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いっこうに名前が決まらないので、というか、名前を決めるのはなんだか恥ずかしいような気が…

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いっこうに名前が決まらないので、というか、名前を決めるのはなんだか恥ずかしいような気がして、とりあえず好きなものの絵文字を名前にしています。 💭うつし世はゆめ よるの夢こそまこと

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【ブックマーク(読みたい本のメモです。素敵な本をたくさん教えてほしいです。)】

これ!読みたい!って思っても けっこうすぐに忘れちゃうので ここにメモしておいたら良いじゃないか〜! と思い、そうすることにしました。 おすすめの本があったら、コ…

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5か月前
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1月📖

🍑フランツ・カフカ「変身」 私は虫が本当に苦手なので、虫そのものを想像してしまうとたいへんに気持ち悪くてそこが重要になってしまうので困りました。人間ではない姿…

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4か月前

最果タヒさんのエッセイを読みました。まだ半分も読んでいないのだけど、冒頭部分だけで私の世界の謎の多くが解決に導かれたような、周波数がぴったり合って目の奥がふるえるような、言葉が感情としてじんわり溶けだすような、そんな気がしたので、きっと私のお気に入りになることが決まりました。

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5か月前

裁き | 毎週ショートショートnote【ドローン課長】

「ササキくん。進みはどうかね。」 「課長!お疲れ様です。」 「まだそこまでか!今まで何をしてたんだ…」 小言を言いながら空にぷかぷか浮かんでいるソレは、ドローン……

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5か月前
8

2024年は読書の年にもしたいし、書く年にもしたい。具体的な数は決めずに、書きたいときに書きたいものを書くだとか、読みたいときに読みたいものを読むだとか、そういう気持ちを大事にしたい。書くこと読むことそのものよりも、それを求める気持ちに正直になりたい、そんな2024!

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5か月前
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音楽表現を常に自己陶酔型でしかできない人とは仲良くなれないし、たぶんそういう人はショパンの幻想即興曲を超早弾きしただけでドヤ顔するんだろうな、という超ど偏見

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5か月前

ないものねだり

「ご飯になるから、下りておいで。」 部屋で受験勉強をしていたら、母の声。階段を下りたら、父も新聞を畳み卓についている。 「いただきます。」 3人の声が、リビング…

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5か月前
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-ou

夜行列車にとびのった。忘れたいことがあった訳じゃない。けれど、思い出したくないことなら山ほどあった。 車窓からみえる星々が、 金平糖になって喉に詰まる。 逆行する…

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5か月前
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帳が下りたら。

凛とした透明な寒さと、徐々にはっきりし始める木々や影の輪郭。それに気づく頃には、いつも冬は終わりかけているような気がします。 擦れる葉もなくただ乾いた枝が愚直に…

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5か月前
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戯画

公園で団子のように転がりながら遊ぶ子供たち、川辺でびしょ濡れになる若者の集団、おどけてそれらを動画に収める高校生たち。 そんな人々を横目に電車に乗りこんだ男は、…

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9か月前
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ジンクス 2

『告白水平線』 そんな看板の立てられた、ある海岸があった。 夕方、水平線に太陽が沈む神秘的な光景は、永遠の愛を誓うにはもってこいだった。 景観の美しさだけでなく、…

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10か月前
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ジンクス 1

『告白水平線』 そんな看板の立てられた、ある海岸があった。 夕方、水平線に太陽が沈む神秘的な光景は、永遠の愛を誓うにはもってこいだった。 景観の美しさだけでなく、…

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10か月前
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或る男の話

ヒマワリへまっすぐ手を伸ばした彼女を見たのは、もう何年も前のことだったような気がします。 まっさらな白のワンピースは、大きくて遠い青空に湧き上がった入道雲と、同…

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10か月前
8

PEACE of cake

平和とは、 「ねえ」 平和とは、 「何?」 平和とは、 「だーかーらー、」 平和とは。 「進路、決まったの?って聞いてんの。」 「いまね、平和ってなんだろうって…

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10か月前
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ペパーミント・ループ

ばしん、という音と共に、体を駆け巡る振動。指先には見慣れたペパーミントが、ころんと転がっている。 ぷっくりと膨らんだ袖に、まだじんじんする指先を通した。柔らかな…

