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もう少し雨はやまなくてもよかったかもしれない(まよなかめがや#25)
不可抗力で生じたちょっとしたできごとを
ぼくは想い出として大切にしたい性分だ。
そのなかでも雨の日の想い出集は
群を抜いて分厚くなっている。
きっと雨男だからなんだろうと思う。
小学校のある日
夕方から土砂降りに加えて
雷がピカドンピカドン近所に落ちまくる日があった。
その日はパート帰りの母が傘を持って迎えにきてくれた。
なんてことのないいつもと同じ帰り道なのに
母と一緒に歩いた風景を
今でも
なんだかんだできない(まよなかめがや#22)
書きたいことはたくさんあるのに
なんだかんだ書けないでいるのは
なんだかんだ熱量が足りないのだ
そんなこと頭ではわかっていて
もう分かりきり過ぎていて
それでも書けなくて書けなかった
そんな3ヶ月弱でした
こんばんはおはようございます
さっきお風呂上がりに
テーブルの脇に置いていた新潮の3月号を手にとって
本屋さんで立ち読みするように
どれどれなんて頭のなかでつぶやいて雑誌をめくってみた
いつだってカフェはやりたい(まよなかめがや#21)
おととい美容院に行ってそんな話になった。
自分の店が欲しいからか、のんびり仕事をしたいからか(絶対にのんびりなんてできない)、お客さんといろんな話をしたいからか。
形のない理由が頭の中の青空を飛び回る。
美容師さんとの話では
「なんとなく雰囲気としてやりたいよね。」
という結論に至った。
美容師さんと2人、鏡越しに大きく笑い合った。(30代半ばどうしの会話)
最高である。
このやりたいと思う気
みんな恋愛のことが好きなんだ(恋愛エッセイ#36)
ぼくのnoteで去年いちばん読まれたエッセイはこれだった。
エッセイに対する評価はご覧のとおりなので、やさしく目をつむってもらえると嬉しい。
恋愛系のエッセイを久しく書いていないから、なんだか最近書いたエッセイをどう弔おうかとか考えつつ率直に温かい気持ちになった。
目に触れていただきありがとうございます。
もし今日当選番号発表の「初夢宝くじ」の一等が当たっていたら、読んでいただいた方に諭吉先
アザーサイド(超短編小説#30)
おやすみ。
そう口にしたあと、彼女はぼくが聞いたことのない大きめな寝息を立てていた。
いつも「寝息立ててるよ」と言われている側からすると、実体験を伴って初めて相手の気持ちが分かる。そういう瞬間だった。
規則正しく鼻か口から洩れる空気の音。
それを聞きながら、天井を見つめる。
細長い窓に入ってきた外の光が、微妙に合っていないサイズのカーテンの脇から天井に姿を映し出される。
どういう仕組みなんだ
今日はやさしくやわらかかった(まよなかめがや#19)
夏の気配が少し薄れて
「ずっとこの気候が続けばいいのに」
と誰しもが口にするような穏やかな月曜日だった。
郵便局に特定記録を出しに行ったら
窓口のお姉さんがやたらと大きさをはかる定規を
ぼくの手渡した郵便物になんども重ね合わせ
縦にしたり横にしたりしたあと
「この部分小さくなれば定型なんですけど
小さくはならないですよね?」
と声をかけてくれた。
自分の準備の悪さと
大雑把さを少し憂いつつ
スイカとメロンと手紙(まよなかめがや#18)
自分にできないことは
自分にもできるようになりたいと思う。
人からしてもらって嬉しいことは
自分からもしてあげたいと思う。
ずいぶんと昔に付き合っていた彼女と
クリスマスには毎年レストランに
スペシャルディナーを食べに行ったことを
ふと思い出す。
毎年というくらいだから
それなりの歳月を彼女と過ごしたのは
お察しのとおりである。
2人とも若かったから
ぼくは背伸びをしていたんだと思う。
カ
ふたりでコンビニ行きたいの(超短編小説#29)
「じゃあそっちもゆっくり休んでね」
そう彼女が言うと2秒ほど静かな時間が流れ
「通話を終了しました」のモーダルが
スクリーンに映し出される。
今日もお互いの食べたもの
観たネットチャンネルのこと
よさそうと思った服のこと
簡単なレシピのこと
だいたい半径3メートルくらいで起こったことを
報告しあった。
今朝ごはん食べるときにパッと手元見たらさ
箸の色が赤だったんだよね。
食べ始めてから気づいた