じんた堂

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紙の本、レコードやカセットテープ、フィルムカメラを愛するアナログ人間です。昭和グッズに囲まれてまったりするのが好きです。

最近の記事

聴き直しヒット曲#1 リー・リトナー キャプテンカリブ

 リー・リトナーの「キャプテンカリブ」は、アルバム「ジェントルソーツ」に収録されていた。アルバムのリリースは1977年、私は出遅れというか周回遅れのリスナーだったようで80年代に聴いていたような。 1.ジェントルソーツ・リユニオンのキャプテンカリブ  今回、聴き直したリーリトナーのアルバムは、2005年にリリースされた「OVERTIME」、これは2004年に行われたジェントル・ソウツ・リユニオンの演奏。その日本盤ボーナストラックに「キャプテンカリブ」が収録されている。リユ

    • ラテンジャズ音楽 ミシェル・カミロ

       キューバの東隣にイスパニョーラ島がある。島の1/3はハイチ、残り2/3はドミニカ共和国。ミシェル・カミロは、そのドミニカ共和国出身のジャズ・ピアニスト。並外れた速弾きから、超絶技巧のピアニストと呼ばれることもある。  ミシェル・カミロは多才で、ピアノソロやトリオの演奏に加えて、ビッグバンドの指揮、さらにクラッシク・オーケストラとの共演も行っており。それら作品は、ラテン音楽部門のグラミー賞を受賞している。  彼の曲で真っ先に思い浮かぶのは、「フロム・ウィズイン (From

      • キューバ音楽#4 キューバ音楽の原点といわれる「ソン」とは

         キューバは、ルンバ、マンボ、チャチャチャなど、数々のダンス音楽を生み出した。これらのキューバ音楽を調べると、「ソン」という言葉がたびたび登場する。この「ソン」とは一体何なのだろうか?  「ソン」は1920年代から1930年代にキューバで流行したダンス音楽。通常はギター、トレス、マラカス、クラベス、ボンゴ、ベースの6人で構成され、マラカスかクラベスを演奏する人が歌を担当することが多いそうだ。この音楽はスペインとアフリカの音楽要素が混ざり合い作られた、キューバを代表する音楽と

        • キューバ音楽#3、マリアリー・パチェーコ

           チューチョ・バルデスにつづくキューバのジャズピアニストとなれば、Playing Lecuonaで共演したゴンサロ・ルバルカバ(Gonzalo Rubalcaba)を紹介するのが順当だろうが、ここはちょっと視点を変えて女性ジャズピアニストを紹介しよう。    マリアリー・パチェーコ(Marialy Pacheco)は、キューバ出身の女性ジャズピアニスト。2012年モントルー・ジャズフェスティバル・ソロピアノコンペティションの優勝者。  まずはキューバ生まれの曲「EL MAN

        聴き直しヒット曲#1 リー・リトナー キャプテンカリブ

          キューバ音楽#2、チューチョ・バルデス

           ブエナビスタ・ソシアルクラブで開かれたキューバ音楽への興味は、現代のキューバ・ジャズ・ミュージシャンへ。  チューチョ・バルデスは、グラミー賞を6回も受賞したキューバ出身のジャズピアニスト、アメリカのジャズとアフリカをルーツとするリズムを融合したアフロキューバン・ジャズ・バンド「イラケレ」のリーダーでもあった。彼の活動範囲は広くアメリカを含めて海外でもコンサートを行い、演奏形式もソロ、トリオ、グループなど様々。 下に載せたのはアフロキューバン・ジャズ・バンドのイラケレの

          キューバ音楽#2、チューチョ・バルデス

          90年代、キューバ音楽#1、きっかけはブエナビスタ・ソシアルクラブ

           1999年に公開されたブエナビスタ・ソシアルクラブの映画は、衝撃的だった。映像で見るキューバの街は1950/60年代のまま時が止まったようで、街全体がセピア色に包まれていたが、人々はいきいきと明るく音楽を楽しんでいる。それはまるでタイムスリップした別世界を見るような。  発端は、1997年にライクーダーが制作したキューバのベテラン・ミュージシャンの演奏を収録した「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」のアルバム。映画は、ヴィムヴェンダース監督により同じタイトルで1999年に制作さ

          90年代、キューバ音楽#1、きっかけはブエナビスタ・ソシアルクラブ

          90年代、カーリー・サイモンのスタンダード・ナンバー・アルバム「マイロマンス」

           カーリー・サイモンもスタンダード・ナンバーに挑戦しアルバムをリリースしている。  カーリー・サイモンは、1971年にグラミー賞の最優秀新人賞を受賞し、翌年「うつろな愛(You're so vain)」でビッグヒット(全米1位)を記録した女性シンガー。彼女は、1990年にスタンダード・ナンバーのアルバム「マイロマンス」をリリースした。  カーリーが育った一家は、ブロードウェイ・ミュージカルをよく観にいき、両親の知人の有名作曲家の楽屋を訪れたりリハーサルものぞいたそうだ。つ

          90年代、カーリー・サイモンのスタンダード・ナンバー・アルバム「マイロマンス」

          90年代、シーナ・イーストンのスタンダード・ナンバー・アルバム「ノーストリングス」

           和田誠「いつか聴いた歌」の文庫版あとがきでリンダ・ロンシュタットとともに紹介されていたシーナ・イーストン、今回は彼女のスタンダード・ナンバー・アルバムの話をしよう。  シーナ・イーストンの名をはじめて知ったのは、スパイ映画007シリーズ「ユアアイズオンリー」のような。この映画は1981年公開、主演の007はロジャームーア、その主題歌を歌ったのがイギリス出身のシーナ・イーストンだった。  本題のスタンダード・ナンバーのアルバムは「ノーストリングス」、これは「ユアアイズオン