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10か月前
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ほんとのダックテイル

リズミカルな、金属の擦れる音。 耳元を何度も行き来する、スリルのある摩擦音。 その向こうに聞こえる、ぷつぷつ、というちいさな音に、生まれ変わりを連想した。 「お客…

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10か月前
2
【ブックマーク(読みたい本のメモです。素敵な本をたくさん教えてほしいです。)】

【ブックマーク(読みたい本のメモです。素敵な本をたくさん教えてほしいです。)】

これ!読みたい!って思っても
けっこうすぐに忘れちゃうので
ここにメモしておいたら良いじゃないか〜!
と思い、そうすることにしました。

おすすめの本があったら、コメントで教えてください🧸
(でも重たい戦争のお話はどうしても苦手です)

🍑アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」
🍑斜線堂有紀「本の背骨が最後に残る」
🧸ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」
🍑最果タヒさんの詩集

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1月📖

🍑フランツ・カフカ「変身」
私は虫が本当に苦手なので、虫そのものを想像してしまうとたいへんに気持ち悪くてそこが重要になってしまうので困りました。人間ではない姿かたちの、忌み嫌われるナニモノ。
グレゴールがそれまで誰かのためにしてきたことも、家族に対して示されてきた愛情も、全部見えなくなって、なかったことになってしまって。人は年老いていけば誰でも「虫」になる可能性があるのだろうか…なんて考

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最果タヒさんのエッセイを読みました。まだ半分も読んでいないのだけど、冒頭部分だけで私の世界の謎の多くが解決に導かれたような、周波数がぴったり合って目の奥がふるえるような、言葉が感情としてじんわり溶けだすような、そんな気がしたので、きっと私のお気に入りになることが決まりました。

裁き | 毎週ショートショートnote【ドローン課長】

裁き | 毎週ショートショートnote【ドローン課長】

「ササキくん。進みはどうかね。」
「課長!お疲れ様です。」
「まだそこまでか!今まで何をしてたんだ…」

小言を言いながら空にぷかぷか浮かんでいるソレは、ドローン…ではなく、ヤナハラ課長である。れっきとした、僕の上司だ。

「これは追加の案件だ。今日中にな。」
「そんなあ…」

会ったことすらない課長の視界に隠れ(たつもりで)、つい肩を落とした。

「いちいち音を上げるんじゃない!甘ったれるな!」

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2024年は読書の年にもしたいし、書く年にもしたい。具体的な数は決めずに、書きたいときに書きたいものを書くだとか、読みたいときに読みたいものを読むだとか、そういう気持ちを大事にしたい。書くこと読むことそのものよりも、それを求める気持ちに正直になりたい、そんな2024!

音楽表現を常に自己陶酔型でしかできない人とは仲良くなれないし、たぶんそういう人はショパンの幻想即興曲を超早弾きしただけでドヤ顔するんだろうな、という超ど偏見

ないものねだり

ないものねだり

「ご飯になるから、下りておいで。」

部屋で受験勉強をしていたら、母の声。階段を下りたら、父も新聞を畳み卓についている。

「いただきます。」

3人の声が、リビングに響く。ビーフシチューを口に運んだら、ふんわりと懐かしさが香るような、不思議な味がした。

「あら、雪が降ってるのね。」
「雪だるま、作りたいな。」
「このぶんじゃ無理かもなあ、見たところ粉雪だろう。」

窓の向こうに広がる雪景色。し

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-ou

-ou

夜行列車にとびのった。忘れたいことがあった訳じゃない。けれど、思い出したくないことなら山ほどあった。

車窓からみえる星々が、
金平糖になって喉に詰まる。
逆行する木々が放つほんの微かな光。
多幸感の欠片もない夜は、いつだって容赦ない。

夜想曲を聞いた。
月光の清らかさがこんなにもうざったいと思うことは、金輪際ないだろう。
遮光性の無い瞳を密やかにうらんだ。

貴方って本当に、世話がやける。

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帳が下りたら。

帳が下りたら。

凛とした透明な寒さと、徐々にはっきりし始める木々や影の輪郭。それに気づく頃には、いつも冬は終わりかけているような気がします。
擦れる葉もなくただ乾いた枝が愚直に折り重なって、繊細なチェック柄を地面に作っているのを見たら、その隙間から刺す光の眩しさに、つい目を瞑ってしまいました。

