。
 アルバイトの面接へ行けば落とされてばっかりだったし、合格して働き始め

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【酒話】和

【酒話】和

小学1年の頃、自分の名前の由来を調べるといった課題が出された。

「どうして僕は、こういう名前になったの?」
小学1年ではまだ書けないその漢字を指さして、母親に尋ねた。
「お父さんは空が好きで、お母さんは海が好きだから、『澄海(すかい)』なのよ」
……あ、これは、土屋アンナさんの長男の話だった。

僕は、と言えば。
まいねーむ いず 和紀 (かずき)。

「和」は、
平和。人と人との輪。和。調和。

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【酒話】プロポーズ 断られたら 即坊主

【酒話】プロポーズ 断られたら 即坊主

友人がプロポーズをした。
結果は見事成功! おめでとう。

友人から、「プロポーズをする」と聞いたのは、先日、杯を交わしていたときだった。
覚悟を決めた男の表情に、僕は感動した。
成功はするだろうな、とは思っていたが、応援することをやめなかった。というより、応援することしかできなかった。

友人は、旅行先の旅館でプロポーズをした。
プロポーズをする約2時間前。とてつもなく緊張していたのが、携帯電話

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【酒話】HEY!盆!

【酒話】HEY!盆!

お盆だ。
宗派によって違うが、ご先祖さまが帰ってくるからだよ、なんてことがよく言われる。

本当だろうか?

その説でいけば、普段から仏さんに手を合わせているのは、意味がないことにならないだろうか。ご先祖さまが帰っていないときなんだから。
留守の家に、何度インターホンを押しても、だれも出ないのだから、もはやそれはピンポンダッシュである。

というわけで。
僕なりに、お盆の意味を考えてみた。

お盆

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【酒話】「学び」を「学ぶ」

【酒話】「学び」を「学ぶ」

高校時代の友人と、久しぶりに、サシで飲みにいった。
いつも、待ち合わせの駅だけを決めて、その近所の良さそうな居酒屋に入るのだが、先日も例外なく同様の流れだった。

友人は、「日本酒が美味しいお店」と銘打っている居酒屋を発見し、店先を指さしながら、思わず、「あ」と言った。
僕は、頷きながら返事を返す。「うん」
杯を交わすことで生まれくる呼吸である。

手動扉をガラガラと開けた僕は、ピースサインをつく

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【酒話】君は既にキューカンバーラバー

【酒話】君は既にキューカンバーラバー

僕が注目しているミュージシャンに、「DJみそしるとMCごはん」がいる。グループ名のようだが、ソロである。
大橋トリオ……みたいな感じだ。
おいしいものは人類の奇跡だ! をモットーに音楽活動をされている。
日本酒は人類の奇跡だ! ということにもなる。納得。

中でも僕は、「きゅうりのキューちゃん」という歌が好きだ。
タイトルを聞いて、どんな歌やねん! とツッコミを入れたくなるが、これがまた良い歌なの

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