          90年代、シーナ・イーストンのスタンダード・ナンバー・アルバム「ノーストリングス」

          80年代、リンダ・ロンシュタットのスタンダード・ナンバー・アルバムが次々と

           前回、紹介した和田誠「いつか聴いた歌」は、文庫版あとがきで”リンダ・ロンシュタットやシーナ・イーストンといった、やや分野の違う若手も、スタンダートに挑戦するアルバムを作っている”と述べている。今回はそのリンダ・ロンシュタットのスタンダード・ナンバーの話をしよう。  それまでカントリーロック歌手のように思われていたリンダ・ロンシュタットは、1983年「What's New」、1984年「Lush Life」、1986年「For Sentimental Reasons」という

          80年代、リンダ・ロンシュタットのスタンダード・ナンバー・アルバムが次々と

          和田誠「いつか聴いた歌」は、スタンダード・ナンバー好きに送るエッセイ本

           イラストレーターだった和田誠は、エッセイストとしても数多くの著作を残している。中学時代から映画と音楽に親しんでいただけあって、古い映画やミュージカルに詳しくその話はどれも面白い。  音楽系エッセイで一冊選ぶとしたら「いつか聴いた歌」(文春文庫)だろう。これはスタンダード・ナンバーとして定評のある曲に加えて、これからスタンダードになりそうな曲を思いつくまま100曲えらび、それがどの映画やミュージカルのために作られたか、作詞作曲家はだれか、それを歌った代表的な歌手を紹介してい

          和田誠「いつか聴いた歌」は、スタンダード・ナンバー好きに送るエッセイ本

          80年代、それはテープでしか聴けないベストアルバムだった

          はじめに  80年代、ミュージック・カセットテープは、レコードとは違う音楽世界を創り出していた。今回は、その一端となるベストアルバムの話をしよう。 1.80年代、ベストアルバムがないと言われたあの人も  2000年以前のユーミンはベストアルバムが少なく、70年代に2枚リリースしているが3枚目は1998年となり、80年代はゼロでまったくの空白期間だそうだ。しかし、これはLPレコードにかぎった話のようで、カセットテープはまったく状況が違っていた。  カセットテープ「松任

          80年代、それはテープでしか聴けないベストアルバムだった

          80年代、テレビはシティポップスのジュークボックス

          はじめに  しばらく前に発掘した80年代にリリースされたシティポップスのタイトルを持つカセットテープの中身はアメリカンだったが、今回は、間違いなく80年代の日本生まれのシティポップスと呼べそうな曲が詰まったカセットテープを紹介しよう。 1.ミュージック・カセットテープは旅のお供だった  80年代のカセットテープが入った段ボール箱の中身を整理したら、山下達郎のアルバム「僕の中の少年」がでてきた。アルバムの中身は忘れているが、どこで買ったかは覚えている。レコード店でなくト

          80年代、テレビはシティポップスのジュークボックス

          80年代、私のウォークマン物語

          はじめに  今回は、80年代、身近にあって楽しい音楽体験をもたらしてくれたウォークマン、さらに最新型ウォークマンについて紹介しよう。これは私のウォークマン物語。 1.私のウォークマン1号機  80年代に初めて購入したウォークマンは、ほぼカセットテープケースと同じサイズ、テープをセットするときはボディの一部をスライドさせる面白い仕掛けをもっていた。実機はすでに手元にないが、たぶんSONY WM-20という1983年に発売されたモデルだったような。 2.私のウォークマン2

          80年代、私のウォークマン物語

          30分刻みでない変則時間カセットテープの謎

          はじめに  初めてC46テープを見たときは、なんて中途半端な長さのテープだと思ったが、その理由を知りなるほどなった。今回は30分刻みが基本のカセットテープの異端児、変則時間テープの話をしよう。 1.カセットテープの長さは30分刻み  カセットテープはオランダのフィリップスが開発、その収録時間は60分(片面30分x2)でC60と表記した。その後、30分短いC30、30分長いC90などが追加されバリエーションが増えた。  C60テープの長さは約90m、C90テープの長さ

          30分刻みでない変則時間カセットテープの謎

          80年代、フュージョンの王道と呼ばれたのは

          はじめに  80年代フュージョンのキーボード・プレーヤーといえば、ボブジェームスの名をあげたい。彼が弾くエレクトリックピアノの音色は、いまも記憶に残っている。今回は、そのボブジェームスの話をしよう。 1.フュージョンの王道  しばらく前にボブジェームス・トリオの最新CDをカフェで聴いていたら、”ボブジェームスですか、フュージョンの王道でしたね”との反応があった。私よりはるかに長く多くの曲を聴いている人の言葉を、どう解釈すればよいかちょっと悩んだ。  王道という言葉は解

          80年代、フュージョンの王道と呼ばれたのは

          80年代、フュージョンの波が押し寄せてきた

           はじめに  70年代にジャズとロックの融合と言われながらも、どこか軸足をジャズにおいていたクロスオーバーは、やがてラテン、R&BやFUNKの要素もとりいれ80年代にはフュージョンと呼ばれるようになった。今回はこのフュージョンの話をしよう。 1.日本人フュージョン・ジャズ・プレーヤーといえば  日本のフュージョン・ジャズ・プレーヤーといえば、真っ先に名前があがるのはサックスプレーヤーの渡辺貞夫だろうが、私が聴いていたのは同じサックスプレーヤーでもMALTA。  MA

          80年代、フュージョンの波が押し寄せてきた