じんた堂

紙の本、レコードやカセットテープ、フィルムカメラを愛するアナログ人間です。昭和グッズに…

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紙の本、レコードやカセットテープ、フィルムカメラを愛するアナログ人間です。昭和グッズに囲まれてまったりするのが好きです。

記事一覧

80年代、リンダ・ロンシュタットのスタンダード・ナンバー・アルバムが次々と

 前回、紹介した和田誠「いつか聴いた歌」は、文庫版あとがきで”リンダ・ロンシュタットやシーナ・イーストンといった、やや分野の違う若手も、スタンダートに挑戦するア…

じんた堂
6日前
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和田誠「いつか聴いた歌」は、スタンダード・ナンバー好きに送るエッセイ本

 イラストレーターだった和田誠は、エッセイストとしても数多くの著作を残している。中学時代から映画と音楽に親しんでいただけあって、古い映画やミュージカルに詳しくそ…

じんた堂
13日前
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80年代、それはテープでしか聴けないベストアルバムだった

はじめに  80年代、ミュージック・カセットテープは、レコードとは違う音楽世界を創り出していた。今回は、その一端となるベストアルバムの話をしよう。 1.80年代…

じんた堂
2週間前
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80年代、テレビはシティポップスのジュークボックス

はじめに  しばらく前に発掘した80年代にリリースされたシティポップスのタイトルを持つカセットテープの中身はアメリカンだったが、今回は、間違いなく80年代の日本生…

じんた堂
3週間前
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80年代、私のウォークマン物語

はじめに  今回は、80年代、身近にあって楽しい音楽体験をもたらしてくれたウォークマン、さらに最新型ウォークマンについて紹介しよう。これは私のウォークマン物語。 …

じんた堂
1か月前
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30分刻みでない変則時間カセットテープの謎

はじめに  初めてC46テープを見たときは、なんて中途半端な長さのテープだと思ったが、その理由を知りなるほどなった。今回は30分刻みが基本のカセットテープの異端児、…

じんた堂
1か月前
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80年代、フュージョンの王道と呼ばれたのは

はじめに  80年代フュージョンのキーボード・プレーヤーといえば、ボブジェームスの名をあげたい。彼が弾くエレクトリックピアノの音色は、いまも記憶に残っている。今回…

じんた堂
1か月前
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80年代、フュージョンの波が押し寄せてきた

 はじめに  70年代にジャズとロックの融合と言われながらも、どこか軸足をジャズにおいていたクロスオーバーは、やがてラテン、R&BやFUNKの要素もとりいれ80年代にはフ…

じんた堂
1か月前
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80年代、ウォークマンでニューエイジミュージックを聴いていた

はじめに  80年代にウィンダムヒルからリリースされたジョージ・ウィンストンのアルバム「オータム」は、TVCMに採用されよく耳にしたし、ウォークマンでもよく聴いて…

じんた堂
2か月前

柳ジョージの音楽体験の原点はアメリカのヒットソングだった

はじめに  ロックミュージシャンであった柳ジョージは、1984年に古いアメリカのヒット曲を歌ったアルバム「Good Times」をリリースした。80年代、このカセットテープを…

じんた堂
2か月前
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80年代にリリースされたシティポップス・アルバムにモヤモヤする

はじめに  70年代から80年代の日本のちょっとオシャレ感のある曲が、ジャパニーズ・シティポップスとして再評価されているが、80年代にリリースされたシティポップス・ア…

じんた堂
2か月前
4

軽くて柔らかいソノシートは楽しさあふれるレコードの仲間!

はじめに  音のでる雑誌としてデビューしたソノシートは、初めは薄いシート状の簡易レコードのような印象だったが、やがて両面収録になり厚みも増し本格的レコードにせま…

じんた堂
2か月前
3

そのSPレコードの呼び方はアップデートが必要かも?

はじめに  その話は、78回転のレコードをSPと呼ぶことから始まったが、それは海外では通じないらしい。さらにSPという言葉は、78回転とは異なるレコードを指すことがある…

じんた堂
3か月前
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コンパクト盤があることを忘れていました

はじめに  17㎝(7インチ)径のレコードといえばシングル盤とEP盤の二つが思い浮かぶが、じつは第三のレコードがあった。それはコンパクト盤と呼ばれていたが、いまは…

じんた堂
3か月前
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シングルレコードとEPレコードはどう違うんですか?

