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雑記

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たわいもないやつ
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アーティファクトを装備する話

アーティファクトを装備する話

それは他の誰のためでもなく、
世界で唯一私だけのための光。

子どもの頃から石が好きだ。
初めて手に取ったのは確か小学2年生の冬、出先でたまたま見つけたパワーストーン専門店に吸い寄せられるように入って、自分の誕生石であるターコイズを無心でひたすら眺めていた所から始まる。
普段おねだりわがままを一切言わない私が一粒1000円のターコイズの珠のために母親に無言の圧をかけ続けた。今になって思えば、その時

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肝心なのは理解と尊重という話

肝心なのは理解と尊重という話

何のために働くのか、
働くために何をするか、
何をなして働きとなるか

転職活動が思いのほか長引いた話をしたい。
3月で会社を辞めたが、率直に1ヶ月もあれば余裕だろうという驕りがあったので、まさか2ヶ月経って確定していないとは思っていなかった。
業種としてはおおむね2方向を受けていた。一方は建築関係のCADオペレーターや営業などの職種。そしてもう一方は運用系ITやコールセンターなどのこれまでに経験

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所詮昔の諺には限度があるという話

所詮昔の諺には限度があるという話

黴の生えた古畳も、苔生した石畳も、
表面を撫で削る前に油を撒いて焼いてしまえ。

ここだけの話……という程でもないのだが、実は会社を辞めた。
大学編入に伴って就いたのは現場経験を求めての施工管理職。しかし予想外の出来事に心境の変化も重なって、約6ヶ月で退職に踏み切った。今回はそんな私の「色々と言いたいこと」を書き連ねていきたい。

まずは退職の理由から。
これは大きく分けて4つあるが、

"原則"

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絶対的な天才より私という異才という話

絶対的な天才より私という異才という話

単純で画一的な評価項目には意味はない。
成績では測れない、数値化すら叶わない。
感性は曖昧なだけ、方向性が異なるだけ。
そんなものだけど、でもそれでいいんだ。

今更になるが、『左ききのエレン』を友人に勧められて一気読みした。
『自分が天才ではないと気づき挫折』したと称する原作者が描くのは、(決して自分の姿ではないとしつつも)本物の天才に圧倒され、翻弄され、それでも"何者か"になれることを夢見て精

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ハノイの流行りを日本で追う話

ハノイの流行りを日本で追う話

ハノイ在住時、(日本人を含む)外国人を中心に絶大な支持を受けていた飲食店がある。先に断っておくがベトナム料理ではない。"フレンチタコス"という……少なくとも日本人にはあまり聞き馴染みのないメニューの専門店だ。

「そもそもフレンチタコスって何?」みたいな疑問は各自で何とかしてもらうとして(タコスと言いつつもブリトーに近いこととか)、生活圏にこの店があったばかりに、当時は1~2週間に1回は確実に食し

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私の色を取り戻せという話

私の色を取り戻せという話

それは純粋にして尊き色。
何より熱くて静かな炎が、
昼と夜の境に世界を覆う。

以前……もう3年ほど前になるのか、オーラの色が視えるという方に会ったことがある。その人の中で最も割合の多い一色のみ視えるらしく、「〇〇さんは赤、〇〇さんは黄」とか、そんな感じだ。
例にもれず、私の色も視てもらった。するとその方は片目を手で覆い、何やら不思議そうにしてから、「案山子さんは……青、と緑っすね」と教えてくれた

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在るものを在るがままにという話

在るものを在るがままにという話

先人に学び、先駆けを追う。
誰も彼もが自らを唯一無二と語る、誰も彼もが自らを唯一無二と望む。

0. まずはあらましからもう半年ほど前の話になる。
ハノイ発成田行の便で帰国し、3日間の隔離を経て立ち寄った都内の本屋。そこで1冊の本を手に取ったことから今回の話は始まる。どっちが表題なのかよく分からないが"WAREHOUSE HOME"と銘打たれて……いや、せっかくなので(?)Amazonのリンクでも

