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キューバ音楽#3、マリアリー・パチェーコ

 チューチョ・バルデスにつづくキューバのジャズピアニストとなれば、Playing Lecuonaで共演したゴンサロ・ルバルカバ(Gonzalo Rubalcaba)を紹介するのが順当だろうが、ここはちょっと視点を変えて女性ジャズピアニストを紹介しよう。
 
 マリアリー・パチェーコ(Marialy Pacheco)は、キューバ出身の女性ジャズピアニスト。2012年モントルー・ジャズフェスティバル・ソロピアノコンペティションの優勝者。

 まずはキューバ生まれの曲「EL MANISERO」(ピーナツ売り)。これは1927年にキューバのモイセス・シモンズにより作詞作曲され、アメリカをはじめに世界中でヒットした。日本でも1930年代前半に「南京豆売り」として歌われたそうだ。ラテン音楽の定番曲として多くのミュージシャンが演奏しているので、メロディを聴けばああこれかとなる人が多いだろう。下の映像は、マリアリー・パチェーコのピアノトリオ演奏。

 下に載せたのは、キースジャレットのアルバム「The melody at night」にも収録されている「BE MY LOVE」。こちらは1950年のアメリカ映画「ニューオリンズの美女」のために作られた曲、スタンダード・ナンバーとしてサラ・ボーン、ナンシー・ウィルソンなどジャズ歌手をはじめにプラシド・ドミンゴなどクラシック歌手も歌っている。マリアリー・パチェーコは、オーケストラをバックにピアノ協奏曲のように演奏。

 チューチョ・バルデスで紹介したキューバのエルネスト・レクオーナが作曲した「ラ・コンパルサ」は、多くのキューバ出身ミュージシャンが演奏している。マリアリー・パチェーコは、チューチョ・バルデスのアフロキューバン・ジャズ風の演奏と違って、ゆっくりしたテンポで全体を静かな曲調に仕上げている。

 最後に紹介するのは、アルバム・リロード(Reload)の収録曲。曲ごとに様々な国のゲストを招き作成したアルバムは多彩な表情の曲がたっぷり。下に載せたのは、Paseo en 6/8の収録風景。


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