はじめに  17㎝(7インチ)径のレコードにシングル盤とEP盤があることは多くのレコード情報サイトで紹介されている。しかしその違いがどのように生まれたか説明するもの…

じんた堂
3か月前
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80年代、リンダ・ロンシュタットのスタンダード・ナンバー・アルバムが次々と

80年代、リンダ・ロンシュタットのスタンダード・ナンバー・アルバムが次々と

 前回、紹介した和田誠「いつか聴いた歌」は、文庫版あとがきで”リンダ・ロンシュタットやシーナ・イーストンといった、やや分野の違う若手も、スタンダートに挑戦するアルバムを作っている”と述べている。今回はそのリンダ・ロンシュタットのスタンダード・ナンバーの話をしよう。

 それまでカントリーロック歌手のように思われていたリンダ・ロンシュタットは、1983年「What's New」、1984年「Lush

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和田誠「いつか聴いた歌」は、スタンダード・ナンバー好きに送るエッセイ本

和田誠「いつか聴いた歌」は、スタンダード・ナンバー好きに送るエッセイ本

 イラストレーターだった和田誠は、エッセイストとしても数多くの著作を残している。中学時代から映画と音楽に親しんでいただけあって、古い映画やミュージカルに詳しくその話はどれも面白い。

 音楽系エッセイで一冊選ぶとしたら「いつか聴いた歌」(文春文庫)だろう。これはスタンダード・ナンバーとして定評のある曲に加えて、これからスタンダードになりそうな曲を思いつくまま100曲えらび、それがどの映画やミュージ

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80年代、それはテープでしか聴けないベストアルバムだった

80年代、それはテープでしか聴けないベストアルバムだった


はじめに

 80年代、ミュージック・カセットテープは、レコードとは違う音楽世界を創り出していた。今回は、その一端となるベストアルバムの話をしよう。

1.80年代、ベストアルバムがないと言われたあの人も

 2000年以前のユーミンはベストアルバムが少なく、70年代に2枚リリースしているが3枚目は1998年となり、80年代はゼロでまったくの空白期間だそうだ。しかし、これはLPレコードにかぎった

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80年代、テレビはシティポップスのジュークボックス

80年代、テレビはシティポップスのジュークボックス


はじめに

 しばらく前に発掘した80年代にリリースされたシティポップスのタイトルを持つカセットテープの中身はアメリカンだったが、今回は、間違いなく80年代の日本生まれのシティポップスと呼べそうな曲が詰まったカセットテープを紹介しよう。

1.ミュージック・カセットテープは旅のお供だった

 80年代のカセットテープが入った段ボール箱の中身を整理したら、山下達郎のアルバム「僕の中の少年」がでてき

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80年代、私のウォークマン物語

80年代、私のウォークマン物語

はじめに

 今回は、80年代、身近にあって楽しい音楽体験をもたらしてくれたウォークマン、さらに最新型ウォークマンについて紹介しよう。これは私のウォークマン物語。

1.私のウォークマン1号機

 80年代に初めて購入したウォークマンは、ほぼカセットテープケースと同じサイズ、テープをセットするときはボディの一部をスライドさせる面白い仕掛けをもっていた。実機はすでに手元にないが、たぶんSONY WM

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30分刻みでない変則時間カセットテープの謎

30分刻みでない変則時間カセットテープの謎


はじめに

 初めてC46テープを見たときは、なんて中途半端な長さのテープだと思ったが、その理由を知りなるほどなった。今回は30分刻みが基本のカセットテープの異端児、変則時間テープの話をしよう。

1.カセットテープの長さは30分刻み

 カセットテープはオランダのフィリップスが開発、その収録時間は60分(片面30分x2)でC60と表記した。その後、30分短いC30、30分長いC90などが追加さ

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80年代、フュージョンの王道と呼ばれたのは

80年代、フュージョンの王道と呼ばれたのは

はじめに

 80年代フュージョンのキーボード・プレーヤーといえば、ボブジェームスの名をあげたい。彼が弾くエレクトリックピアノの音色は、いまも記憶に残っている。今回は、そのボブジェームスの話をしよう。

1.フュージョンの王道

 しばらく前にボブジェームス・トリオの最新CDをカフェで聴いていたら、”ボブジェームスですか、フュージョンの王道でしたね”との反応があった。私よりはるかに長く多くの曲を聴

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80年代、フュージョンの波が押し寄せてきた

80年代、フュージョンの波が押し寄せてきた


 はじめに

 70年代にジャズとロックの融合と言われながらも、どこか軸足をジャズにおいていたクロスオーバーは、やがてラテン、R&BやFUNKの要素もとりいれ80年代にはフュージョンと呼ばれるようになった。今回はこのフュージョンの話をしよう。

