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第2回カモガワ奇想短編グランプリ 大賞・優秀賞発表および選評
厳正なる審査の結果、大賞1作品、優秀賞2作品を以下の通り選出いたしました。
大賞 レターパックで現金送れ/は詐欺です「くるぶし考」
優秀賞 春眠蛙「潰しに関する覚え書き」
優秀賞 藤井佯「幽玄の惑星」
大賞、優秀賞にはそれぞれ副賞としてAmazonギフトカード2万円分、Amazonギフトカード5000円分を贈呈するほか、12月の文学フリマ東京にて頒布予定の『カモガワGブックスVol.5』に
第2回カモガワ奇想短編グランプリ 一次審査通過・最終候補作品発表
厳正なる審査の上、カモガワ奇想短編グランプリの一次審査通過作品および最終候補作品を決定いたしました。
応募総数は166作でした。多数のご応募をありがとうございました。
大賞および優秀賞に関しては、追加審査の上、近日中に発表いたします。
一次審査通過作品(応募順)
上雲楽「現人神」
花園 メアリー「飛田新地ファンタジア」
伊藤なむあひ「鳩の王国」
霧 悠介「ライフ、イズ、グッド」
阿鳥ケイ「愚者
石原三日月「窓の海」(第1回カモガワ奇想短編グランプリ 大賞受賞作)
第2回カモガワ奇想短編グランプリの開催を記念して、前回大会の受賞作品をnote上で順次公開します。前回の選評はこちら。
白いモップを握り締め、羽瀬優樹は海を磨いていた。
足元に広がる透き通った青色は底が知れない。けれどそれは海水の色味ではなく、映り込んだ高い空の色だった。きらきらと陽光を照り返す波頭もまた水しぶきではなく、風に煽られて開閉する硝子のきらめきだった。
つい数日前まで海水浴客で
織戸久貴「下鴨納涼アンソロジーバトルコンテスト」(第1回カモガワ奇想短編グランプリ 優秀賞受賞作)
第2回カモガワ奇想短編グランプリの開催を記念して、前回大会の受賞作品をnote上で順次公開します。前回の選評はこちら。
ブックキュレーションが競技化されたのは二〇三〇年代のことだ。
当時、小説という文化圏はあまりにも肥大化していた。AI技術の革新に伴い、現存する文字の総数は雪だるま式に増えつづけ、だれひとりとしてそのすべてを把握できていなかった。〈一億総クリエイター時代〉とまで呼ばれ、ウェブ
志村麦穂「天使墜落(私)刑」(第1回カモガワ奇想短編グランプリ 優秀賞受賞作)
第2回カモガワ奇想短編グランプリの開催を記念して、前回大会の受賞作品をnote上で順次公開します。前回の選評はこちら。
飛行機の車輪が地表を離脱する。見かけの直感と反して、巨大な金属の塊が人間を満載して浮揚する。どうにも浮足立った非日常への没入が、薄い膜のように体表を覆い尽くした。それらはやがて、もったりと肺を蒸らす人いきれと熟れた土壌の臭いへ変わる。異国の風は皮膚の油膜から容易く浸透して、四
小野繙「幼女の王女」(第1回カモガワ奇想短編グランプリ優秀賞受賞作)
第2回カモガワ奇想短編グランプリの開催を記念して、前回大会の受賞作品をnote上で順次公開します。前回の選評はこちら。
娘に幼女の群れがへばりつくようになったのはつい最近のことである。それまでは二人のへばりつきだったことを思えば、随分増えたなというのが率直な感想である。そもそもこの現象を「へばりつき」という簡単な五文字に収めていいのかどうかは丁寧な議論が必要だろうが、愛しい我が娘にべったりと張
「第2回カモガワ奇想短編グランプリ」開催のお知らせ
開催概要
奇想あふれる短編が好きだ。奇天烈な発想、どこから思いついたんだという展開、途方もないスケールの想像力……。SF、ホラーやミステリ、一般文芸といったジャンルを問わず、あるいは媒体を問わず、あらゆる小説/フィクションの中に奇想は存在しうるだろう。
