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#コラム

個性も社会性もない弱者がこの世界を渡っていくために。

個性も社会性もない弱者がこの世界を渡っていくために。

人間社会というのは群れで生活することを基本として営まれている。現代は“個性”と呼ばれる個としてのオリジナリティーが尊重されてる時代といえるが、それでも社会の本質は変わっていない。

人間というのはこの“社会”というものに対していかに折り合いをつけ、うまくやっていくかに人生をかけ、そして願わくば愛する人々に囲まれて最期を迎えたいと考えている。

しかし、それは人間が人間であるがゆえの矛盾をはらんでい

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冬の海を見ましょう

冬の海を見ましょう

酔っていたい気持ちと今日は酔いたくないぞという気持ちだったり、なんだかどうでもよくって酔ってしまったという口実を使って電話したい人が何人もいること、冬の海が全部忘れさせてくれる気がするよ
#小説 #コラム #エッセイ #本

本の世界で、私は恋をした。

本の世界で、私は恋をした。

恋愛の本といって私が一番最初に思い出すのは、村上春樹さんの「ノルウェーの森」。

出産、育児を経て、本棚に並んだ本はどんどん減っていった。その中で生き残ったわずかの村上春樹たち。

文庫ではなく、Kindleでもなく、ハードカバー一択。赤と緑の装丁が、本棚の前を通るたびにちらちらと目の端に映った。哀しく美しいノルウェイの森の世界がふと頭をよぎる。

*タイトルについて‥.ちなみに「ノルウェイの森」

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メランコリー・ルーム

メランコリー・ルーム

 結局のところそれは自己防衛に過ぎなかったのだが、世界が完璧にメランコリーに見えていた時分があった。決まる気配のない定職を見かねて愚痴る母親も、自由業に好奇と羨望と軽蔑を等しく向ける過去の友人も、大型書店に並ぶ大成した経営者が著したハードカバーも、ちっともいいねが付かないアーティスト気取りのTwitterアカウントも、全部だ。全部がモノトーンで、無機質で、陰鬱な様相を呈していた。



 そのこ

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一度は手放してしまえばいい

一度は手放してしまえばいい

その人にとって大切なものは
必ず別の形で再び手元に戻ってくるもの。

そう考えながら、
日々ものごとと向き合っている気がします。

ものに取り囲まれてばかりでは、
何が大切なものかなんて
本当はわからない。

だから、
一度は手放してしまったほうがいい時もある。

どれほど大切なものだと思っていても、
手放してしまうことで、
本当に自分にとって価値あるものだったは
その時にこそよくわかるものですか

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幸福日和 #087「道草からの眺め」

幸福日和 #087「道草からの眺め」

こうして孤島で生活をしている僕は、
働いてもいないし、世間から見れば、
完全に「脱線した人」に
見えてしまうのかもしれません。

そもそも、人生の脱線とはなんだろう。
人生に明確な道なんてあるのだろうか。

そんなことを考えたりもします。

労働市場でキャリアアップが叫ばれ、
世間体というものが意識される世の中。

時には、
脇道にそれながらも他人が眺めることなどできない、
自分だけの絶景をながめ

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感情の中を泳いでゆく

感情の中を泳いでゆく

感情って不思議ですね。

いつもと変わらぬ同じ空を眺めながら、

昨日はあれだけ感傷的になっていたのに、
今日は、一変して穏やかな気持ちなんですね。




目の前で満ち引きする波のように。

また青空を流れてゆく雲のように。


人の感情も、その時々で変化をし移りゆくもの。

そう、あらためて感じます。



明日、自分が何をどう考えているかなんてわかりませんし、
来年の自分がどう思いながら海を

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輝きつづけるために

輝きつづけるために

自分の内側にある本質を
偽りなく形にすること。

それって、
簡単なようでなかなか難しい。

やはり人間だから、いいようにも見られたいし、
過剰に自分を表現してしまうこともあります。
気がつけば、
ついつい背伸びばかりをしてしまってる。

よく考えれば、それは身の回りの
多くのものもそうなのかもしれません。

お金の価値は素材そのもの価値ではなく
信用の形にすぎないし、
街に溢れている広告のイメー

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意識の檻から放たれて

意識の檻から放たれて

外からきこえてくる鳥のさえずりに、
穏やかな目覚めの朝を迎えました。

窓をあけて空を眺めると、その鳥の群れは、
孤島の上空をのびのびと旋回し、
やがて遥か彼方へと羽ばたいてゆくのでした。

思い思いに、伸びやかに、
自分の意思で羽ばたきながら、
一つの場所にとどまらず、世界に羽ばたいていく。

なんて自由で豊かな生き方だろう。

羽ばたいていく鳥の姿を眺めていると
いつも思うことがあるんです。

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