冬は、夜が長いので好きです。私にとって夜が長いということは、自分を手放す時間が長いということです。夜の闇に紛れるのは、

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戯画

戯画

公園で団子のように転がりながら遊ぶ子供たち、川辺でびしょ濡れになる若者の集団、おどけてそれらを動画に収める高校生たち。

そんな人々を横目に電車に乗りこんだ男は、スマホの画面を眺めた。とあるニュースサイトで目についたのは、こんな見出しだった。

「20XX年、今年の流行語大賞は【鳥獣戯画ノリ】に決定」

聞けば、自然の中で楽しむ遊びが若者の間で再流行しているらしい。確かに、泥や水に塗れて愉快に転が

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ジンクス 2

ジンクス 2

『告白水平線』

そんな看板の立てられた、ある海岸があった。
夕方、水平線に太陽が沈む神秘的な光景は、永遠の愛を誓うにはもってこいだった。
景観の美しさだけでなく、「海に向かって叫べば告白が成功する」なんてジンクスもあった。そのためか、そこは老若男女問わず様々な人が訪れるだけでなく、デートスポットとしても人気があった。

私もつい先日、学生時代の友達とそこを訪れたばかりだった。縁結びの神社を巡るよ

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ジンクス 1

ジンクス 1

『告白水平線』

そんな看板の立てられた、ある海岸があった。
夕方、水平線に太陽が沈む神秘的な光景は、永遠の愛を誓うにはもってこいだった。
景観の美しさだけでなく、「海に向かって叫べば告白が成功する」なんてジンクスもあった。そのためか、そこは老若男女問わず様々な人が訪れるだけでなく、デートスポットとしても人気があった。

私もつい先日、パートナーとそこを訪れたばかりだった。煌めく夕陽を優美なエメラ

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或る男の話

或る男の話

ヒマワリへまっすぐ手を伸ばした彼女を見たのは、もう何年も前のことだったような気がします。
まっさらな白のワンピースは、大きくて遠い青空に湧き上がった入道雲と、同じ色をしていました。艶やかな黒髪だけは、夏の鮮やかさに反旗を翻すように、かったるい風に靡いていたのを覚えています。

「人はヒマワリに似ていると思う。」

ぽつりと、彼女は言いました。
「陽の当たるほうばかりを向くせいで、後ろに影ができると

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PEACE of cake

PEACE of cake

平和とは、

「ねえ」

平和とは、

「何?」

平和とは、

「だーかーらー、」

平和とは。

「進路、決まったの?って聞いてんの。」
「いまね、平和ってなんだろうって考えてて…。」
「話聞けって。」
「へへ…」
「さては、決まってないね。」
「うーん…スーパーヒーロー、とか?」
「は?」
「嘘、冗談。」
「だよね。」

嘘でも冗談でもない、って言ったら、みんなどんな顔するだろう。驚くだろう

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ペパーミント・ループ

ペパーミント・ループ

ばしん、という音と共に、体を駆け巡る振動。指先には見慣れたペパーミントが、ころんと転がっている。

ぷっくりと膨らんだ袖に、まだじんじんする指先を通した。柔らかな朝の光とは裏腹に、どんよりしたグレーの憂鬱。ボタンをとめる手が思うように動かないのは、きっとそれのせいだ。晴れているだけまだマシだ。

ちん、と音がして飛び出してきたトースト。そっとつまんで取り出したら、熱さでまた指先がじんじんする。

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ほんとのダックテイル

ほんとのダックテイル

リズミカルな、金属の擦れる音。
耳元を何度も行き来する、スリルのある摩擦音。
その向こうに聞こえる、ぷつぷつ、というちいさな音に、生まれ変わりを連想した。

「お客さん、」
「はい?」
「前髪、どうします?」
「ああ、えっと…」
「どうされました?」

どうされました?じゃないのだ。気になって仕方がないことがあった。
真っ白いふわふわが、鏡越しにもぞもぞ動いていた。それは位置的に、恐らく後ろの席の

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