100作近い応募作が集まり、当初の想定以上の盛り上がりを見せた第1回に引き続き、今回もノンジャンルで奇想一本勝負となる小説のコンテストを開催
『カモガワGブックスVol.4 特集:世界文学/奇想短編』刊行のお知らせ
第4号となる本号は、2007年より河出書房新社より刊行された《池澤夏樹=個人編集 世界文学全集》全レビューのほか、伴名練によるフリオ・コルタサル邦訳全短編集レビューや本邦初訳となるナボコフ・インタビュー、V・ウルフのホラー小説エッセイも。その他、残雪論、コーマック・マッカーシー全長編レビューなど、世界文学にまつわるレビュー・翻訳・コラムを掲載。
その他、今年初開催となった「カモガワ奇想短編グラ
カモガワ奇想短編グランプリ 大賞・優秀賞発表および選評
厳正なる審査の結果、大賞1作品、優秀賞3作品を以下の通り選出いたしました。
大賞 石原 三日月「窓の海」
優秀賞 小野繙「幼女の王女」
優秀賞 志村麦「天使墜落(私)刑」
優秀賞 織戸久貴「下鴨納涼アンソロジーバトルコンテスト」
大賞、優秀賞にはそれぞれ副賞としてAmazonギフトカード2万円分、Amazonギフトカード5000円分が贈られるほか、11月の文学フリマ東京にて頒布予定の
カモガワ奇想短編グランプリ 一次審査通過・最終候補作品発表
厳正なる審査の上、カモガワ奇想短編グランプリの一次審査通過作品および最終候補作品を決定いたしました。
応募総数は96作でした。多数のご応募をありがとうございました。
大賞および優秀賞に関しては、追加審査の上、近日中に発表いたします。
一次審査通過作品(応募順)
藤井佯「とり、の、しんわ、を、つたえ、ます」
soudai「さよならボキャブラリー」
吉美駿一郎「群れのルール」
仲村秋幸「とてつもな
「カモガワ奇想短編グランプリ」開催のお知らせ
開催概要
奇想あふれる短編が好きだ。奇天烈な発想、どこから思いついたんだという展開、途方もないスケールの想像力……。SF、ホラーやミステリ、一般文芸といったジャンルを問わず、あらゆる小説の中に奇想は存在しうるだろう。
そこで今回は、ノンジャンルで奇想一本勝負となる小説のコンテストを開催することにした。奇想は日常のマンネリ化した宇宙に風穴を開け、新たな世界へと続く階梯となりうる。このコンテスト
【〈フラバル・コレクション〉『十一月の嵐』刊行記念】ボフミル・フラバル『あまりにも騒がしい孤独』レビュー公開
ボフミル・フラバル『あまりにも騒がしい孤独』(石川達夫訳、1976 年)
タイトルが魅力的な本は多々あれど、ここまでの威力を持つものには出会ったことがない。あまりにも騒がしい孤独って何だろう? 「三十五年間、僕は故紙に埋もれて働いている――これは、そんな僕のラブストーリーだ」こんな文章から始まる本書の主人公はハニチャという。彼はもうずっと長い間、古紙に埋もれながら働いているらしい。古紙を潰し
【映画『異端の鳥』公開記念】イェジー・コシンスキ『ペインティッド・バード』レビュー公開
映画『異端の鳥』公開を記念して、弊サークルの既刊同人誌『カモガワGブックスVol.1 非英語圏文学特集』掲載の《東欧の想像力》全レビューにて紹介した、映画の原作小説イェジー・コシンスキ『ペインティッド・バード』(松籟社)レビューを公開します。執筆は蟹味噌啜り太郎さんです。
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イェジー・コシンスキ『ペインティッド・バード』(西成彦訳、1965 年)
あらすじを簡単に言うならば、第二次