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9月は切なくて。(超短編小説#19)
まだ暑くて夏が戻ってくるような
それでいて少し肌寒いと感じる9月は
別れたはずなのにまだ連絡を取ったり
遊んだりしている恋人との時間に似ている。
正確にはもう恋人じゃないのか。
きっとまた夏が戻ってくるというのは
きっとまた元に戻れるであり
すっかり涼しくなってしまったは
もう恋人には戻れないということを表していて
楽しかった週末と
会いたくて切なくて泣きそうな平日をも
表している気がする。
大好きな大橋トリオは
『君の居ないこの街に
慣れてしまう日もいつかくるだろう』
なんて言っているけど
いつまで経っても
そんな日はこないと思うし
慣れたいなんて
これっぽっちも思わないし
まだまだそんなこと
思いたくなんてないんだ。
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