見出し画像

『こころの問題』を考える前に、、、  異常なのはあなたのこころではない 

こころがツラい
気持ちが落ち込む
生きづらく苦しい、、、

なんらかの、
『こころの問題』
を抱えている方も多いのではないでしょうか?

こころに問題を抱えて、

“正常”に戻したい

と考えているかたも多いと思います。


ただ、
“こころの問題”の解決を考える前に、

「最初に知っておくべきこと」

があると考えています。



『こころの問題』は”異常”なのか?


『こころの問題』、『こころの病気』

僕らが“こころ”について悩むとき、このように表現されます。

『問題』、『病気』なので、
“異常”な状態だと思うはずです。

そして、
“正常”に戻したいと願うはずです。

しかしです。

はたして、
『こころの問題』は“異常”なのでしょうか?

人類の歴史を振り返ってみるとそうとは言い切れないと思うのです。



古い”脳”のまま『文明社会』に放り込まれた”人”


私たち“ホモ・サピエンス”は、
20万年ほど前にアフリカ大陸で誕生したと言われています。

そんなホモ・サピエンス(=以下“人”)は、
歴史のほとんどを
『自然世界』の中で、
狩猟採集をしながら、
150人程度の集団(=
ダンバー数)で
暮らしていたようです。

歴史的に見ると、”人”が
『文明社会』を生きるようになったのは、最近のことです。

“人”は、最近になって急激に生き方を変えたのです。


しかし生物は、
そんなに急激に進化できません。

とうぜん、“脳”の急激に進化できません。


つまり
“人”は、『自然世界』を小集団で狩猟採集していたころの“脳”を持ったまま。
しかし、とつぜん大集団の『文明社会』に放り込まれてしまったのです。



『自然世界』と『文明社会』は真逆


さて、
『自然世界』と『文明社会』はまるで鏡のように、逆さになっています。

『自然世界』では、
食欲旺盛なほうが生き残れます。
しかし『文明社会』では、
肥満の原因となり、健康が損なわれ早死にするかもしれません。

『自然世界』では、
性欲に素直なほうが、子孫を残せて有利です。
しかし『文明社会』では、
性欲を抑えないと不利になります。

そして、
今、僕らを悩ましているその「不安」もです。


今、”人”は「不自然な生き方」をしている

「怒り」のおかげで勝ち残ってきた“人”
「差別」のおかげで仲間を守ってきた“人”
「注意散漫」のおかげで危険に早く気づけてきた“人”
「敏感」なおかげで安全を確保できてきた“人”
「他人の目を気にする」おかげで生きやすい集団をつくってきた“人”

『自然世界』で“人”はそうやって生きてきました。
“脳”も“体”もそのように進化してきました。

しかし、
『文明社会』では、
それらは裏目に出てしまいます。


現在、私たちは、
“脳”や“体”にとって、
とても「不自然な生き方」をしているのだと思います。

そんな「不自然な生き方」に適応できないのは、むしろ当たり前だと思うのです。


あまりにも「不自然」なので、
『こころ』が暴走したり、警報を鳴らしたり、逆にフリーズしたり、閉じこもったり、、、


『こころの問題』を考えるスタート地点


そうやって
『こころの問題』が生まれるのだと思います。


へんな言い方ですが、
『こころの問題』を抱えるほうが“正常”なのではないでしょうか?

『こころの問題』がない人は、
自分で自分をだますのが上手いだけだと思うのです。


実際、
教育とは、

不自然な『文明社会』を、自然なものだとだます機能

だと僕は考えています。

教育とは、「自分をだます術」を学ぶことかもしれません。


なので、
『こころの問題』で自分を責める必要はないと思います。


自分が悪いから『こころの問題』が起こるのではなく、
社会自体がそもそもおかしいのです。

「社会はそもそもおかしい」

そこが『こころの問題』を考えるうえでのスタート地点だと思うのですが、いかかでしょうか?



読んでいただきありがとうございます。

ここでオススメの本を紹介します。
ベストセラーなので読んだ方も多いのでしょうか?

まずは、「スマホ脳」

とくに前半から中盤くらいまで読むと、
「いかに自分たちの“脳”が今の社会に適応していないか」
がよくわかります。


そして、「サピエンス全史」

僕たちが不自然な社会に適応するために、
“幻想”をつくり「自分をだましてきた歴史」がわかります。


さて、そんな不自然な社会を生きるために、
“人”にはすごい力があると思っています。

その力は、『自我』です。

いずれ『自我』について考えたいです。





この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?