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最強の自分を見つけるという話

最強の自分を見つけるという話

1. はじめについ先日、友達からの勧めでクリフトン・ストレングス(ストレングス・ファインダー)という性格診断を受けた。正確には性格診断というよりも才能や個性の良し悪しなんかを測るらしい。詳しい説明は……とりあえず、以下のリンク先から、どうだろうか。

ここでは才能の根拠となる要素を4領域・34種類挙げていて、「AとBのどちらが当てはまるか」という選択問題に繰り返し答えていくことで自分の強みとも言う

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数ある分岐点のうちのひとつの話

数ある分岐点のうちのひとつの話

前略、今年も無事に誕生日を迎えた。31歳になる。

12月も半ばの生まれだと翌年との境目もやや曖昧で、ゆえに人より少し早く「xx歳の抱負」という名の「来年の抱負」を考えたりする。
昨年は確か『周囲の人達を大事にする』とか掲げようとした矢先に「ありきたりすぎて微妙」とその場にいた友人から何故か却下、困惑した末に『本気で笑ったり泣いたりする恋がしたい』と、いやいやそれ目標というよりも願望じゃないかと思

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喪失感の喪失/或る筈の激情という話

喪失感の喪失/或る筈の激情という話

届かない想いは置き去りになって、
ただいたずらに時は過ぎていく。
別れも告げられずそこに留まって、
ただひたすらに時が流れていく。

10月、母方の祖母が亡くなった。
昭和7年(1932年)に樺太は豊原町*1で生まれ、昭和20年(1945年)の終戦を期に本土*2へ引き上げを経験した。元は拓銀*3の電話交換手をしており、道警*4の事務職だった祖父と結婚し叔父と母が生まれた。元々身体が丈夫ではなく、幾

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自分のための仮設足場を組み上げるという話

自分のための仮設足場を組み上げるという話

市中感染の第3波withロックダウンが来たりして長らく営業らしい毎日を送れずにいる現在、現職でのキャリアについて考えてみた。という訳で以下は自分なりに色々と調べてみたことなどを備忘録も兼ねてまとめたもの。
※興味のない人にはそこまでな記事かも……?

Step1. 日本で建築士(or施工管理技士)を目指すには仮に資格取得を目指した場合どうなるのかという事で、まずは日本での二級建築士または建築施工管

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あの頃テレビが全てだったという話

あの頃テレビが全てだったという話

これからする話は、もうかれこれ20年近く前……私がまだ中学生だった頃になる。

当時住んでいた家の近く、歩いて10分以内の所に新しいラーメン屋ができた。そこはバス通りに面していて、向かいには比較的大きなスーパーがあった。私の記憶が正しければ、そこのテナントには前にも別の飲食店が入っていたはずで、恐らくは居抜きで開店したのだと思う。
とある平日、仕事から帰ってきた母が「今日は疲れたから、どこか近所へ

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せめてこの感情だけは残したいという話

せめてこの感情だけは残したいという話

吹き荒び、凪ぎ、そしてまた逆巻いて。

早速だが今回は、私が最近ヘビロテしているジェニーハイの『夏嵐』の話をしたい。

元はといえば(ここ数日特に)ファンタジーライクなケルト音楽集に入り浸っていたというのに、かなりの急転回だなぁと自分でも思う。

最初は確か、最近の記事(毎日の記録など)を書きながらYoutubeを適当に流していて、おすすめの曲的な感じで上がっていた所をサムネイル画像に惹かれて選曲

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やっぱり全て等価交換という話

やっぱり全て等価交換という話

それは紅い雫と光る鱗の練成物。
立ち塞がる困難に突破口を穿ち、
正解のない問題に糸口を見出す。

6月初頭、大型案件*1の受注が決まった。
現在の会社に入社してから1年3ヶ月……初めて自身の営業の成果によって勝ち取った、文字通りの快挙であった。

内容としては北部のとある製造業の工場増築工事に当たるのだが、最初に話をもらったのは昨年の12月頃。当時は通常の営業周り(特に新規開拓)を省略し、既に訪問

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