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「育てることの芸術」って何だろう

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オルタナティブスクールで担任をするまで(アシスタント期間)に感じたことをセルフドキュメンタリー→2019.04〜担任をはじめてからの気づき・学び。「育てることの芸術」に取り組む様…
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#シュタイナー教育

ときめきリストの「小さな世界」

ときめきリストの「小さな世界」

なんとも説明のむずかしい、それがどうした?というような「気持ちのあかるみ」について書きます。

*わたしが担任している低学年クラスには、特別支援の必要な八年生の女の子が一人います。わたしの担任デビューと共に入学してきた子で、はじめて出会った頃とくらべると、ずいぶんいろんなことができるようになりました。

明るくて天真爛漫。人の名前を覚えるのが得意。小さい子たちのクラスに入っているけれど「自分はお姉

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遊びから仕事への移行|手仕事の授業より

遊びから仕事への移行|手仕事の授業より

週に一度、小学4・6年生のクラスで、手仕事を教えています。

わたしは「手仕事を教えることの専門家」ではないのですが、「育てること」と「手仕事」には、それぞれ親しみを持っています。

(両者がつながる場所として、辛うじて立っている状況・・・。)

「育てること」と「手仕事」

このつなぎ目を、もっと解像度高めで捉えることができるように!

そんな願いから、手仕事教育の原点が示されている海外のテキス

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形は動きから生まれる

形は動きから生まれる

いつも、通勤にかかる1時間でせっせと「昔話を語る」練習をしているのですが、「どうすれば子どもたちにきちんと伝わるかな〜」というつながりで、授業の進行をイメトレすることもあります。

この間は、「詩に合わせた動き」をイメトレしながら、みんなが習得しやすくなる見せ方を考えていました。

そんな時、ふと込み上がってきたのが

形は動きから生まれる

という考え。

以前、授業でお手玉を使ったアクティビテ

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やっぱり芸術に身を通わせたい

(なんだかうまくまとまらない話を、実力の及ぶ限りで書いてみました。)

先日、ある作品展に行ってきました。

ルドルフ・シュタイナーの世界観をもとにした絵画芸術活動の作品展です。

同僚の先生や、かつての仲間たちが何人も出展していると聞き、横浜まで観に行ってきました◎

(わたしも一時期、こちらの世界へ入りかけたのですが、やっぱりパフォーミング・アートの方かな〜と方向転換した経緯があります。)

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子どもが子どもでいられる時間

子どもが子どもでいられる時間

オルタナティブスクールで教師をしています。少し前のことになりますが、先日、勤務先の学校でお祭りがありました。

わたしは子どもたちの作品展示コーナーで案内係をつとめたのですが、担任としての仕事を見つめ直すのに、とても良い機会となりました。

というのも、子どもたちのエポックノート(自分でつくる教科書のようなもの)や水彩画を観た多くの方々が、こう尋ねてきたのです。

これは子ども自身が考えたものです

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「育てることの芸術」ってなんだろう#1

わたしの仕事を紹介するにあたり、

「育てることの芸術」に取り組みたい

と書きました。

その意味するところを、これから何度かにわたって、いろんな角度から説明していきたいと思います。

*

さて、「育てることの芸術」--このことば自体は、ルドルフ・シュタイナーの人間学からきています。「教育芸術」ということばのほうがよく知られているかもしれませんね。

これは決して「芸術を教える」という意味

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小さく忘れて、小さく思い出す。大きく忘れて、大きく思い出す。

小さく忘れて、小さく思い出す。大きく忘れて、大きく思い出す。

気がつけば、前回の投稿からえらい時間が経っていました!