1.日本人フュージョン・ジャズ・プレーヤーといえば

 日本のフュージョン・ジャズ・プレーヤーといえば、真っ先に名前があがるのはサックスプレーヤーの渡辺

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80年代、ウォークマンでニューエイジミュージックを聴いていた

80年代、ウォークマンでニューエイジミュージックを聴いていた


はじめに

 80年代にウィンダムヒルからリリースされたジョージ・ウィンストンのアルバム「オータム」は、TVCMに採用されよく耳にしたし、ウォークマンでもよく聴いていた。今回はその話をしよう。

1.ニューエイジ・ミュージックとは何だろうか? 

 ジョージ・ウィンストンのアルバム「オータム」は、ジャズでもないしイージーリスニングでもないニューエイジ・ミュージックと呼ばれた。

 いまもそうだが

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柳ジョージの音楽体験の原点はアメリカのヒットソングだった

柳ジョージの音楽体験の原点はアメリカのヒットソングだった


はじめに

 ロックミュージシャンであった柳ジョージは、1984年に古いアメリカのヒット曲を歌ったアルバム「Good Times」をリリースした。80年代、このカセットテープをよく聴いていた。今回はその話をしよう。

1.原点は50‐60年代のアメリカンポップス

 アルバム「Good Times」は、柳ジョージの音楽原点となった1950年代から60年代のアメリカのヒットソングを収録している。そ

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80年代にリリースされたシティポップス・アルバムにモヤモヤする

80年代にリリースされたシティポップス・アルバムにモヤモヤする

はじめに

 70年代から80年代の日本のちょっとオシャレ感のある曲が、ジャパニーズ・シティポップスとして再評価されているが、80年代にリリースされたシティポップス・アルバムは意外な内容だった。今回はその話をしよう。

1.古いカセット・ミュージックテープを発掘したら

 段ボール箱を開けたら、古いカセットテープが十数本でてきた。それは80年代のミュージックテープのような。そのなかの1本が気になっ

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軽くて柔らかいソノシートは楽しさあふれるレコードの仲間!

軽くて柔らかいソノシートは楽しさあふれるレコードの仲間!

はじめに

 音のでる雑誌としてデビューしたソノシートは、初めは薄いシート状の簡易レコードのような印象だったが、やがて両面収録になり厚みも増し本格的レコードにせまるようになった。今回は、レコードリスナーの話題に上ることが少ないソノシートの話をしよう。

1.ソノシートとは

 ソノシートは朝日ソノラマ社の登録商標なので、他社はフォノシートとしていたが、一般にはすべてソノシートと呼んでいた。それは、

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そのSPレコードの呼び方はアップデートが必要かも?

そのSPレコードの呼び方はアップデートが必要かも?

はじめに

 その話は、78回転のレコードをSPと呼ぶことから始まったが、それは海外では通じないらしい。さらにSPという言葉は、78回転とは異なるレコードを指すことがあるらしい。今回はSPレコードとは何かについて最新情報を含めてまとめてみた。これが参考になれば幸いです。

1.SPと呼ばれるレコードは何だろうか?

 SPレコードという呼び方は、LPレコードが登場する前にあった78回転レコードのこ

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コンパクト盤があることを忘れていました

コンパクト盤があることを忘れていました

はじめに

 17㎝(7インチ)径のレコードといえばシングル盤とEP盤の二つが思い浮かぶが、じつは第三のレコードがあった。それはコンパクト盤と呼ばれていたが、いまは話題になることが少なく、忘れ去られたような。今回は、コンパクト盤とは何かの話をしよう。

1.コンパクト盤とは

 コンパクト盤は、シングル盤やEP盤と同じ17㎝(7インチ)径だが、回転数はLPと同じ33。真ん中の穴もLPと同じサイズで

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シングルレコードとEPレコードはどう違うんですか?

シングルレコードとEPレコードはどう違うんですか?

はじめに

 17㎝(7インチ)径のレコードにシングル盤とEP盤があることは多くのレコード情報サイトで紹介されている。しかしその違いがどのように生まれたか説明するものは少ないような。そこでシングルとEPは、どこが違うかを調べた結果をまとめてみた。これでスッキリしていただければ幸いです。

1.ここが違うシングルとEPレコード

 そもそもEPレコードとは何だろうか?手元にレコード全盛期に発行されて

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