見出し画像

軽くて柔らかいソノシートは楽しさあふれるレコードの仲間!

はじめに

 音のでる雑誌としてデビューしたソノシートは、初めは薄いシート状の簡易レコードのような印象だったが、やがて両面収録になり厚みも増し本格的レコードにせまるようになった。今回は、レコードリスナーの話題に上ることが少ないソノシートの話をしよう。


1.ソノシートとは

 ソノシートは朝日ソノラマ社の登録商標なので、他社はフォノシートとしていたが、一般にはすべてソノシートと呼んでいた。それは、薄いフィルムのような素材で作られ曲げることができ、雑誌の付録や企画本などに利用された。

 なんといってもソノシートのコンテンツは、とても多彩で音があれば何でもありのような。音楽はもちろん、落語、祭りばやし、漫画アニメ、蒸気機関車の音、スーパーカーの音、さらに怪獣の鳴き声、コンピュータープログラムなどもあった。

 ソノシートの回転数は、LPレコードと同じ33、片面盤や両面盤もありステレオ録音もあった。その再生方法はレコードとまったく同じ。英語では、FLEXI DISCと表記する。

2.ソノシートの実物

 様々な内容があるソノシートの中から、音楽モノを紹介しよう。

1)朝日ソノラマ 映画音楽集

 音のでる月刊誌として登場した朝日ソノラマは、雑誌全体をレコードプレーヤーにそのままのせて再生するものだったが、音楽レコードと同じようなものもあった。
 下に載せたのは、オードリーヘップバーンの映画音楽集。A面に3曲、B面に2曲を収録している。もちろんステレオ録音、外径20㎝、発行は1964年(昭和39年)。

2)日本ビクター 明治百年企画本

 日本ビクターは、ソノシートを付属した本を発行したことがある。「大正琴でつづる明治百年」に付属する4枚は両面タイプ、発行は(1967年)昭和42年8月。なお明治百年は1968年だったが、それへ向けて前年からさまざまな企画があったそうだ。

3)東芝フォノブック ポップスNO.1シリーズ

 東芝音楽工業は、東芝フォノブックというソノシートを付属した本を発行していた。ポップスNO.1シリーズとして10冊ほど出版しており、それぞれソノシート4枚付属。手元にあるコンチネンタルタンゴ編は、1枚に2曲が収録された片面タイプ。シートは透明、解説によればその厚さは0.13mm。発行年は記載されていないが、今回紹介したなかでは一番古そうだ。

3.ソノシートのいま

 過去のものと思われがちのソノシートは、いまも新規制作が可能で販促グッズなどに利用されている。最小ロット300枚前後で納期は1ヵ月ぐらい、その製造は海外工場だそうだ。

4.まとめ

 ソノシートをレコードに含めることに疑問がないわけではないが、少なくとも両面タイプは限りなくコンパクト盤に近いような。内容はそれこそ何でもありだが、いまとなっては貴重な音源もあり、これからも残しておきたいレコードの仲間だ。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?