安心な僕らのなかにきっとぼくはいない。(超短編小説#24)
終電で最寄りの駅に着く
改札を出ると地面を覆う黒いアスファルトがいつも以上に濃くなっていた
天気予報のあたりもハズレもわからない
カバンに入っている小さいポーチから
イヤホンを取り出す
10年近く使っているiPodを取り出して
それを差し込む
なんでこの◯はジャックって言うんだろ
10年の付き合いになるiPodに向かって
不思議を問いかける
なんとなく周りの人たちは
帰り路を早足で歩いているように見えて
なんだか自分だけが違った場所に帰ってきて
しまったような気持ちになっ