いよいよクラス担任の仕事がはじまり、なんとかかんとか四月を終えたところです。

ここへ記録しておきたいことは山ほどありますが、最近、学校案内の文章を書く機会があり、その時に書ききれなかったことをここへ残しておこうかと思いました。

まずは、なぜエポック方式で授業をすすめるかについて。

シュタイナー教育を取り入れている学校では、計算や読み書

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「おはなし」のはなしはまだまだつづく

「おはなし」のはなしはまだまだつづく

前回、ストリーテリングについて気づいたことをあれこれ書きました。

今日はその「あとがき」のような内容です。

実は、世界のいろんな「おはなし」を知るようになってから、ずっと心に蘇ってきている一冊の(いや、シリーズだから五冊?)本があります。

中沢新一さんの「カイエ・ソバージュ」シリーズ。簡単に言ってしまえば、「神話学入門」といったところでしょうか。

個人的には、シュタイナーよりも前に出会って

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ストーリーテリングについての雑感

ストーリーテリングについての雑感

学校に入るようになり、低学年クラスの「おはなし」を、かれこれ7回ほどやらせていただきました。

「おはなし」の時間は毎日あるので、自分が話すのでないときは、子どもたちと一緒に、担任の先生の語りを聞かせていただいています。

とても楽しみな時間なのですが、最初は、自分との語り方の違いにとても戸惑いました。

シュタイナー教育でよく言われるのは、「お話のときにあまり大げさな感情表現をしてはいけない。子

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シュタイナー教育教員養成講座体験記【1】

シュタイナー教育教員養成講座体験記【1】

前回、教員養成に参加した動機をたっぷり書きました。

今回は、実際に講座が始まってからのことを書きたいと思います。何をしたかというよりも、わたしの実感が中心です。

どんな人たちが集まるのか
子育て経験のある40代〜50代の女性がいちばん多い印象でした。男性もいなくはないですが、少数です。属性は本当に様々で、必ずしも教育関係者ばかりではありませんが、何かしら、子ども・芸術・音楽・自然・宇宙・神秘に

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低学年担当として身につけたいことリスト

低学年担当として身につけたいことリスト

何をするか迷ったときの目印として、自分用に書いておきます。

【あり方について】

▼何をするにも美しく・芸術的に

▼全体から個へ

▼体験から理解へ

▼心から心へ

▼授業準備はたっぷりと時間をかけて

▼呼吸を整えて(吸う・吐く、聴く・作業、思考・手足、みんな・一人)

▼日々の振り返りをする

▼規則正しく生活し、リズムに力をもらう

【授業について】

○フォルメン線描。まっすぐの線と

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新学期と新生活がはじまりました。働く・遊ぶ・学ぶ、ぜんぶ集まって「わたし」

新学期と新生活がはじまりました。働く・遊ぶ・学ぶ、ぜんぶ集まって「わたし」

福岡から東京に拠点を移し、アシスタントとして授業に参加する生活がはじまりました。

初日は、みんなにお土産を持って行きました。

「ホンモノ」志向なこの学校の人たちに、どんなお土産を持っていけばいいんだろう。「通りもん」はなんか違う気がするぞ・・・と悩んでいたところ、母が秋月まで連れて行ってくれることになりました。

秋月は福岡県朝倉市にある地域です。筑前の小京都と言われていて、戦国〜明治頃まで城

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シュタイナー教育教員養成講座体験記【0】

シュタイナー教育教員養成講座体験記【0】

去年の春に、2年間に渡るシュタイナー教育教員養成講座を修了しました。

ここでの体験は、単に仕事を得るための学びとは言い切れないような、自分の生き方に関わる変容の連続でした。もっと多くの方にこの恩恵が届くように、また、同じ道を進む仲間が増えるようにと願って、わたしの体験をシェアしていきたいと思います。

○シュタイナー教育っておもしろそう!
○ぼく・わたしもシュタイナー教育を受けてみたかったな〜!

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笛ケースをポシェット風に編みました

笛ケースをポシェット風に編みました

来年のクラス担任にむけて、笛ケースを編んでみました。もちろん、中に入れるのは、世界中のシュタイナー学校や音楽療法でおなじみのコロイ社・木製フルートです。

笛をする時間になると、こどもたちの素敵なケース(てづくり)が、輪になってぞろっと並ぶのですが、それがなかなかきれいなので、わたしもちょっと触発されてみました。

毛糸は半端に余っていたものをランダムにつなげていきました。

う〜ん、派手派手。美

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